美濃囲いの「特徴」「手順」「崩し方(攻め方)」をまとめています。
将棋の初心者の方にとっては、まずは美濃囲いの基本的な組み方の手順が大事です。代表的な3種類の手順について解説しています。
美濃囲いを組めるようになったら、次のステップは相手の美濃囲いを攻略することです。
この記事では、美濃囲いの崩し方(攻め方)の手筋を全25問の問題形式で解説しています。問題部分は、級位者から三段~四段ぐらいの有段者の方まで参考になると思います。
美濃囲いにかなり詳しくなれるので、ぜひ棋力アップに活用してください。
このページの目次
美濃囲いとは?(特徴、長所、短所)
美濃囲いは、図のような金銀3枚の囲いです。
矢倉、穴熊と並んで、将棋で最も代表的な囲いです。
矢倉や穴熊よりも短い手数で簡単に作れる割にはしっかりした囲いです。
四間飛車、三間飛車など、振り飛車の戦法との相性が非常に良いです。
ただし、5八に飛車がある中飛車の場合は、5八の金が1枚少ない片美濃囲いになります。
相振り飛車でもよく使われる囲いです。
振り飛車党は、美濃囲いだけ覚えておけば十分に戦えます。
手数があまりかからないので、急戦に対応しやすいです。
また、発展性に優れた囲いで、持久戦にも強みがあります。
美濃囲いから、高美濃囲いや銀冠に発展させることができます。
このように、急戦にも強く、持久戦にも強いので、
振り飛車は美濃囲いだけでも十分に戦うことができます。
<美濃囲いの長所>
手数がかからない。(5~6手)
横からの攻めに強い。
飛車の攻めに強い。
振り飛車との相性が良い。
<美濃囲いの短所>
上部(玉頭、端、コビン)からの攻めに弱い。
角と桂馬の攻めに弱い。
王手がかかるとすぐに詰まされやすい。
美濃囲いの手順
美濃囲いの組み方の手順は、だいたい3パターンあります。
1つ目の手順が最も基本的です。最初はこの手順だけ覚えておけば十分です。
2つ目の手順も実戦でよく現れます。
3つ目の手順はやや特殊で、藤井システムという戦法で使われます。
美濃囲いの組み方の手順(その1)
美濃囲いの最も基本的な手順です。次の4ステップで美濃囲いを組めます。
①飛車を左側に移動させる。
②玉を4八→3八→2八のルートで2八まで移動させる。
③銀を3八に真っ直ぐ上がる。
④左の金を5八に上がる。
②~④の手順を符号でまとめると、
▲4八玉→▲3八玉→▲2八玉→▲3八銀→▲5八金左(→▲1六歩)
の5手(6手)で完成することが分かります。
①~④の手順を一つずつ図で見ていくと、次のようになります。
①飛車を左側に移動させる。(四間飛車の場合は▲6八飛)
上図は、初手から▲7六歩→▲6六歩で角道を止めているノーマル四間飛車の基本図です。
三間飛車の場合は▲7八飛とします。
②玉を4八→3八→2八のルートで2八まで移動させる。(▲4八玉→▲3八玉→▲2八玉)
③銀を3八に真っ直ぐ上がる。(▲3八銀)
上図で金銀2枚の片美濃囲いまでは完成です。
④左の金を5八に上がる。(▲5八金左)
上図で美濃囲いは完成です。さらに、端歩(▲1六歩)を突くと玉が広くなります。
<手順その1の利点>
▲2八玉の局面から穴熊囲いも選べる。
途中で角を自陣に打ち込まれるスキがない。
美濃囲いの組み方の手順(その2)
2つ目の手順では、▲3八銀のタイミングが早くなります。
銀を上がってから、ジグザグに玉を移動させます。
①飛車を左側に移動させる。(四間飛車なら▲6八飛)
②玉を4八まで移動させる。(▲4八玉)
③銀を3八に真っ直ぐ上がって、先に片美濃囲いの骨格を作る。(▲3八銀)
④玉を3九→2八のジグザグのルートで入城させる。(▲3九玉→▲2八玉)
⑤左の金を5八に上がる。(▲5八金左)
②~⑤の手順を符号でまとめると、
▲4八玉→▲3八銀→▲3九玉→▲2八玉→▲5八金左(→▲1六歩)
となります。
①~⑤の手順を一つずつ図で見ていくと、次のようになります。
①飛車を左側に移動させる。(四間飛車の場合は▲6八飛)
上図は、初手から▲7六歩→▲6六歩で角道を止めているノーマル四間飛車の基本図です。
三間飛車の場合は▲7八飛とします。
②玉を4八まで移動させる。(▲4八玉)
ここまでは、「手順その1」と全く同じです。
③銀を3八に真っ直ぐ上がって、先に片美濃囲いの骨格を作る。(▲3八銀)
ここが「手順その1」と違います。
④玉を3九→2八のジグザグのルートで入城させる。(▲3九玉→▲2八玉)
上図で金銀2枚の片美濃囲いまでは完成です。
ここでは、「手順その1」と合流しています。
⑤左の金を5八に上がる。(▲5八金左)
上図で美濃囲いは完成です。さらに、端歩(▲1六歩)を突くと玉が広くなります。
<手順その2の利点>
▲3九玉型のままでも戦える。
<手順その2の欠点>
▲3八銀と上がった瞬間に、△2八角の打ち込みのスキができる。
▲3八銀を早めに上がるので、穴熊囲いを選べなくなる。
美濃囲いの組み方の手順(その3)
3つ目の手順は、藤井システムという戦法で現れます。
しばらくは居玉のままで、最後に玉が美濃囲いに入城します。
①飛車を左側に移動させる。(四間飛車なら▲6八飛)
②居飛車穴熊を牽制して、早めに端歩を突く。(▲1六歩)
③居玉のままで、先に美濃囲いの金銀の形を作る。(▲3八銀→▲5八金)
④玉を4八→3九→2八のルートで入城させる。(▲4八玉→▲3九玉→▲2八玉)
②~④の手順を符号でまとめると、
▲1六歩→▲3八銀→▲5八金→▲4八玉→▲3九玉→▲2八玉
となります。
①~⑤の手順を一つずつ図で見ていくと、次のようになります。
①飛車を左側に移動させる。(四間飛車の場合は▲6八飛)
上図は、初手から▲7六歩→▲6六歩で角道を止めているノーマル四間飛車の基本図です。
三間飛車の場合は▲7八飛とします。
②居飛車穴熊を牽制して、早めに端歩を突く。(▲1六歩)
「手順その1」「その2」とは違って、端歩をかなり早く突きます。
端攻めを見せて居飛車穴熊を牽制するのが、藤井システムのポイントです。
③居玉のままで、先に美濃囲いの金銀の形を作る。(▲3八銀→▲5八金)
この時点で、美濃囲いの金銀の形は完成しています。
相手が穴熊の場合は、居玉のままで戦うこともあります。
④玉を4八→3九→2八のルートで入城させる。(▲4八玉→▲3九玉→▲2八玉)
上図で美濃囲いは完成です。
<手順その3の利点>
玉の移動を後回しにできる。(藤井システムの場合)
<手順その3の欠点>
しばらくは居玉のままなので、急戦を仕掛けられると弱い。
▲3八銀を早めに上がるので、△2八角と打たれるスキができる。
美濃囲いの崩し方(攻め方)のポイント
美濃囲いの崩し方は、攻めるエリアごとに、次のような4つのパターンがあります。
・横からの攻め(上図の水色のエリア)
・コビン攻め(赤)
・端攻め(オレンジ)
・玉頭攻め(黄緑)
これらの4パターンで分類すると、美濃囲いの崩し方を手筋として覚えやすくなります。
また、いくつかのパターンを組み合わせた攻め方もあります。基本の4パターンをしっかり押さえておくと、コンビネーションの攻めを実戦で発見しやすくなります。
横からの攻め
美濃囲いは、横からの攻めに対して強い囲いです。
横からの攻めでは、7一の地点が急所で、▲7一銀や▲7一角の王手を狙います。(上図)
しかし、7一の地点は△6一金が守っていて、その△6一金をさらに△5二金が守っているので、美濃囲いの横の守りは非常に堅いです。
そこで、守りによく働いている2枚の金を、どうにかして無力化する必要があります。
コビン攻め
コビンとは、玉の斜め前のマス目のことです(上図では7三)。7三の地点を攻めたり、角の斜めのラインを利用して攻めることを「コビン攻め」と言います。
美濃囲いはコビン攻めに対して非常に弱いです。
特に、角と桂馬のコンビネーションで攻められると、手付かずの美濃囲いが一瞬で詰んでしまうこともあります。(上図)
端攻め
端攻めに対する弱さも、美濃囲いの大きな弱点です。
美濃囲いは、横は金銀3枚でしっかりと守っているのですが、端は桂香の2枚だけしか守っていません。
枚数だけではなく、桂馬と香車は後ろに後戻りできない駒なので、うまく弱点を突くと美濃囲いの端は簡単に破れます。(上図)
玉頭攻め
美濃囲いは玉頭攻めにも弱いです。
玉頭の8三の地点を守っているのは、△7二銀の1枚だけなので、横に比べると守りがかなり手薄になっています。
特に上図のように、一段飛車で△6一金をにらんでいる場合は、△7二銀が動くと金を取られてしまうので、玉頭攻めが非常に厳しくなります。玉頭攻めに横からの攻めを絡めたコンビネーションの攻めと言えます。
このように、「横」「コビン」「端」「玉頭」の4つのうちで、いくつかの攻めを組み合わせるコンビネーションも非常に効果的です。
横からの攻めの手筋(全9問)
美濃囲いを、横からの攻めの手筋で攻略する問題です。
ヒント・解答・解説がすぐに見える位置にあると気になる方は、問題だけをまとめた場所がありますので、そちらからご覧ください。
横からの攻めの手筋①
<問題1>
<ヒント>
片美濃崩しと同じような攻め方が有効です。
△5二金に触らないで攻めることができます。
<答え>
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↓
↓
↓
↓
↓
↓
正解手順:▲7一銀△9二玉▲6一飛成(成功図)
成功図以下、△6一同銀は▲8二金までの詰みです。初手の▲7一銀に対して△同金は、以下▲同角成△9二玉▲8二金までの詰みとなります。
一段飛車(▲2一飛)と角のライン(▲4四角)で遠くから7一の地点を攻めるパターンです。この攻め筋に対しては、5二の金が守りに役に立っていません。5二の金がない片美濃囲いに対しても同じ攻め筋が使えます。
また、△9四歩と端歩を突いていない美濃囲いの玉の狭さがよく分かります。もし端歩を突いてあれば、△9三玉と逃げることができます。
横からの攻めの手筋②
<問題2>
<ヒント>
歩の使い方がポイントです。
△5二金を無力化できれば、片美濃崩しの手筋が使えます。
<答え>
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
正解手順:▲4三歩△同金▲6二銀(成功図)
初手は▲4三歩の「垂らしの歩」が正解です。次の▲4二歩成が厳しいので△同金と取りますが、成功図の▲6二銀が片美濃崩しの有名な手筋となります。
▲6二銀は一見タダですが、△同金と取ると、以下▲7一角△9二玉▲6二角成(成功図2)で後手陣は完全に崩壊します。
この問題のポイントは、垂らしの歩(▲4三歩)による5二の金の無力化です。美濃囲いの外側の守りの金(△5二金)が1枚少なくなると片美濃囲いになり、片美濃崩しの手筋が使えるようになります。片美濃崩しの手筋が使えるように、△5二金を無力化するのが美濃崩しのセオリーです。
横からの攻めの手筋③
<問題3>
<ヒント>
4四の角取りになっていますが、角を逃げる手は甘いです。
ここでは思い切った寄せがあります。
<答え>
↓
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↓
↓
↓
↓
↓
正解手順:▲5三角成△同金▲6二銀(正解図)
正解図以下、△6二同金なら▲7一銀△9二玉▲6二銀成(成功図)で攻めが成功です。
本問のポイントは、前問と同じく5二の金の無力化です。問題図から▲5三角成△同金(途中図)と角を切った局面で、5二の金が上ずって受けに働かなくなっています。こうなると片美濃崩しと同じで、▲6二銀から手筋の寄せが使えます。
ただし、正解手順の攻めは「角銀」の2枚を渡すので、実戦では自玉の安全度にも気をつける必要があります。
横からの攻めの手筋④
<問題4>
<ヒント>
後手の持ち駒に歩があります。歩を使った受けには要注意です。
<答え>
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
正解手順:▲5三歩△6二金寄▲5一銀△5三金▲6二銀不成(成功図)
初手▲5三歩が正解です。①△同金なら守りの金が上ずるので、▲6二銀△同金▲7一角の片美濃崩しの手筋が使えます。▲5三歩に対して、②△5一金引なら▲5二銀が厳しい攻めとなります。
▲5三歩に対して、正解手順の③△6二金寄と抵抗する受けがありますが、そこで▲5一銀(途中図)が好手です。次に▲6二銀不成が厳しいので△5三金と逃げますが、そこで▲6二銀不成(成功図)と追撃すれば、片美濃崩しの形になって攻めが成功します。
なお、途中図で△同金▲同龍△6一金の受けなら▲6二金が好手で、以下△5一金と龍を取ると▲7一角△9二玉▲7二金で必死がかかります。
ちなみに、初手▲4四角も急所のラインですが、この場合は△5三歩あるいは△5一歩(参考図)の底歩で受けられます。参考図からは▲5四歩と垂らすような手が考えられますが、正解手順と比べて攻めが遅れます。なお後手が歩切れなら、初手▲4四角として、次に▲7一銀を狙うのも有力です。
横からの攻めの手筋⑤
<問題5>
<ヒント>
金底の歩に対しては、ある駒を使って金を攻めるのが急所です。
<答え>
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
正解:▲5九香(正解図)
金底の歩(△5二金△5一歩の形)に対しては香車で攻めるのがセオリーです。
正解図の▲5九香を放置すると、次に▲5二香成△同歩(△同金でも)▲7一銀からの詰み筋があります。
▲5九香に対して△6二金寄と逃げても、▲5一香成で攻めが成功です。以下、△7一金と逃げると▲5二成香(変化図)が好手です。△5二同金と取れば▲7一角成からの詰みです。
横からの攻めの手筋⑥
<問題6>
<ヒント>
確実な攻めを目指します。後手の応手によっては一気の寄せもあります。
<答え>
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
正解手順:▲4三歩△同金▲6三香△7一金▲6二香成(成功図)
▲4三歩の「と金」作りが正解です。▲4三歩に対して、「と金」作りを受けるなら①△同金、②△5一金寄のどちらかです。あるいは、③手抜き、も考えられます。
①△同金なら5二の金が無力化するので、あとは片美濃崩しと同じです。▲6三香(途中図)からの手筋の攻めが使えます。
途中図の▲6三香を△同銀なら▲6一龍で金を取れるので、△7一金とかわしますが、成功図の▲6二香成が軽妙手です。
▲6二香成以下、△同金▲7一銀△9二玉▲6二銀成で一気の寄せが決まります。
なお▲6二香成のところで、▲6二銀の攻めも有力ですし、▲7一同龍△同玉▲6二金△8二玉▲7一銀△9二玉▲7二金の攻め筋も有力です。ただし、これらの攻めは銀や飛車を渡すので、駒を渡したときの自玉の安全度を考える必要があります。
②△5一金寄は「と金」作りを受けた手ですが、それでも▲4二歩成(変化図)とする手があります。△同金寄は▲5一龍なので△同金上ですが、▲7一銀△9二玉の王手を決めてから▲4二龍と金を取る手が詰めろになります。この手順でも後手陣は崩壊します。
③手抜きは一番有力ですが、次の▲4二歩成からの「と金」攻めが確実な攻めとなります。
先手の攻めに対して、①や②のように受けると逆に攻めが速くなってしまいます。「何も受けずに手抜きが最善」という局面は意外と多いです。
横からの攻めの手筋⑦
<問題7>
<ヒント>
一気の寄せがあります。駒損を気にしないでください。
<答え>
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
正解:▲5二角成(正解図)
正解図以下、△同金と取れば▲7一銀△9二玉▲8二金(詰め上がり図)で詰みです。
詰め上がり図を見ると分かるように、5二の金を取って△同金となった形は、守りの金が2枚とも無力化しています。
美濃囲いに対する▲3四角(馬)のラインは急所です。△5二金と△6一金の両方をにらんでいるからです。
△5三歩がない場合(あるいは打てない場合)は、▲3四角のラインだけではなく▲4四角のラインも急所になります。状況に応じて角のラインを使い分けることが大事です。
横からの攻めの手筋⑧
<問題8>
<ヒント>
香車の上手い使い方があります。
<答え>
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
正解:▲6三香(正解図)
初手▲6三香が正解です。7二の銀と5二の金の両方が利いている焦点の香車で、△6三同銀なら▲6一龍で金を取れますし、△6三同金なら▲6一角成△同銀▲同龍の2枚換えで攻めが成功します。
正解図の▲6三香に対して、△5一金寄と頑張る手はありますが、それでも以下▲5二角成△同金▲6二金(変化図)で美濃囲いは崩壊します。
横からの攻めの手筋⑨
<問題9>
<ヒント>
△5二金を攻めるのが美濃崩しのセオリーの一つです。
<答え>
↓
↓
↓
↓
↓
↓
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正解手順:▲4四桂△6二金寄▲5二歩(正解図)
その他の候補手:▲4三歩
前問のように、5二の金を攻めるのが美濃崩しの急所の一つです。5二の金を取れると、△同金としたときに6一の金まで上ずるので、囲いをかなり弱体化させることができます。
桂馬は▲4四桂の筋で5二の金を攻めやすい駒です。△6二金寄と逃げても、▲5二歩(正解図)と垂らして「と金」攻めを狙う手があります。次に▲5一歩成から守りの金を取れれば、攻めが成功します。
本問のように、桂馬は横からの攻めにも使えます。ただし、桂馬はコビン攻めや端攻めに使うと非常に強力な駒なので、状況に応じて最も効果的な使い方を考えたいです。
(その他の候補手)
問題図で▲4三歩の垂れ歩も有力です。△同金なら▲5五桂△5四金▲6三桂成(または▲6三桂不成)(参考図)という攻め筋があります。参考図で△6三同銀なら▲6一龍なので攻めは成功しています。
ただし、▲4三歩に手抜きをされた時に、▲4四桂よりも攻めが一手遅れるので、▲4四桂の方を正解手としています。
コビン攻めの手筋(全9問)
美濃囲いを、コビン攻めの手筋で攻略する問題です。
ヒント・解答・解説がすぐに見える位置にあると気になる方は、問題だけをまとめた場所がありますので、そちらからご覧ください。
コビン攻めの手筋①
<問題10>
<ヒント>
3手詰です。
<答え>
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
正解手順:▲7四桂△9二玉▲8二金(詰め上がり図)
角と桂馬のコンビネーションの手筋で、即詰みがあります。
問題図から▲7四桂(途中図)がコビン攻めの有名な手筋です。角の間接的な利きが玉をにらんでいるので、△7四同歩とは取れません(玉を角で取られてしまいます)。
途中図の▲7四桂は王手をかけながら、6二の逃げ道をふさいでいます。△9二玉と逃げても△7一玉と逃げても、以下▲8二金(詰め上がり図)までの詰みとなります。
コビン攻めの手筋②
<問題11>
<ヒント>
手順前後に注意してください。
<答え>
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↓
↓
↓
↓
↓
↓
正解手順:▲6一龍△同銀▲7四桂(成功図)
前問と異なり持ち駒に金がありませんが、6一の金が龍で取れる質駒になっています。
正解は問題図ですぐに▲6一龍と金を取る手で、△同銀なら▲7四桂(成功図)と桂馬を打って詰みます。以下、玉をどこへ逃げても▲8二金(詰め上がり図)までの即詰みです。
問題図で先に▲7四桂を打ってしまうと、△9二玉なら▲6一龍で良いのですが、△7一玉と逃げられると、以下▲6一龍△同玉(失敗図)で後手玉に詰みがなく失敗です。
失敗図では、美濃囲いの5二金が受けによく働いています。片美濃囲いとの大きな違いです。
本問のように、先に▲7四桂か▲6一龍かの手順前後で、結果が大きく変わることがあるのが将棋の面白いところです。
コビン攻めの手筋③
<問題12>
<ヒント>
後手の持ち駒がないことに着目します。
<答え>
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
正解手順:▲7四桂△7一玉▲4四角(正解図)
まずは、角と桂馬のコンビネーションで▲7四桂と王手をします。先手の持ち駒が飛車なので△7一玉と逃げますが、以下▲4四角(正解図)と角を再活用する手で即詰みがあります。
正解図の▲4四角に対して、後手は持ち駒がないので△6二金寄か△6二金上と受けるしかありません。どちらでも、以下▲同角成△同金▲5一飛△6一金▲8二金(詰め上がり図)までの詰みとなります。
ただし、後手が歩を持っていると、正解図の▲4四角に対して△5三歩の合駒で受かるので注意が必要です。
コビン攻めの手筋④
<問題13>
<ヒント>
即詰みがあります。
<答え>
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
正解手順:▲7四桂△9二玉▲8二金△9三玉▲6六角△8四歩▲8五桂(詰め上がり図)
問題図では、端に玉の逃げ道がありますが、この形は後手玉に即詰みがあります。
初手は▲7四桂の王手です。後手の応手として、①△7一玉、②△9三玉、③△9二玉の3通りの逃げ方があります。
①△7一玉なら、以下▲8二金までの3手詰です。
②△9三玉なら▲8五桂(変化図)と跳ねる手があり、以下△8四玉なら▲7五金、△9二玉なら▲8二金までの5手詰です。
③△9二玉が正解手順で、最長の詰め手数となります。以下、▲8二金△9三玉(途中図)のときに、再び角と桂馬のコンビネーションの手筋があります。すなわち、途中図から▲6六角△8四歩▲8五桂(詰め上がり図)までの7手詰です。
コビン攻めの手筋⑤
<問題14>
<ヒント>
難問。横からの攻めとコビン攻めのコンビネーションです。
<答え>
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
正解手順:▲6四角△6三金▲6二歩△7一金▲7四桂△同金▲5三角成(正解図)
初手▲6四角で、次の▲7四桂△9二玉▲6一龍を狙います。▲6四角に対して△6三金と上がるのが手筋の受けですが、そこで▲6二歩(途中図)が急所の一手です。
途中図の▲6二歩に対して、①△同金引なら▲7四桂△9二玉▲6一龍、②△同金上なら▲7一銀があります。そこで③△7一金とかわしますが、以下▲7四桂△同金▲5三角成(正解図)が上手い手順で攻めが成功しています。
正解図の▲5三角成は、次に▲7一龍△同玉▲6一歩成(変化図)からの詰みを狙っています。変化図以下、△6一同玉なら▲6二金までの詰み、△8二玉なら▲7一馬△9二玉▲8二金までの詰みです。
正解図は非常に受けづらく、片美濃崩しの有名な形となっています。横からの攻めとコビン攻めを組み合わせることで、片美濃崩しの形にすることが狙いの問題でした。
コビン攻めの手筋⑥
<問題15>
<ヒント>
長手数の即詰みがあります。
<答え>
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
正解手順:▲7四桂打△同歩▲同桂(正解図)
▲7四桂打△同歩▲同桂の「継ぎ桂」の手筋が正解です。
正解図から、①△7一玉なら▲8二金で詰み、②△7三玉なら▲8二角△7四玉▲7五金で詰み、③△9三玉なら▲8二角△9二玉▲9三香△同桂▲9一角成△同玉▲8二金で詰み、④△9二玉と逃げるのが最長手数の詰みになります。
正解図以下、△9二玉▲9三香△同玉▲8二角△9二玉▲9一角成△9三玉▲8二馬△8四玉▲7五金(詰め上がり図)で、問題図から数えると13手詰になります。
▲7四桂打△同歩▲同桂の継ぎ桂は、美濃崩しの代表的な手筋の一つです。
美濃囲いは玉にヒモがついていない(玉のある8二のマス目に味方の駒の利きがない)ので、一度王手をかけられると8二の地点を制圧されて、連続して王手をかけられやすくなります。そのまま即詰みになる場合もあり、美濃囲いは王手に弱い囲いと言えます。
「継ぎ桂」「角と桂馬のコンビネーション」のコビン攻めの手筋は、王手に弱い美濃囲いの弱点を突いた攻め方です。
コビン攻めの手筋⑦
<問題16>
<ヒント>
前問の応用です。たった一手で後手玉に詰めろがかかります。
<答え>
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
正解:▲8六桂(正解図)(または▲6六桂)
盤面に何の手がかりもありませんが、▲8六桂がいきなり詰めろになります。▲6六桂でも同じく詰めろになります。
手順は前問とほぼ同じで、正解図から▲7四桂打△同歩▲同桂△9二玉▲9三銀打△同玉▲8二角△9二玉▲9一角成△9三玉▲8二馬△8四玉▲7五金(詰め上がり図)までです。
手順中の▲7四桂打が継ぎ桂と呼ばれる手筋で、△同歩▲同桂となってみると、後手玉が非常に狭いことが分かります。▲同桂に対して△7三玉と上部に逃げても、以下▲8二角△7四玉▲7五金で捕まってしまいます。
他の変化手順については、前問の解説を参考にしてください。持ち駒が香車から銀に変わっているだけで、詰み手順はほぼ同じです。
コビン攻めの手筋⑧
<問題17>
<ヒント>
横からの攻めや端攻めなども有力ですが、コビン攻めを考えてみてください。
<答え>
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
正解手順:▲7四歩△同歩▲7三歩△同桂▲8六桂(成功図)
その他の候補手:▲4四桂、▲9五歩
▲7四歩△同歩▲7三歩(途中図)のコビン攻めがあります。途中図の▲7三歩は「焦点の歩」の手筋で、①△同銀は▲6一龍があるので、②△同桂か③△同玉のどちらかになります。
途中図で②△同桂の場合は、▲8六桂(成功図)の「控えの桂」が厳しく、次の▲7四桂の王手を防ぐ手段がありません。
途中図で③△同玉の場合は、▲8五桂(変化図)が厳しい一手です。
変化図から、(A)△8二玉なら▲8六桂や▲7三歩が厳しく、(B)△8四玉と上に逃げると▲6一龍が次の▲7五銀△同歩▲7四金△同玉▲7二龍以下の詰めろで、△6一同銀なら▲8六銀で必死となります。(C)△6二玉なら▲6六桂で次の▲7四桂が受かりません。
結局、途中図から△7三同玉の変化は▲8五桂で攻め切れます。
美濃囲いに対するコビン攻めのパターンとしては、前問までで紹介した「角と桂馬のコンビネーション」「桂馬2枚を使った継ぎ桂」の2種類が最も代表的です。
しかし、本問のように7筋に歩が利く場合は、7三の地点を攻めるのも有力です。途中図の「焦点の歩(▲7三歩)」を、どの駒でも取りづらいのが美濃囲いの泣き所です。
(その他の候補手)
問題図では、▲4四桂△6二金寄▲5二歩と横から攻めるのも有力です。また▲9五歩△同歩▲9三歩△同香▲9四歩△同香▲8六桂などの端攻めも厳しいです。
コビン攻めの手筋⑨
<問題18>
<ヒント>
△7四歩型の美濃囲いの弱点を突きます。
<答え>
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正解手順:▲8六桂△6三金▲4一角(正解図)
初手▲8六桂で、次の▲7四桂を狙います。△6三金は自然な受けですが、正解図の▲4一角が厳しい一手となります。
▲4一角は、次の▲7四桂と▲6三角成△同銀▲6一龍の2つの筋を狙っていて、ぴったりした受けがありません。両方の筋を受けるために△7三玉と頑張っても、今度は▲7五歩△同歩▲7四香(変化図)の攻めがあります。
本問のように、△7四歩を突いた美濃囲いに対しては、▲8六桂(控えの桂)から▲7四桂を狙うのが急所になります。ただし、7三に玉の逃げ道があり、普通の美濃囲いと比べて玉が広いので要注意です。
たとえば、問題図から▲8六桂△6三金▲7四桂△同金▲6二香△同金▲7一角△7三玉(失敗図)のような攻め方だと、7三の地点に玉が逃げられるので失敗します。
端攻めの手筋(全4問)
美濃囲いを、端攻めの手筋で攻略する問題です。
ヒント・解答・解説がすぐに見える位置にあると気になる方は、問題だけをまとめた場所がありますので、そちらからご覧ください。
端攻めの手筋①
<問題19>
<ヒント>
持ち駒の桂馬で王手を狙った端攻めです。
<答え>
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正解:▲9五歩△同歩▲9二歩△同香▲9三歩△同香▲9四歩△同香▲8六桂(正解図)
桂馬と歩3枚を使った端攻めの基本手筋です。正解図の▲8六桂は、次に▲9四桂で香車を取りながら王手をするのが狙いです。
▲9四桂の王手が実現したときに、△9二玉や△9一玉と端に逃げるのは非常に危険な形です。△7一玉(成功図)の方がまだ安全ですが、美濃囲いの定位置である8二から玉を追い出すことができたので、端攻めとしては成功しています。
美濃囲いは端が弱点で、端攻めに一番適した駒は桂馬です。美濃囲いは王手に弱い囲いなので、▲8六桂→▲9四桂の王手の筋が非常に厳しくなるからです。
端攻めの手筋②
<問題20>
<ヒント>
横からの攻めと端攻めのコンビネーションです。
<答え>
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正解手順:▲4三歩△同金▲9五歩△同歩▲6二香△7一金▲9二歩△同香▲9一角△同玉▲7一龍(成功図)
初手▲4三歩で「と金」攻めを狙います。次の▲4二歩成を嫌がり△4三同金(途中図)と取れば、守りの金1枚が受けに働かなくなります。こうなると、後手の囲いは片美濃囲いになるので、片美濃崩しの手筋を使うことができます。
途中図で、▲9五歩△同歩の突き捨てを入れてからの▲6二香が片美濃崩しの手筋です。△6二同金なら▲7一角があるので△7一金ですが、以下▲9二歩△同歩▲9一角(途中図2)が端攻めを絡めた送りの手筋です。以下△9一同玉▲7一龍(成功図)となれば、美濃崩しが成功します。
本問では、横からの攻めに、端攻めを絡めて美濃囲いを攻略しています。▲9一角の送りの手筋を使うために、9一の地点にスペースを作ることが端攻めの狙いでした。
端攻めの手筋③
<問題21>
<ヒント>
銀を使った端攻めです。後手の応手によっては、一気の寄せもあります。
<答え>
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正解手順:▲9五歩△同歩▲9三歩△同香▲9四歩△同香▲8五銀(正解図)
7筋の位を取って▲7六銀と支える形は玉頭位取り戦法で現れます。この形では、7六の銀を使った端攻めの手筋があります。
問題図から端歩を突き捨てて▲9三歩(途中図)と垂らします。この▲9三歩に対して①△同香、②△同桂、③△同玉、④手抜き、の4通りの応手が考えられます。
このうち、②△同桂だと▲9四歩と打って桂馬を取れますし、④手抜きなら次の▲9五香が厳しい一手となります。いずれも端攻めが成立しています。
途中図で①△同香は正解手順です。以下▲9四歩△同歩▲8五銀(正解図)で、銀を使った端攻めが成立します。正解図で無理に香車を守るなら△9三玉しかありませんが、以下▲6一飛成△同銀▲7一角(変化図)が鋭い攻め方です。
変化図では△8二飛と合駒するしかありませんが、以下▲9四銀△同玉▲8二角成(あるいは、▲9四銀△9二玉▲9五香など)で後手玉は寄っています。
したがって、正解図で△9三玉は危険なので、香車を守ることはできません。
途中図で③△同玉だと、先ほども出てきた▲6一飛成△同銀▲7一角(変化図2)の筋があります。変化図2でも△8二飛と合駒するしかなく、以下▲9五香△9四歩▲同香△同玉▲8二角成の送りの手筋で飛車を取れれば大成功です。
このように、端攻めに対して△9三同玉と取る形は非常に危険です。
ただし、もし横からの攻め(▲6一飛成△同銀▲7一角の筋など)がなく、端攻めだけの場合は、▲9三歩に対して△同玉と頑張って駒損を避ける指し方も考えられます。
前問や本問のように、横からの攻めと端攻めのコンビネーションは、非常に効果的なことが多いです。挟み撃ちの形になりますし、送りの手筋が使いやすくなります。
端攻めの手筋④
<問題22>
<ヒント>
コビン攻めと端攻めのコンビネーションです。
<答え>
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正解手順:▲8六桂△6三金▲9四桂△同香▲9五歩△同香▲同香(成功図)
問題図では歩切れですが、それでも端攻めがあります。
初手は▲8六桂が正解です。この桂馬は▲7四桂のコビン攻めを狙っているので、△6三金と受けるのが自然です。この時に、いきなり▲9四桂と逆側に跳ねて、端に桂馬をタダ捨てする手があります。普通に△同香と取りますが、以下▲9五歩△同香▲同香(成功図)で端が破れています。
成功図で△9三歩と受けても、▲同香成△同桂▲9四桂(変化図)が厳しい一手となります。変化図で△7一玉や△7三玉なら▲9三角成、△9二玉なら▲6一飛成△同銀▲8二金までの詰み筋があります。
本問の一つ目のポイントは、歩切れでも端攻めが成立する場合があるということです。特に、いきなり▲9四桂と捨てる筋は見落としやすいので要注意です。
二つ目のポイントは、▲8六桂がコビン攻めと端攻めの両方をにらんだ好位置ということです。二つの狙いがある手は受けづらく、▲7四桂のコビン攻めを受けられても、▲9四桂の端攻めが残っているという仕組みです。
玉頭攻めの手筋(全3問)
美濃囲いを、玉頭攻めの手筋で攻略する問題です。
ヒント・解答・解説がすぐに見える位置にあると気になる方は、問題だけをまとめた場所がありますので、そちらからご覧ください。
玉頭攻めの手筋①
<問題23>
<ヒント>
歩の手筋を上手く使って玉頭を攻めます。
<答え>
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正解手順:▲8四歩△同歩▲8五歩△同歩▲8四歩(正解図)
8筋の位を取った形は、玉頭位取り戦法でよく現れます。玉頭位取り戦法では、美濃囲いの弱点である玉頭を攻めることができます。
問題図から、「継ぎ歩と垂れ歩の手筋」で玉頭攻めが成立します。手順は▲8四歩△同歩▲8五歩△同歩▲8四歩(正解図)です。
正解図では、次の▲8三銀の打ち込みが非常に厳しい狙いです。たとえば、▲8三銀△同銀▲同歩成△同玉▲6一飛成(変化図)のような筋が実現すると、後手玉に受けがなくなります。一段飛車が利いているので、7二の銀が動くと6一の金を取られてしまうのが後手陣の泣きどころです。
正解図で△6二金寄のような受けなら、▲8五銀で歩を補充しながら拠点を支えて好調です。
歩が3枚ある場合(本問では盤上の8五歩と持ち歩2枚)、常に継ぎ歩から垂れ歩の手筋があります。この手筋は応用範囲が広いので、覚えておくと役立ちます。
玉頭攻めの手筋②
<問題24>
<ヒント>
攻め駒が少ないので、すぐに後手陣を攻略することはできません。
しかし、香車と歩だけでも、後手陣の形を乱せる効果的な攻めがあります。
<答え>
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正解手順:▲8四歩△同歩▲8五歩△同歩▲8四香(正解図)
問題図では、持ち駒に歩が1枚しかないので、前問のような「継ぎ歩から垂れ歩の手筋」は使えません。しかし、香車と歩1枚だけでも、相手からすると嫌味な攻め方があります。
正解は▲8四歩△同歩▲8五歩(途中図)の継ぎ歩で、以下△同歩なら▲8四香(正解図)と空いた空間に香車を打ちます。以下△8三歩の合駒は2歩で打てないので玉を逃げますが、▲8一香成と桂馬を取れば少し駒得ですし、後手陣を乱すことができます。
このような香車の使い方は、「歩の裏側に香車を打つ手筋」として知られています。歩の合駒ができないので、香車の攻めが厳しくなります。
なお、問題図で持ち駒の歩が2枚あれば、前問のように▲8四歩△同歩▲8五歩△同歩▲8四歩(参考図)として、玉頭に攻めの拠点を作っておく順も有力です。参考図では、次に▲8三香と打ち込む狙いがあります。
玉頭攻めの手筋③
<問題25>
<ヒント>
気付きにくい玉頭攻めがあります。
<答え>
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正解手順:▲8四桂△同歩▲8三香△同玉▲6一龍△同銀▲7一角成(正解図)
問題図では、いきなり▲8四桂と歩頭の桂馬を打ち込む攻め筋があります。以下、△同歩▲8三香△同玉▲6一龍△同銀▲7一角成(正解図)が正解手順で、桂香飛の3枚を捨てる豪快な攻め方です。
正解図まで進むと、次の▲8二金△9三玉▲7二金△8三玉▲8二馬までの詰み筋や、▲6一馬と銀を取る手からの詰み筋などがあります。正解図で△6二飛(変化図)と自陣飛車を打って、▲8二金と▲6一馬の両方を受ける手がありそうですが、変化図から▲8四歩△同玉▲6二馬が飛車を取りながらの詰めろとなってしまいます。
問題図に戻って、▲8四歩△同歩▲8三香△同玉▲6一龍△同銀▲7一角成という正解手順によく似た攻め方も考えられます。こちらの手順の方が、桂馬を節約できるので一見良さそうですが、△6二飛(参考図)と頑張られると大変です。
ちなみに、問題図では▲5三香と横から攻める手や、▲7四歩△同歩▲8六桂とコビン攻めをする手もあります。
問題だけのまとめ(ヒント・解答・解説なし)
美濃崩しの問題だけのまとめです。
ヒント・解答・解説がすぐに見える位置にあると気になる方は、こちらをご覧ください。
まとめ
美濃囲いの手順や崩し方にはパターンがあります。
パターンを覚えて、実戦で使ってみることを繰り返すのが上達の近道です。
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