菅井竜也さんのゴキゲン中飛車の棋譜のまとめ(全43局、2009年~2015年)

菅井流

菅井竜也さんの2009~2015年のゴキゲン中飛車の棋譜(全43局)のまとめです。

棋譜データベース「将棋DB2」に掲載のゴキゲン中飛車の全棋譜を調査済です。
2016年も調査済みですが、ゴキゲン中飛車の採用はありませんでした。
(2016年は「将棋DB2」自体の網羅性が低くなっているので、ご了承ください。)

リンク先は、棋譜データベース「将棋DB2」の個別の棋譜ページが大半です。
NHK杯、朝日杯(一部を除く)、大和証券杯の棋譜は、公式サイトへのリンクです。

朝日杯と大和証券杯の公式サイトで、flash盤の読み込みが悪い場合があります。
その場合に、ブラウザの更新ボタンを押すと改善される可能性があります。

Google Chrome、Firefoxでのflash盤の動作は確認しています。

先手中飛車の棋譜は除外しています。

ただし、先手番のゴキゲン中飛車の棋譜は掲載しています。
序盤で端歩を突いて、端歩の一手得以外は後手番のゴキゲン中飛車のように進める戦型です。

以前の記事はいろいろな意味で中途半端だったので大幅に改善しています。
まず、2013~2015年の棋譜を追加しています。
さらに戦法別ではなく、「菅井竜也さんのゴキゲン中飛車に絞って時系列で整理しました。

このページの目次

オールラウンダー時代で採用数は減るが公式戦無敗

2015年 ゴキゲン中飛車は選択肢の一つ

2015年10月7日:順位戦(▲島明vs△菅井竜也)(銀対抗 vs 二枚銀)
2015年9月2日:順位戦(▲高橋道雄vs△菅井竜也)(一直線穴熊、千日手)(リンク切れ)
2015年6月16日:新人王戦(▲牧野光則vs△菅井竜也)
(丸山ワクチン)
2015年3月24日:棋聖戦(▲菅井竜也vs△行方尚史)
(先手ゴキゲン中飛車)
2015年2月3日:順位戦(▲大石直嗣vs△菅井竜也)(丸山ワクチン)(リンク切れ)

2015年の菅井竜也さんは、後手番では居飛車と四間飛車穴熊の採用が多いです。
ゴキゲン中飛車は主力戦法というよりは、選択肢の一つという位置付けです。

とはいえ、ゴキゲン中飛車の戦績は5戦4勝1千日手で負けなしです。
以前は丸山ワクチンに対して勝率が悪かったのですが、2015年は2戦2勝しています。
居飛車の感覚を学んだことが良い影響を与えているのでしょうか。

初手から▲2六歩△3四歩▲2五歩の進行が増えて、
ゴキゲン中飛車自体が組みづらくなっているのも、採用数が少ない原因の一つと思われます。

また、2015年度は勝率一位賞と最多勝利賞と升田幸三賞をトリプル受賞しています。

2014年 前半はほぼ居飛車党、ゴキゲン中飛車の採用は減る

2014年12月23日:王座戦(▲菅井竜也vs△斎藤慎太郎)(先手ゴキゲン中飛車、千日手)
2014年12月1日:西遊棋イベント(▲豊島将之vs△菅井竜也)
(丸山ワクチン)
2014年11月25日:順位戦(▲佐藤秀司vs△菅井竜也)
(△3二金型)
2014年9月23日:電王戦タッグマッチ(▲菅井竜也with習甦vs△阿部光瑠withYSS)
(先手ゴキゲン中飛車)(電王戦タッグマッチ2014公式ページ
2014年9月16日:順位戦(▲菅井竜也vs△阪口悟)
(居飛車側、丸山ワクチン)

2014年の前半は、ほぼ居飛車党に転向してしまったという雰囲気です。

2014年9月には、居飛車側で対ゴキゲン中飛車を指しています。
これがきっかけになったのかは分からないですが、2014年の後半ではたまに採用しています。
しかし、公式戦の採用はたったの2局(1勝1千日手)、あとはイベントでの採用です。

ゴキゲン中飛車ではなく何を指しているのかというと、後手番では横歩取りが目立ちます。
後手番はすべて調べましたが、ゴキゲン中飛車以外の振り飛車もあまり指していません。

ゴキゲン中飛車が主力戦法だった振り飛車党時代

2013年 ゴキゲン中飛車対策はほぼ超速

2013年12月6日:王位戦(▲谷川浩司vs△菅井竜也)(△3二金型 vs 二枚銀)
2013年9月5日:王将戦(▲郷田真隆vs△菅井竜也)
(△3二銀型)
2013年8月6日:順位戦(▲船江恒平vs△菅井竜也)
(△3二金型 vs 二枚銀)
2013年7月24日:棋王戦(▲菅井竜也vs△鈴木大介)
(先手ゴキゲン中飛車)
2013年7月9日:順位戦(▲阪口悟vs△菅井竜也)
(△3二銀型)
2013年2月12日:順位戦(▲村中秀史vs△菅井竜也)
(△3二金型)
2013年2月9日:朝日杯決勝(▲渡辺明vs△菅井竜也)
(△3二金型)

居飛車側のゴキゲン中飛車対策はほぼ超速▲3七銀戦法です。戦績は7戦4勝3敗。

ゴキゲン中飛車以外の角道オープン型振り飛車も後手番で少しずつ採用しています。
角交換四間飛車、4→3戦法、4手目△3二飛、角交換向かい飛車です。

2012年 ゴキゲン中飛車の採用数がやや減る

2012年10月16日:順位戦(▲村田顕弘vs△菅井竜也)(▲5八金右超急戦)
2012年7月15日:NHK杯(▲杉本昌隆vs△菅井竜也)(丸山ワクチン)
2012年5月30日:竜王戦(▲大石直嗣vs△菅井竜也)(丸山ワクチン)
2012年2月26日:NHK杯(▲渡辺明vs△菅井竜也)(菅井流)
2012年2月11日:朝日杯準決勝(▲羽生善治vs△菅井竜也)(菅井流)
2012年1月20日:朝日杯(▲行方尚史vs△菅井竜也)(菅井流)

2012年は前年よりもゴキゲン中飛車の採用数が減っています。
戦績が6戦2勝4敗で負け越しなのも影響しているのでしょうか。

後手番の戦法の幅を広げていて、角交換四間飛車や4→3戦法も数局ずつ試しています。

また、2012年度は新人賞を受賞しています。

2011年 超速の流行と菅井流

2011年12月13日:順位戦(▲阿部光瑠vs△菅井竜也)(菅井流)
2011年11月15日:順位戦(▲長岡裕也vs△菅井竜也)(※菅井流の1号局)
2011年9月5日:朝日杯(▲神崎健二vs△菅井竜也)(丸山ワクチン)
2011年8月30日:順位戦(▲船江恒平vs△菅井竜也)(△3二金型)
2011年8月21日:大和証券杯決勝(▲村山慈明vs△菅井竜也)(一直線穴熊)
2011年8月12日:棋聖戦(▲糸谷哲郎vs△菅井竜也)(△3二金型 vs 二枚銀)
2011年7月3日:NHK杯(▲行方尚史vs△菅井竜也)(相穴熊)
2011年6月30日:棋聖戦(▲豊島将之vs△菅井竜也)(△3二金型 vs 二枚銀)
2011年6月21日:順位戦(▲中座真vs△菅井竜也)(△3二金型 vs 二枚銀)
2011年5月16日:大和証券杯(▲羽生善治vs△菅井竜也)(△3二金型 vs 二枚銀)

ゴキゲン中飛車対策として、超速▲3七銀戦法が本格的に流行したのが2011年です。
全10局中、超速が8局、それ以外(丸山ワクチン、一直線穴熊)はたったの2局です。
また、超速対策の「菅井流」の1号局が指されたのが2011年11月です。

戦績は10戦8勝2敗でかなり勝ち越しています。
第5回大和証券杯ネット将棋・最強戦では、
ゴキゲン中飛車で羽生善治さんと村山慈明さんを破って優勝しています。

2011年はまさに主力戦法で、後手番はほぼすべての対局でゴキゲン中飛車を目指しています。
しかし、不思議なことに2010年12月~2011年4月に空白があります。

実はこの空白時期は、先手が趣向を凝らして、ゴキゲン中飛車を指させない序盤が多いです。
対戦相手が菅井竜也さんのゴキゲン中飛車を警戒しているのがよく分かります。

2010年 超速以前のゴキゲン中飛車

2010年11月17日:順位戦(▲澤田真吾vs△菅井竜也)(超急戦回避策△6二玉)
2010年11月11日:銀河戦(▲塚田泰明vs△菅井竜也)(▲7七銀急戦)
2010年10月14日:棋聖戦(▲井上慶太vs△菅井竜也)(一直線穴熊)
2010年8月10日:順位戦(▲佐藤慎一vs△菅井竜也)(丸山ワクチン)
2010年7月20日:順位戦(▲西尾明vs△菅井竜也)(丸山ワクチン)
2010年7月9日:新人王戦(▲澤田真吾vs△菅井竜也)(▲5八金右超急戦)
2010年7月3日:朝日杯(▲小山怜央vs△菅井竜也)(先手飛車先不突き)
2010年1月13日:新人王戦(▲斎藤慎太郎vs△菅井竜也)(▲7八金型)

戦績は8戦5勝3敗で勝ち越しています。

超速▲3七銀戦法の1号局は、2009年12月ですが(▲深浦康市vs△佐藤和俊戦)、
2010年の時点では、まだ菅井竜也さんの実戦で超速は現れていません。
ただし、「将棋DB2」に未掲載の棋譜で、超速が現れている可能性はあります。

超急戦、丸山ワクチン、一直線穴熊、▲7八金型、その他の急戦など、
居飛車側のゴキゲン中飛車対策はさまざまです。

2009年 菅井竜也さんのプロデビュー前

2009年9月4日:新人王戦(▲中村太地vs△菅井竜也)(▲5八金右超急戦)
2009年5月11日:新人王戦(▲田中悠一vs△菅井竜也)(▲7八金型)

菅井竜也さんの四段プロデビューが2010年4月からなので、
上記の2局(1勝1敗)は、奨励会三段時代の新人王戦での棋譜になります。
奨励会時代に振り飛車メインでプロになった生粋の振り飛車党です。

(戦法についての注釈:下図を参照)
超速▲3七銀:ゴキゲン中飛車対策の主流。▲6八玉型で右銀を繰り出す戦法です。
菅井流:超速▲3七銀対策の菅井流△4四歩のことです。
△3二金型:「超速▲3七銀 vs △3二金型」のことです。
△3二金型 vs 二枚銀:「超速▲3七銀 vs △3二金型」での先手の二枚銀作戦のことです。
△3二銀型:△3二金型と区別しています。
相穴熊:「超速▲3七銀 vs △4四銀対抗」からの相穴熊。一直線穴熊とは区別しています。
一直線穴熊:超速▲3七銀ではない居飛車穴熊です。上記の相穴熊とは区別しています。
丸山ワクチン:序盤で居飛車から角交換するゴキゲン中飛車対策です。
▲5八金右超急戦:序盤から大乱戦になる最も激しいゴキゲン中飛車対策です。
▲7八金型:昔よく指されたゴキゲン中飛車対策です。

超速▲3七銀
超速▲3七銀

菅井流
菅井流

△3二金型
△3二金型

△3二金型 vs 二枚銀
△3二金型 vs 二枚銀

△3二銀型
△3二銀型

相穴熊
相穴熊

一直線穴熊
一直線穴熊

丸山ワクチン
丸山ワクチン

▲5八金右超急戦
▲5八金右超急戦

▲7八金型
▲7八金型