棋書の紹介(5月前半、4月の新刊のまとめ)

棋書の紹介記事です。2017年5月前半の新刊(およびBlue-ray)と、2017年4月出版の棋書をまとめています。

映画化された聖の青春(Blu-ray、DVD、豪華版)が注目です。振り飛車党の方には、黒沢怜生五段の相振り飛車の本も面白いと思います。

<このページの目次>
棋書の新刊(Blu-ray)
新書・読み物(4月出版)
戦法書・定跡書(4月出版)
手筋書など(4月出版)
詰将棋(4月出版)

棋書の新刊(Blu-ray)


聖の青春 [Blu-ray](2017年)

生きること。

★羽生善治を追い詰めた棋士・村山聖。病と闘いながら全力で駆け抜けた、わずか29年の生涯を描く奇跡の実話。

★村山聖役を演じる松山ケンイチは日本アカデミー賞、主演男優賞受賞! 羽生善治役を演じる東出昌大は日本アカデミー賞、助演男優賞受賞!

★監督に『宇宙兄弟』の俊英・森義隆。
主題歌「終わりのない空」を手がけたのは秦基博!

【映像特典】劇場予告編


将棋世界 2017年6月号(2017/5/2)

佐藤天彦VS稲葉陽 名人戦開幕!

●巻頭カラー
・第75期名人戦七番勝負 第1局 佐藤天彦名人VS稲葉 陽八段
「21年越しの20代対決」 記/深浦康市九段

・藤井聡太四段 炎の七番勝負 羽生三冠に大金星!!
第7局「幸運な勝利」 自戦記/藤井聡太四段


村山慈明の居飛車対振り飛車 知って得する序盤術(NHK将棋シリーズ、2017/5/12)

序盤研究家の著者が、駒組みを丁寧に解説

『将棋講座』テキスト(2016年4~9月号)の「村山慈明の知って得する序盤術」を単行本化。本書は特に、居飛車対振り飛車の対抗形にしぼった内容を紹介する。居飛車党の著者が、対振り飛車の序盤対策を惜しみなく解説。振り飛車党の方に参考になるエッセンスも満載!

新書・読み物(2017年4月出版)


理想を現実にする力(佐藤天彦、朝日新書、20174/13)

緻密に、時に大胆に。逆境を突破する一手の見つけ方。羽生世代に風穴を空けた16年ぶりの20代新名人。ボロボロになっても粘り抜き、あっと驚くような逆転劇も繰り広げる。なぜ低迷期を乗り越え、勝ち上がることができたのか?「理想」を意識するだけで、追いつめられることなく強くなる、今、停滞している人にこそ知ってほしい考え方。


将棋駒の世界(2017/4/8、Kindle版)

インターネットを介したオンライン将棋が盛んだ。しかし、盤駒を使う将棋の魅力が減じたわけではない。木の宝石といわれる黄楊に、美しい漆で文字をあしらった将棋駒は、遊具を越えた工芸品としての魅力をもっている。材質や書体をはじめ、鑑賞やコレクションに必要な知識を美しい写真とともに紹介。息をのむ名工たちの作品をとくとご覧いただきたい。

戦法書・定跡書(2017年4月出版)


徹底解明! 相振り飛車の最重要テーマ14(黒沢怜生、2017/4/26)

現代相振り飛車のバイブル完成!

本書は各戦法のテーマ局面をあげ、そこからの手順を分析することで、その戦法の解明を図る、「徹底解明シリーズ」第2弾。テーマはアマチュアに人気の相振り飛車です。振り飛車党を牽引する若手精鋭の一人、黒沢怜生五段が最先端の研究を披露しています。

本書は【定跡編】と【選局編】に分かれています。第1章の【定跡編】では、プロ間で研究が進み、定跡がある程度確立されている変化を解説しています。第2章の【選局編】では、プロの最新の対局から参考になる面白い将棋を選んでいます。いずれも相振り飛車を指す上で必ず役に立つ局面ばかりで、本書が現代相振り飛車のバイブルになることは間違いありません。
「相振り飛車から逃げない」ことを自らに課している黒沢五段による渾身の一冊です。


振り飛車ワールド1、2 プレミアムブックス版(復刊本、2017/4/18)

豪華出演陣による素晴らしき振り飛車の世界!

振り飛車に関するインタビュー、講座、対局、エッセイ、読み物などをまとめ、好評を博した「振り飛車ワールド」1、2巻をオンデマンド書籍として復刊したものです。

藤井猛九段のインタビュー、久保利明王将の自戦記、鈴木大介九段の振り飛車講座、さらに所司一門のガチンコ指定局面戦では若き日の渡辺明竜王、松尾歩八段、宮田敦史六段が対局者として登場しています。今では実現不可能と思える豪華企画が目白押し! 振り飛車ファン必携の一冊です。


常識破りの新戦法 矢倉左美濃急戦 基本編 (斎藤慎太郎、2017/4/14)

これが新型矢倉の全貌だ!

(1)△5四歩としないで△6四歩型へ
(2)玉の囲いは△3二銀~△4二玉~△3一玉の3手で済ます
(3)▲2五歩に対して△3三角と受けずに飛車先の歩交換を許す

これまで長きにわたって歴代のプロ棋士たちが積み上げてきた矢倉の定跡、常識を破壊し、矢倉の勢力図を一変してしまったのが「矢倉左美濃急戦」です。

その優秀性は早くから認められ、若手棋士を中心に研究が進み、プロ公式戦でも非常に高い勝率をあげました。

先手が漫然と駒組みをすると後手の攻撃陣が爆発し、はっきり後手優勢になることがわかっています。現在ではその展開を防ぐために先手がさまざまな工夫を凝らしている状況です。

そのような状況の中で常にこの戦型の最先端をリードしてきた棋士が本書の著者、斎藤慎太郎七段。この戦法を武器に各棋戦で活躍、2017年3月には順位戦でB級1組昇級を果たしました。

本書は「矢倉左美濃急戦」について書かれた現時点で唯一の戦術書であり、今後もバイブルとして残っていくことは間違いありません。それほど完成度の高い内容です。

駒組みは単純明快なれど、その破壊力は抜群。驚異の新戦法の威力を体感してください。

手筋書など(2017年4月出版)


最強の終盤 詰みと寄せの最重要手筋104(及川拓馬、2017/4/26)

揺るぎない終盤力を手に入れる

本書は将棋の終盤における「詰み」「詰めろ」「必至」の手筋を紹介・解説したものです。序盤で作戦勝ちを果たし、中盤でいくら駒得しても、終盤の一手で勝敗がひっくり返るのが将棋です。将棋は逆転のゲーム。終盤が強ければ逆転勝ちが増えますし、弱ければ逆転負けが増えるのが道理です。
本書では終盤の中でも特に重要な、玉を詰ます段階と、その直前の詰めろの段階、さらに相手を受けなしの形に追い込む必至のテクニックについて、解説しています。見開き2ページで一つの手筋が覚えられる内容になっており、全部で104の手筋を身につけることができます。戦法、戦型に関係なく、実戦で使える手筋を扱っているため、どんな方にも必ず役に立つはずです。
本書で終盤力を鍛えて、逆転負けをなくし、逆転勝ちをどんどん増やしてください。


名棋士の対局に学ぶ詰め&必死 次の一手問題(田丸昇、2017/4/11)

古今の名棋士たちの実戦譜を題材にした問題集

江戸時代の初代名人大橋宗桂、伝説の棋士・阪田三吉、
昭和棋界の巨星・大山康晴、升田幸三、
現代棋界の覇者・中原誠、米長邦雄、谷川浩司、羽生善治など、
古今の名棋士たちによる対局の終盤局面を題材にした「詰め」と「必死」の問題集。
名棋士たちの寄せを学び、終盤力を養うのが本書の特徴。
棋士たちのエピソードや将棋史などのコラムも魅力の一つ。
名棋士たちの名手・妙手にチャレンジしよう!

詰将棋(2017年4月出版)


詰将棋 3手詰5手詰 盤上の遊園地(中島たか平、2017/4/27、Kindle版)

3手詰を中心に、1手詰から7手詰を200題収録。
初心者、初級者、中級者に最適な詰め将棋問題集。
3手の読み、詰め手筋を徹底マスター。
読みを鍛えて有段者に。


夢の華 山田修司詰将棋作品集 プレミアムブックス版(復刊本、2017/4/18)

「昭和の看寿」山田修司の作品集が復刊!

本書は新機軸の趣向作を次々に発表し「昭和の看寿」と称される山田修司の作品集「夢の華」をオンデマンド書籍として復刊したものです。

第1番の「日の丸」から始まり、飛合の繰り返しによる金鋸を実現した第99番の「幻影」、そして未完となった第100番の「夢の華」まで。

将棋ペンクラブ大賞著作部門で詰将棋書籍としては異例の大賞を受賞した、詰将棋ファン必携の一冊です。


詰将棋の達人(勝浦修、2017/4/14)

勝浦九段の詰将棋道場

将棋の地力がつく詰将棋問題集
詰将棋を解くことは終盤の詰みの力を鍛えるとともに、読みの力=将棋の地力をつけるのにも最適です。
しかも駒数が少なく解いてみたくなる問題で、解けば解くほど筋が良くなるような詰将棋であれば、将棋上達の最良のアイテムと言えるでしょう。
本書は「サンケイスポーツ」に掲載された勝浦修九段の「詰将棋道場」から200題を収録したもので、まさにそのような条件を満たす問題集といえます。
形はコンパクトにまとまっており、解けば自然に詰み筋が身につきます。
ぜひ本書をあなたの棋力向上に役立ててください。