実戦詰将棋の上級編1題(No. 16)の解答編です。
もう一度、詰将棋の問題図(後手番)を掲載します。
ページを下にスクロールすると、詰将棋の解答と解説があります。
形勢判断シリーズで登場した対局、
「将棋の形勢判断:傷のある銀矢倉と穴熊、手番の価値」
の終盤戦で現れた局面です。
No. 16
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詰将棋の問題図
No. 16
詰将棋の正解手順(本手順)
△3七桂成▲同玉△5五角▲4六桂△3六歩▲同玉△2五銀▲3七玉△3六歩▲2八玉△3七銀▲1八玉△2八金▲同金△同銀成▲同玉△3七歩成▲同玉△3九飛成▲3八歩△3六歩▲同銀△同銀▲同玉△3八龍▲3七銀△3五歩▲同玉△3四歩▲同桂△3七龍▲同桂△4六銀▲2六玉△2五銀▲同桂△3五金▲1六玉△2五金までの39手詰
詰将棋の解説
問題図の局面から、△3七桂成▲同玉△5五角(図1)が最初のポイントです。
4六からの脱出ルートがあるので、△5五角と打ちます。ここで最初の合駒です。
図1で▲3六玉は△4五銀▲同玉△4四銀から簡単です。また、図1で▲4六金の合駒は、△3六歩から本手順と同じように進み、△4六角で金を取る手が生じて早詰みです。したがって、▲4六桂の合駒が最善です。
図1からの手順:▲4六桂△3六歩▲同玉△2五銀▲3七玉△3六歩▲2八玉△3七銀(図2)
▲4六桂に対して、△3六歩~△2五銀以下、上部から押さえます。
図2の△3七銀に対して、▲同金は本手順の▲1八玉よりも損です。本手順よりも後手の持ち駒が金1枚多くなります。
図2からの手順:▲1八玉△2八金▲同金△同銀成▲同玉△3七歩成(図3)
図3の△3七歩成の成り捨てが軽妙手です。▲同桂は△2九金から早詰みです。
図3からの手順:▲同玉△3九飛成(図4)
図4で2回目の合駒問題です。
この合駒は結局取られてしまうので、一番安い歩がベストです。
図4からの手順:▲3八歩△3六歩▲同銀△同銀▲同玉△3八龍(図5)
合駒問題が続きます。図5での合駒は、①歩、②銀、③金、④桂の移動合い、のいずれも有力です。
①▲3七歩合は、以下△3五歩▲同玉△3四歩のときに、▲2四玉なら△1四金~△2七龍で詰みで、▲同桂なら△4四銀でも△4六銀でも詰みます。(やや早詰み)
②▲3七銀合は、本手順。一番長いです。
③▲3七金合は、銀合いと同様の手順で詰みます。△3七龍のときに取る駒が、銀から金に変わるので少し変化がありますが、銀合いとほぼ同じです。
④▲3七桂の移動合いは、▲3七桂△3五銀▲同玉△3七龍の筋が生じます。以下、▲3六金△4六角▲4四玉△4三金から詰みます。(やや早詰み)
図5からの手順:▲3七銀△3五歩▲同玉△3四歩▲同桂(図6)
図6は後手の分岐点で△3七龍でも△4四銀でも詰みます。本手順は△3七龍です。
△4四銀の場合は以下、▲2四玉に△4六角と出る手があります。△4六角に対して、▲同銀には△3四龍があるので、▲3五歩と合駒します。以下、やや手数が長くなりますが詰みます。図6で、本手順の△3七龍を選んだ方が短手数で分かりやすいです。
図6からの手順:△3七龍▲同桂△4六銀▲2六玉△2五銀▲同桂△3五金▲1六玉△2五金(図7)までの39手詰です。
実戦詰将棋の解説は以上です。flash盤の方もご覧ください。
詰将棋の問題図までの流れ
せっかく実戦詰将棋なので、問題図までの流れを少しさかのぼって説明します。
図8は問題図(95手目)よりも以前の87手目の局面です。▲2一角以下、△2二飛▲3二角成△同飛▲同銀成△2五桂▲3一飛(図9)と進みました。
ここで受ける手もあったと思うのですが、次の△4九飛が詰めろになっていそうな予感があったので、攻め合いを選択しました。図9から△4九飛▲5一飛成(図10)が実戦詰将棋の問題図です。
図10での詰みを読み切っていたのなら格好いいですが、実際は予感だけで全然読み切れてなかったです。△2五桂~△4九飛は、かなり危険な見切り発車です。図10では、後手玉が必至になっているので、先手玉を詰ますしかありません。
実は実戦では、先手が逃げ方を間違えて、図10から11手で詰んでしまいました。しかし、もし本手順で逃げられたとしたら、実戦で正確に詰ませられた自信は全くないです。とはいえ、「詰めろになっていそう」という予感が当たっていたのはよかったです。
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