【穴熊】将棋の基本:穴熊囲いのバリエーションの一覧(10種類+α)

穴熊は将棋で最も堅い囲いです。

居飛車と振り飛車のどちらの将棋でもよく使われます。

穴熊は同じ金銀の枚数なら矢倉や美濃よりも堅い囲いで、

終盤で王手がかからない形や、絶対に詰まない形を作りやすいのが最大の利点です。

弱点は組むのに手数がかかることと、端攻めをされた時に逃げ場がないことです。

本記事は穴熊編ですが、矢倉編美濃編もあります。

このページの目次

居飛車穴熊(基本形)

2枚穴熊

4枚穴熊(基本形+7七銀)

ビッグ4

7九金型穴熊(2枚穴熊+6七金+5七銀)

7八金型穴熊

松尾流穴熊

銀冠穴熊

振り飛車穴熊

二枚金穴熊


必修!穴熊戦の絶対手筋105(大平武洋、2014年)

居飛車穴熊(基本形)

居飛車穴熊

穴熊の基本形で、対振り飛車戦で効果的な囲いです。

金銀3枚の囲いの中では一番堅く、玉の深さも兼ね備えています。

駒が密集して連結も良く、同じ金銀3枚の矢倉や美濃囲いよりも堅いです。


居飛車穴熊の教科書(高橋道雄、2014年)

2枚穴熊

2枚穴熊

居飛車穴熊の基本形から7八の金を除いた金銀2枚の囲いです。

金銀2枚なので、穴熊と言えども堅さに過信は禁物です。

しかし、横から攻められた時は、玉の遠さが大きな利点となります。

4枚穴熊(基本形+7七銀)

4枚穴熊

居飛車穴熊の基本形に7七銀を加えた金銀4枚の囲いです。

トップクラスに堅い囲いで、振り飛車の美濃囲いや銀冠よりも数段上です。

振り飛車側としては、居飛車側に4枚穴熊を許してしまうと作戦負けが濃厚です。

ビッグ4

ビッグ4

4枚穴熊からさらに発展した最強の囲いです。

穴熊の弱点である端もしっかりと守られています。

端攻めに対しても横からの攻めに対しても、最高の守備力を発揮します。

7九金型穴熊(2枚穴熊+6七金+5七銀)

7九金型穴熊

角筋に備えて▲6六歩を突いている穴熊でよく現れる形です。

6七の金が離れ駒なのが弱点ですが、上部からの攻めに備えています。

次の7八金型穴熊と比較して、「7九金型穴熊」と呼ばれることがあります。

7八金型穴熊

7八金型穴熊

前述の7九金型穴熊とほとんど同じ形ですが、7八の金の位置だけが異なります。

7八金が離れ駒ですが、6七金は離れ駒ではないので、7九金型穴熊と比べて一長一短です。

最大の利点は、たった2手で松尾流穴熊への組み替えができることです。

松尾流穴熊

松尾流穴熊

7八金型穴熊の5七の銀を7九まで引いた囲いです。

金銀4枚がすべて連結して、非常に堅い囲いになっています。

松尾流穴熊を作ることができれば、居飛車の作戦勝ちのパターンが多いです。

銀冠穴熊

銀冠穴熊A

居飛車の銀冠から穴熊にもぐった囲いです。

銀冠と比べて、玉が戦場から遠くなるのが利点です。

銀冠穴熊(上図)は、角筋を止めた6七金型の銀冠から穴熊にもぐった形です。

8八の地点に角が逃げられるという意外なメリットもあります。

銀冠穴熊B

銀冠穴熊Bは、角筋を止めない6八金型の銀冠から穴熊に組み替えた形です。

金銀の連結が非常に良く、銀冠穴熊Aよりも堅さは上です。

振り飛車穴熊

振り飛車穴熊

振り飛車穴熊も実戦でよく現れる囲いです。

玉と金銀の位置が低い囲いなので、居飛車の玉頭方面の位取り作戦に対して効果的です。

居飛車穴熊に堅さ負けしないように振り飛車穴熊に組み、相穴熊になる場合も多いです。

居飛車穴熊とほぼ左右対称ですが、3七歩型も多いのが特徴です。

二枚金穴熊

二枚金穴熊

正式名称かどうかはあやふやですが、相振り飛車でよく現れる囲いです。

穴熊の基本形では金2枚が縦に並んでいますが、二枚金穴熊では金2枚が横に並んでいます。

4八の金が自陣の中央付近や上部を手厚くしています。

横からの攻めに対しては金の当たりが近くなるので、基本形と比べて一長一短です。

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必修!穴熊戦の絶対手筋105(大平武洋、2014年)


居飛車穴熊の教科書(高橋道雄、2014年)