将棋の戦法
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・矢倉 ・角換わり ・横歩取り ・相掛かり
・急戦 ・左美濃 ・居飛車穴熊
・中飛車 ・四間飛車 ・三間飛車 ・向かい飛車
・将棋で最強の戦法は?
居飛車の戦法(相居飛車)
・矢倉
・角換わり
・横歩取り
・相掛かり
・急戦
・左美濃
・居飛車穴熊
・中飛車
・四間飛車
・三間飛車
・向かい飛車
将棋の戦法一覧
将棋の二大戦法は、居飛車と振り飛車です。
将棋で最強の駒である飛車の位置によって戦法が大別されます。ざっくり言うと、飛車を右側で使うのが居飛車、飛車を左側で使うのが振り飛車です。
居飛車の戦法(相居飛車)
居飛車は、飛車を定位置の2筋(後手は8筋)に置いたままで戦う戦法です。
自分も相手も居飛車の場合、相居飛車の戦法ということになります。
相居飛車の戦法で代表的なものは、矢倉、角換わり、横歩取り、相掛かりの4種類です。
矢倉
矢倉は戦法の名前であると同時に、矢倉囲いという囲いの名前でもあります。
矢倉の中でも、相矢倉と急戦矢倉の2種類に分かれます。相矢倉(上図)は、自分も相手も金銀3枚の矢倉囲いで玉を守ってから戦う本格的な戦法です。
急戦矢倉は、相手に矢倉囲いを組ませないために、急いで攻める攻撃的な戦法です。
相矢倉の戦法の種類:矢倉棒銀、加藤流、4六銀・3七桂型、森下システム、脇システム、早囲い、雀刺し、四手角
急戦矢倉の戦法の種類:左美濃急戦、△5三銀右急戦、米長流急戦矢倉、中原流急戦矢倉、右四間飛車、矢倉中飛車
角換わり
先手:なし 後手:角
角換わりは、序盤に角交換(上図)をして、お互いに角を持ち駒にしながら戦う戦法です。
角を打ち込まれる隙を作らないように駒組みを進める必要があるので、中級者以上向きの戦法となります。
角換わりの戦法の種類:棒銀、腰掛け銀、早繰り銀、右玉、筋違い角、一手損角換わり
横歩取り
先手:歩×3 後手:歩×2
横歩取りは、相手が角道を空けるために突いた△3四歩を飛車で取る(上図)戦法です。
序盤から大駒が自由に動きやすい戦法なので、激しい急戦となる可能性も高いです。
横歩取りの戦法の種類:△3三角戦法、△3三桂戦法、△4五角戦法、中座飛車、相横歩取り、△2三歩型
相掛かり
相掛かりは、序盤から飛車先の歩を伸ばして、飛車先の歩交換をして戦う戦法です。
相掛かりの棒銀(上図)は、初心者におすすめの戦法で、飛車と銀で敵陣を突破するのが強烈な狙いとなります。
相掛かりの戦法の種類:棒銀、腰掛け銀、塚田スペシャル、ひねり飛車
居飛車(対振り飛車)の戦法
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自分が居飛車で、相手が振り飛車の場合は、居飛車(対振り飛車)の戦法になります。
居飛車(対振り飛車)の戦法で代表的なのは、急戦、左美濃、居飛車穴熊です。棒銀戦法は急戦に含まれます。
急戦
振り飛車に対して、速攻を仕掛ける戦法です。
急戦にも色々とありますが、①飛車先の突破を目指す、②相手の角頭の弱点を攻める、というのが狙い筋となる戦法が多いです。
攻めが決まると一気に優勢になるのが魅力ですが、振り飛車の美濃囲いに比べると玉の守りが薄いのが弱点です。
左美濃
左美濃は、振り飛車の美濃囲いに堅さで対抗するための戦法です。
振り飛車側と玉の守りが互角以上となるので、
居飛車穴熊
居飛車穴熊は、穴熊囲いでがっちりと固める対振り飛車の戦法です。
振り飛車の美濃囲いよりも玉の守りが堅いので、終盤で勝ちやすい戦法として人気です。
振り飛車の戦法
振り飛車は、飛車を左側に移動させて(飛車を振って)戦う戦法です。
飛車を移動させる位置によって、中飛車、四間飛車、三間飛車、向かい飛車の4種類に分類でき、それぞれがさらに細かい戦法に分かれます。
角道を止めるノーマル型の振り飛車は、初心者でも駒組みをしやすいのが利点です。
中飛車
飛車を盤面中央の5筋で使う戦法が中飛車です。
角道を止めないゴキゲン中飛車(上図、先後逆)が人気で、飛車を攻撃に使いやすい攻め重視の戦法です。
また原始中飛車は狙いが中央突破で分かりやすく、初心者にもおすすめの戦法です。
中飛車の戦法の種類:ゴキゲン中飛車、先手中飛車、ツノ銀中飛車、原始中飛車
四間飛車
飛車を6筋(後手は4筋)に移動させる戦法が四間飛車です。
四間飛車は、振り飛車の中で最も攻守のバランスが良くて指しやすい戦法です。
角道を止める四間飛車(上図)は、序盤から激しい戦いになりにくいので、初心者でも駒組みをしやすい利点があります。
四間飛車の戦法の種類:四間飛車、藤井システム、角交換四間飛車
三間飛車
三間飛車は、飛車を7筋(後手は3筋)に移動させて戦う戦法です。
四間飛車に比べて飛車が1マス左に寄っただけですが、角道を止めないで戦う場合は、飛車先と角道が同時に開く布陣(上図)となります。
ゴキゲン中飛車が攻撃重視、四間飛車がバランス重視とすると、三間飛車は大駒のさばきを重視した戦法です。
三間飛車の戦法の種類:三間飛車、石田流
向かい飛車
向かい飛車は、飛車を8筋(後手は2筋)に移動させて戦う戦法です。
上図のように、飛車と飛車が同じ筋で向かい合う形となり、相手の飛車先を逆襲する狙いがあります。
相手に居飛車穴熊を簡単に組ませないための牽制にもなる戦法です。
向かい飛車の戦法の種類:向かい飛車、ダイレクト向かい飛車、阪田流向かい飛車
将棋で最強の戦法は?
将棋の各戦法には、それぞれ長所と短所があるので、最強の戦法が何かを決めることは簡単ではないです。
戦法の勝率や実績に加えて、初心者目線での狙いの分かりやすさや、駒組みのしやすさも加味して、第5位から第1位までを独断で決めてみました。
第5位 棒銀
先手:歩 後手:なし
棒銀は飛車と銀で攻める攻撃陣の形で、そのまま戦法名にもなっています。
シンプルながら破壊力は抜群で、上図ではすでに2筋を突破できそうな形です。狙いの分かりやすさ、攻めが決まった時の破壊力から、最強の攻めの形の一つと言っていいでしょう。
矢倉、角換わり、相掛かり、対振り飛車のいずれでも使える応用力の高さも素晴らしいです。
攻めの形の基本形で、初心者が最初に覚えたい攻撃パターンです。
ただし、狙いが分かりやすすぎて、相手が上級者だと受けられやすいという点から第5位にします。
第4位 矢倉
矢倉は金銀3枚で守る囲いの形で、そのまま戦法名にもなっています。
相居飛車の戦法では、お互いの玉がある側を、最強の攻め駒である飛車で正面から攻め合う布陣となります。
正面からの攻めに対して最も守備力が高いのが矢倉囲いなので、相居飛車で最強の守りを発揮できる戦法が矢倉と言っていいでしょう。
上図は、定跡にもなっている相矢倉の局面です。プロがお互いに最強の守りを目指した結果、自分も相手も矢倉になってしまった、という状況です。
自分も相手も矢倉、という状況になりやすいので、最強の戦法ランキングとしては第4位にしておきます。
第3位 矢倉+棒銀
最強の守りである矢倉に、攻めの基本形である棒銀を組み合わせた戦法です。
しっかりと守りを固めて、効率良くシンプルに攻めるという分かりやすい狙いがあります。
非常に単純な狙いの戦法ですが、矢倉+棒銀というのは、プロの対局でもけっこう見られる優秀な組み合わせです。
第2位 四間飛車
四間飛車は、振り飛車の戦法の中では最も攻守のバランスが良い戦法です。
初心者でも駒組みがしやすく、美濃囲いで簡単に玉の守りを強化できる、という意味では振り飛車で最強の戦法と言っていいでしょう。
実際に、アマチュアでは長きに渡り一番人気を維持し続けている戦法です。
プロ将棋界でも、大山康晴十四世名人の得意戦法として、一時代を築いた戦法です。大山康晴氏は、歴代タイトル獲得回数80期を記録している大名人です。この記録は、羽生善治氏の98期(2017年11月時点)に次ぐ第2位です。
将棋界の歴史の中で、ナンバー2を生み出した戦法なので、最強の戦法ランキングでも四間飛車を第2位にしたいと思います。
第1位 居飛車穴熊
居飛車(対振り飛車)で最強なのが、居飛車穴熊という戦法です。
プロでも勝率が極めて高く、一時期は全く振り飛車が指されなくなったほどです。
すんなりと穴熊に組まれてしまうと絶望的に勝てないため、近年の居飛車vs振り飛車の歴史は、居飛車穴熊に対する苦闘の歴史といっても過言ではないです。
どのくらい最強かというと、史上最強のプロ棋士である羽生善治氏が居飛車穴熊を使用すると、勝率9割という数字をたたき出します。
比較として、2016年の年間勝率トップ棋士で7割5分(青嶋未来氏、42勝14敗)で、この勝率も素晴らしい成績です。
それに比べると、勝率9割という数字の異常さが際立ちますが、最強の棋士が最強の戦法を使うとこうなる、ということでしょう。