じゅげむの実戦:将棋倶楽部24での初対局

じゅげむの実戦を取り上げます。
将棋倶楽部24で「jugem2016」のアカウントを取得しての初対局です。
三段(レーティング2000)で登録しました。

先手がじゅげむです。後手はレーティング約1900の対戦相手です。
挑戦をされたので、レーティングも近いですし、迷わず受けました。

初手からの指し手:▲7六歩△3四歩▲6六歩△8四歩▲1六歩△6二銀▲6八飛(下図)

じゅげむの将棋倶楽部24での初対局1

上図(7手目▲6八飛)からの指し手:△5四歩▲3八銀△8五歩▲7七角△1四歩▲7八銀△4二玉▲6七銀△3二玉▲4六歩(下図)
じゅげむの得意戦法のノーマル四間飛車です。
昔将棋にハマっていた中学生の頃は、四間飛車の勝率が一番良かったと思います。
最近は居飛車をよく指していたので、やや久しぶりです。
新アカウントなので気分を一新して、また四間飛車を指してみようと思いました。

じゅげむの将棋倶楽部24での初対局2

上図(17手目▲4六歩)からの指し手:△5三銀▲5八金左△5二金右▲3六歩△5五歩(下図)
居玉で▲4六歩は後手の居飛車穴熊を警戒した藤井システム風の駒組みです。
後手は端歩を受けているので(△1四歩)、居飛車穴熊の可能性はやや低いですが。

(18手目△5三銀)
と思ったら、△5三銀で、後手は持久戦を見せています。
急戦を狙うなら△4二銀~△5三銀左で、左銀が5三に上がる形が多いです。

(21手目▲3六歩)
居玉で▲3六歩は、後手の居飛車穴熊を警戒してやや突っ張った指し方です。
この手を見て、後手は△7四歩~△6四銀から急戦を狙う選択肢もあります。

じゅげむの将棋倶楽部24での初対局3

上図(22手目△5五歩)からの指し手:▲4八玉△5四銀▲3九玉△3三角▲4七金△2二玉▲3七桂△3二銀▲2六歩△2四歩▲2八玉△2三銀▲7八飛(下図)
後手の作戦は5筋位取りでした。△5五歩を見て、先手は玉を囲います。

(26手目△3三角)
△2二玉から玉を深く囲う狙いで、本譜の左美濃→銀冠の他に、居飛車穴熊もあるかと思っていました。

じゅげむの将棋倶楽部24での初対局4

上図(35手目▲7八飛)からの指し手:△3二金▲5九角△9四歩▲7五歩△8四飛▲9六歩△4四角▲2七銀△3三桂▲3八金△4二金右▲7六飛(下図)
△2三銀の瞬間に何かをしたかったのですが、石田流への組み換えを狙いました。
ただし、じゅげむは三間飛車は苦手で、石田流の経験値も低いです。
本譜でも後でひどいことになります(汗)
代わりに▲5六歩から動いた方が良かったような気もします。

(40手目△8四飛)
後手は△9四歩~△8四飛で、▲7四歩からの歩交換を受けます。
石田流に対するよくある受け方です。

じゅげむの将棋倶楽部24での初対局5

上図(47手目▲7六飛)からの指し手:△6四歩▲7七桂△6三銀▲5六歩△同歩▲同銀△7四歩▲同歩△7五歩▲同飛△7四銀▲4五歩△6六角▲7六飛△7五銀(下図)
先手も後手も銀冠に囲って、戦いの準備ができました。
この辺りから中盤戦で本格的な戦いが始まります。
本局は持久戦調の将棋になったので、長めの序盤戦になりました。
形勢はほぼ互角だと思います。
この辺りから、徐々に先手のじゅげむの指し手がおかしくなります(笑)
石田流に不慣れな感じが丸わかりです。

(49手目▲7七桂)
先手の飛車が狭くなるので怖い手です。

(51手目▲5六歩)
5筋の歩交換を狙いますが、後手に持たれた一歩で反撃をくらいます。

(54手目△7四歩)
後手の反撃。素直に進めると、以下▲同歩△7五歩▲同飛△7四銀▲7六飛△7五歩の飛車損で一気に敗勢に陥ります。本譜は▲同歩と取りましたが、▲8六歩の方が良かったような気がします。(対局中は見えていませんでしたが)

(59手目▲4五歩)
代わりに▲7六飛は△7五歩で飛車損、▲5五飛は△同角▲同銀△5八飛で角銀両取りです。

じゅげむの将棋倶楽部24での初対局6

上図(62手目△7五銀)からの指し手:▲6六飛△同銀▲6七歩△5七歩▲2五歩(下図)
△7五銀で先手の飛車が捕獲されてしまいました(泣)
飛車角交換とはいえ、飛車を取られるのはかなり痛いです。
玉の堅さはほぼ同じですし、ここでは劣勢だと思います。
ここからどのように粘るかを考えていました。

(66手目△5七歩)
厳しい一手。正直、全く見えていませんでした(汗)
▲6六歩と銀を取れば△5八歩成で角の逃げ場がありません。
△5七歩の代わりに△5五歩なら、▲4八角で銀と飛車を串刺しにする予定でしたが。

じゅげむの将棋倶楽部24での初対局7

上図(67手目▲2五歩)からの指し手:△同歩▲2四歩△同銀▲4八角△7四飛▲7八歩△7七銀成▲5七角△2六桂▲3九金△8七成銀▲2四角△7八飛成▲4八銀(下図)
▲2五歩は勝負手
反動がキツいですが、玉頭に嫌味をつけないと勝負にならないと思いました。
どうせ劣勢だと思っていたので開き直ります。

(71手目▲4八角)
△5八歩成なら▲6六角、△7七銀成なら▲5七角の飛車銀両取りの狙いです。

(73手目▲7八歩)
意外と後手は6六銀の処置が難しく、ひょっとすると大変なのではないかと思ってきました。
もし後手が大変だとすると、▲2五歩を相手にしないで、構わず△5八歩成などの方が良かったかもしれません。後手の8四飛が中途半端な位置なので、上図の時点でそもそも大変な形勢だった可能性もあります。
とはいえ、▲7八歩で先手は歩切れ、2五歩の圧力もあり、全く自信は持てないですが。

(76手目△2六桂)
この瞬間、得している桂で攻めているので、悪くなさそうなのですが・・・。
▲3九金と逃げておいて、「桂先の銀」の守りもあるので、意外と粘れる展開になりました。
どちらかというと、ここに桂を打たれるよりは、△2六歩~△2七歩の筋の方が嫌でした。

じゅげむの将棋倶楽部24での初対局8

上図(81手目▲4八銀)からの指し手:△6九飛▲5四角△7三桂▲4四歩△同歩▲5五銀△5三歩▲6三角成△4三金直▲6四銀△9九飛成▲7九歩(下図)
飛車に成り込まれて、この辺りから終盤戦です。
駒の損得は、先手の「角銀」と後手の「飛桂歩3」の比較になります。
ただし、後手の8七の成銀は完全に遊んでいるのでマイナスです。
この遊び駒を考慮すると、駒の損得は微差だと思います。
玉の堅さは金銀の枚数で考えると先手の方が堅そうです。
しかし、後手は二枚飛車で攻め駒が強力ですし、先手を握っています。
総合的にみて、形勢はそれほど離れていないと思います。

(84手目△7三桂)
逃げながら遊び駒を使って筋の良さそうな手ですが、△5八歩~△5九歩成の「と金」作りを狙われる方が嫌でした。

(87手目▲5五銀)
攻め駒が足りないので、やや中途半端な位置にいた守りの銀を攻め駒として使います。

(88手目△5三歩)
5筋に歩を打ってもらって少し安心しました。

じゅげむの将棋倶楽部24での初対局9

上図(93手目▲7九歩)からの指し手:△6七龍▲5三銀成△同金▲同馬△4二銀▲4四馬△9八龍▲6八歩△6四龍▲5四歩△4三香▲3四馬△4七香成▲同銀△2三金打(下図)
▲7九歩は2四の角の利きを生かして、7八の龍取りにしながら、9九の龍の横利きを遮断する味の良い手です。形勢の好転を感じていました。

(97手目▲5三同馬)
中途半端な位置にいた銀がさばけて、後手の守りの金と交換になったのは大きいです。
この瞬間は、後手の守り駒が3二の金1枚だけで、玉の堅さに差がついています。

(101手目▲6八歩)
このままでは△4七龍で金をタダ取りされるので、再び2四角の利きを生かして受けます。
角が受けに大活躍する将棋はなかなか珍しいです。

(104手目△4三香)
馬と金の田楽刺しで厳しい手ですが、4七の金を取られてもまだ先手陣には少し余裕がありそうです。

じゅげむの将棋倶楽部24での初対局10

上図(108手目△2三金打)からの指し手:▲同馬△同金▲4六角△5四龍▲2四歩△同金▲5八香(下図)
取った金を自陣に打って抵抗します。先手の馬と角の両取りです。

(109手目▲2三同馬)
先手の2四角は、後手の龍を押さえている大事な駒なので取らせるわけにはいかないです。
後手は△2三同金でも△2三同玉でも怖い形が残るのが泣き所です。

(111手目▲4六角)
角を逃げた手が6四の龍に当たるのが後手のつらい所です。

じゅげむの将棋倶楽部24での初対局11

上図(115手目▲5八香)からの指し手:△4四龍▲4五歩△7四龍▲4四金△2三金▲2五桂△同桂▲2四歩△1三金▲2六銀△3四桂▲5五角△2六桂▲3四桂(下図)
5四龍の利きと、9八龍の間接的な利きの焦点に香を打ちます。
△5七歩と焦点の歩を打ちたい所ですが、▲同香△6八龍には▲5八金で2つの龍取りが残りますし、先手に歩を渡すので難しい所です。

(121手目▲2五桂)
決めにいった手ですが、やや危険な意味合いもあります。

(124手目△1三金)
代わりに△3七角と打つ手があったかもしれません。以下、▲同角△同桂成▲同玉なら△2五桂で、△4四龍と質駒を取る手が詰めろ逃れの詰めろになるような組み立てを狙いたいです。
本譜は△1三金だったので次の▲2六銀が攻防で、先手陣の嫌味がなくなります。

(126手目△3四桂)
「敵の打ちたい所へ打て」の手筋でしかも両取りですが・・・。

(127手目▲5五角)
この手がぴったりです。本譜のように△2六桂と銀を取ると後手玉が詰みます。

じゅげむの将棋倶楽部24での初対局12

上図(129手目▲3四桂)からの指し手:△3一玉▲4二桂成まで131手で先手の勝ち
以下、後手玉は即詰みです。▲4二桂成以下は、△同玉なら▲4三銀からどこへ逃げても頭金の詰み、△2一玉と逃げても▲3二金△1二玉▲2一銀で詰みです。

「jugem2016」での初対局を勝利で飾ることができました。
勝利は嬉しいのですが、内容的には簡単に飛車を捕獲されてしまった中盤がちょっと・・・。

自戦の解説を書くのは初めてですが、一局丸ごととなると分量が多いですね(汗)
初対局&初解説なので気にしないで書きましたが、もう少しポイントを絞った方が良さそうです。

プロの将棋を題材にするだけではなく、今回のように自分の将棋も記事の題材にしたいと思います。プロの対局はアマチュアが理解するにはレベルが高すぎるということもあるので、このような解説記事も参考になるのではないでしょうか。