8. じゅげむの実戦 | じゅげむの将棋ブログ https://shogijugem.com 将棋の戦法や定跡のまとめ、囲い、格言、自戦記、ゆるゆる研究シリーズなど。 Mon, 05 Jun 2017 14:35:14 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.5.3 111067373 横歩取りを久しぶりに指したらいきなり△4五角戦法に遭遇してビビる https://shogijugem.com/jisenki-45kakusempo-4147 Sun, 18 Sep 2016 02:30:12 +0000 https://shogijugem.com/?p=4147 じゅげむは横歩取りをあまり指しません。なぜかというと、横歩取りには「△4五角戦法」と「相横歩取り」という有名な超急戦定跡があるからです。 超急戦でしかも定跡形となると、定跡を覚えていないだいたい一気に潰される・・・。 そ...

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じゅげむは横歩取りをあまり指しません。なぜかというと、横歩取りには「△4五角戦法」と「相横歩取り」という有名な超急戦定跡があるからです。

超急戦でしかも定跡形となると、定跡を覚えていないだいたい一気に潰される・・・。
そこで、先手番では横歩を取らずに、横歩拒否型相掛かり(下図)をよく指していました。

横歩拒否型相掛かり

 

気まぐれで久しぶりに横歩を取ったのが本局。

そして、いきなり恐れていた△4五角戦法(図1)を指されて大いにビビります。

横歩取り△4五角戦法

 


横歩取り超急戦のすべて(飯島栄治、2014年)

 

横歩取り△4五角戦法の定跡

図1が横歩取り△4五角戦法の基本図です。
後手から誘導する戦法で、有名な超急戦定跡として知られています。

初手から図1までの手順は、▲7六歩△8四歩▲2六歩△3四歩▲2五歩△8五歩▲7八金△3二金▲2四歩△同歩▲同飛△8六歩▲同歩△同飛▲3四飛△8八角成▲同銀△2八歩▲同銀△4五角(図1)です。

横歩取り△4五角戦法

ポイントとしては、

▲3四飛と横歩を取ると、△4五角戦法を避けられない。

ということです。すなわち、

▲3四歩と横歩を取るなら、△4五角戦法への対策が必要。

となります。

 

しかし、本局のじゅげむの場合は、

△4五角戦法の定跡がウロ覚え

なので、

久しぶりに横歩を取った一局目から△4五角戦法に遭遇してかなりビビったわけです。

 

ちなみに、横歩取り△4五角戦法の定跡は『羽生の頭脳5(横歩取り)』に非常に詳しく書かれています↓


羽生の頭脳5(横歩取り)

 

それによると、図1では①▲2四飛、②▲7七角、③▲8七歩の3通りがあり、①▲2四飛なら先手有望、②▲7七角と③▲8七歩なら優劣不明とのことです。①▲2四飛で先手有望なので、プロではあまり指されないということでしょう。

さて、羽生の頭脳は昔読みましたが、もうだいたい忘れてしまっていてウロ覚えです。

ウロ覚えなので、図1で最善ではない②▲7七角を選んでしまいます。

しかし、3通り以外の悪手を指さなかったのはよかったです。ウロ覚え万歳(汗)

図1以下の指し手:▲7七角△8八飛成▲同角△3四角▲1一角成△3三桂▲3六香(図2)

②▲7七角の場合の定跡手順

図1で②▲7七角を選べば、図2の▲3六香まではこう進むところです。

図2から△3五歩▲同香(図3)と進むのが定跡手順です。

後手の分岐点

図3は後手にとっての分岐点で、①△2五角②△2五飛があります。

①△2五角は、▲3三香成と攻め合って先手有望。以下、△4七角成▲5八桂△2九馬▲3二香成△同銀▲3一飛△4一銀打▲4二歩△同玉▲3三金(変化図1)が一例で、この変化は先手十分となります。

①△2五角からの一例

そこで、本譜は図3から②△2五飛。銀と香車の両取りです。

この手に対して、▲3四香と角を取る手もあり、以下△2八飛成▲3八角は優劣不明です。

本譜は図3から△2五飛▲3三馬△同金▲2七桂(図4)

▲2七桂で両取りを受ける

桂馬があると▲2七桂で両取りを受けることができます。そこで、▲3三馬と王手で桂馬を取る手があります。気付きづらい手なのですが、これも定跡の一手です。

個人的には、よくこんな手を覚えていたなあ・・・という感じです。

▲2七桂と受けた形がちょっと変わっているので、なんとなく頭に残っていたのですが、この手順で出てくる手ということまでは覚えていませんでした。

本局で定跡手順で進んだのは図4の▲2七桂まで。ここから未知の局面に突入します。

ちなみに、定跡では図4から△2四飛▲3四香△同飛で優劣不明とのことです。この辺りは優劣不明の変化がいくつかあり、さかのぼって図1で▲7七角を選ぶと優劣不明になりやすいようです。

 

定跡から離れて終盤戦に突入

図4から△4五角(図5)で定跡から離れます。

定跡から離れる

対局中は、この手で定跡から離れたことには全く気付いていません。

しかし、「え?3三の金を取れるけど、取ったらまずいのかな・・・なんとなく行けそうな気がするけど」とやや強気になります。

一直線の手順を中心に、具体的には図6以下の手順ばかりを考えます。

図5以下の指し手:▲3三香不成△2七角成▲同銀△同飛成▲3一香成(図6)

一直線の変化に突入

図6で詰みがあれば勝てるのにな・・・と期待しますが、流石にそこまで甘くはない。後手玉にまだ詰みはなさそうです。

図6以下の指し手:△3八銀▲8三角(図7)

終盤のポイント

この辺りは終盤のポイントだったと思います。難しくてよくわからない。しかし、なんとなく一手勝っていそうな気もします。

図7以下の指し手:△6二玉▲3二飛△5二桂▲3八金(図8)

ここで△6二玉が良くなかった。▲3二飛で1枚合駒を使わされた上に、▲3八金と銀を取った手が詰めろになっています。ここでは勝ちになったと思いました。

▲3八金が詰めろになる

図8で△3八同龍と取ると詰みがあります。

本譜の手順は、図8から△3八同龍▲5二飛成△同玉▲4一銀△6二玉▲5二金△同金▲同銀成△同玉▲4一銀(投了図)で、以下△4二玉▲3二成香△5一玉▲5二金までの詰みです。

投了図

 

本局ではなんとか勝てましたが、

定跡ウロ覚えで△4五角戦法と戦うのは怖すぎる(汗)

というのが正直な感想です。

 

羽生の頭脳5(横歩取り)をパラパラ読み直していると、

定跡から離れたら即終盤・・・どころか、

最終盤まで定跡という変化が多くてビビります。

 

しかし、タイトル戦などで横歩取りを見ていると自分でも指したくなってきます。

というわけで、定跡を覚え直して、横歩取りをぼちぼち指して行こうと思っています。

棋譜(flash盤)

 


横歩取り超急戦のすべて(飯島栄治、2014年)

 


羽生の頭脳5(横歩取り)

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右玉戦法に苦しめられたので、けっこう勝てる右玉対策を考えてみた https://shogijugem.com/jisenki-migigyoku-4072 Sat, 10 Sep 2016 05:28:27 +0000 https://shogijugem.com/?p=4072   右玉戦法はプロでは多くないですが、アマチュアでは人気の戦法です。 実は、じゅげむは右玉にかなり苦しめられています。 はっきり言って、右玉を相手にするのは苦手です。 相手に右玉を指されると、「また右玉か・・・...

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右玉戦法はプロでは多くないですが、アマチュアでは人気の戦法です。

実は、じゅげむは右玉にかなり苦しめられています。
はっきり言って、右玉を相手にするのは苦手です。

相手に右玉を指されると、「また右玉か・・・」という感じです。

だからと言って、自分で右玉を指してみると玉が薄くて勝ちづらい。
どちらを持っても勝ちづらい嫌な戦法が右玉なのです。

しかし、右玉に苦しめられながらの試行錯誤の末、ようやく右玉にけっこう勝てる対策が見つかりました。右玉対策としてはかなり有力だと思います。

本記事では、右玉の種類、右玉がやっかいな3つの理由、右玉対策でオススメな陣形という順番で基本的なところから詳しく書いています。

 


棋界に伝わる二つの秘法 雁木・右玉伝説(マイナビ将棋文庫、2016年)

 

右玉の種類

右玉戦法と言っても、いろいろな右玉の種類があります。じゅげむの実戦では、角換わりの右玉を対戦相手によく指されます。

 

右玉の基本形(角換わり)

右玉の基本形(角換わりの場合)は図1のような陣形です。普通は飛車とは反対側の左側に玉を囲うのがセオリーですが、右玉は飛車がいる右側に玉を囲うので「右玉」と呼ばれます。

もし▲4八玉ではなく、▲6八玉→▲7九玉と左側に玉を囲い、さらに▲5六銀と上がると腰掛け銀になります。右玉と腰掛け銀は、玉の位置を除くと駒組みが似ているので、途中まで腰掛け銀だと思っていたら実は右玉だったということがよくあります。

 

▲6七銀型の右玉(角換わり)

じゅげむの実戦では、図2のような▲6七銀型の右玉もよく現れます。普通、角換わりでは7七に銀がいることが多いのですが、この形では一マス右の6七に銀があります。▲6七銀型の利点は、▲7七桂と跳ねて左桂が使いやすいことです。桂馬を跳ねると▲8九飛と飛車を転換することもできます。

 

金銀3枚の右玉(角換わり)

図3のように、金銀3枚で玉を固めた右玉もあります。これは図1から発展した陣形で、図1から▲3八玉→▲4八金→▲5六歩→▲6六銀→▲5七銀の5手で図3になります。左銀を玉に引きつけているので、普通の右玉よりは堅いですが、それでも矢倉美濃囲いに比べると薄い囲いです。

 


南の右玉(南芳一、2011年)

 

右玉戦法がやっかいな3つの理由

右玉と戦っていて嫌なのは、以下のような3点です。

1.自分から攻めないで、じっと待って無理攻めを誘ってくる。
2.右玉の下段飛車の働きがとても良い。
3.薄そうな玉だが、下手に攻めると入玉される。

これらを一つずつ説明して、右玉対策につなげたいと思います。

 

右玉は待つ戦法で相手の無理攻めを誘う

右玉は自分から攻めないで待つ戦法です。たまに右玉側から攻めてくることもありますが、待たれることの方が圧倒的に多いです。

そうすると、こちらから仕掛けることになります。しかし、右玉は陣形のバランスがけっこう良いので、どこから攻めたら良いかわからない場合も多いです。

右玉相手に焦って無理攻めをして、カウンターをくらうのが負けパターンの一つです。

右玉は千日手狙いの戦法でもあるので、先手に右玉を指されると正直イライラします(笑)
イライラさせて相手に無理な打開をさせるのが右玉の狙いなので、その狙いにハマらないことが大事です。

 

千日手覚悟で待つ

右玉側が先手の場合、後手は攻めずに待つのも一つの手です。「千日手を打開する義務は先手番にある」というのが一般的な考え方です。

たとえば、じゅげむの実戦で図4のような後手陣の形で待ってみました。△6五歩型で▲6六銀と出させないようにして、飛車のコビンや桂頭が傷にならないように△7三歩型で待ちます。図4から以下、先手は▲4八金→▲5八金→▲4八金で金を左右に往復、後手も△5二金→△4二金右→△5二金で金を往復させて一瞬千日手模様になりました。

そのあと実戦では、先手が▲4八金→▲5九飛から打開してきたので千日手にはなりませんでしたが、右玉から動く展開なら後手も十分に戦えます。

しかし、右玉側が後手の場合は、先手から打開する必要があります。図4のような作戦は、後手番なら使えますが、先手番だとイマイチです。

 

右玉は下段飛車の働きが優れている

右玉の狙い筋

図5もじゅげむの実戦です。先手が右玉から▲8九飛と飛車の転換をしてきました。飛車先の逆襲が右玉の狙い筋の一つです。

右玉は下段の飛車が自由に動けるのがやっかいです。6筋から攻めると、振り飛車感覚で▲6九飛と回られたりもします。アマチュアでは振り飛車党が多いので、振り飛車感覚で飛車を使えるところが右玉戦法の人気の理由の一つかもしれません。

また、そのままの▲2九飛の位置でも飛車が攻防によく利いています。下段の角の打ち込みを消していますし、2筋からの攻めは常に急所になります。

このように、右玉は飛車の働きが優れているところがやっかいです。右玉対策としては、よく働いている飛車に圧力をかけたいところです。

 

右玉は薄いが下手に攻めると入玉される

入玉を狙われる

図6もじゅげむの実戦です。先手は駒得しながら攻めているのですが、後手に入玉されそうな展開です。このあと▲2七飛をいじめられて、後手玉が捕まらなくなりました。

右玉は金銀を左右に偏らせないでバランスよく配置しているので、玉が逃げた先にも金銀が近くにあることが多いのがやっかいです。

さらに、こちらが玉を堅くするために金銀を玉側に寄せていると、けっこうな確率で玉と反対側のエリアでB面攻撃(相手の攻め駒を責めること)され、入玉されやすくなってしまうのが悩みの種です。

このように右玉は入玉を狙える戦法です。入玉を狙われる展開は一番嫌なので、入玉をされにくい右玉対策を考えたいところです。

 

右玉対策でオススメの陣形

じゅげむが実戦でいろいろと試行錯誤をして、けっこう勝ちやすかったのが図7の陣形です。右玉対策としては、かなり有力だと思います。

右玉対策でオススメの陣形

この陣形を見て、「え?」と思う人もいると思います。

▲3七銀が使いづらそうに見えるのです。角換わりで▲3七銀型と言うと、▲4六銀から早繰り銀で使うイメージがあるので、▲4六歩と突いた形に違和感を覚える人もいるのではないでしょうか。4筋の歩を突いた形は腰掛け銀のイメージが強いのでなおさらです。

しかし、図7で青く色付けした右辺の形が右玉対策のまさにキモなのです。

 

筋違い角が狙い筋

この陣形の狙いは図8のような▲5六角です。実は、この角を打ちたいための布陣なのです。▲5六角は▲3四角→▲2三角成の筋と、▲7五歩△同歩▲7四歩の筋を狙っています。筋違い角は対右玉では急所中の急所になります。

じゅげむの実戦では図8の▲5六角以下、△5五銀▲3四角△6五歩▲5六歩△6四銀引▲2三角成△同金▲同龍(図9)と進みました。角金交換でやや駒損ながら、飛車の成り込みに成功です。(「金歩2vs 角」の交換と考えると、実は駒の損得は互角:参考記事

飛車の成り込みに成功

このような展開では右玉の薄さが気になります。飛車(龍)で横から攻められると、7筋の玉が戦場から近いのが響きます。

右玉相手で何よりも嫌なのは、押さえ込まれて何もできずに負けてしまったり、入玉を狙われてワケのわからない展開にされることです。

▲2三飛成と飛車を成り込めれば、そのような展開にはなりづらい。形勢は難しい場合もありますが、少なくとも勝負形にはなっていることが多いです。

図9は成功例と言えると思います。このあと龍を活用して勝ち切ることができました。(具体的な手順は、このページの最後にのせている棋譜1をご覧になってください。)

 

やっかいなのは、△4四銀と出ないで待たれる展開です(図10)。▲5六角と筋違い角を打っても、▲3四角とは出られないですし、持ち歩がないので▲7五歩△同歩▲7四歩の筋もすぐにはできません。

穴熊への組み替え

図10もじゅげむの実戦です。後手の右玉なので、千日手狙いで△5二金→△6二金→△5二金の往復運動をしています。右玉が手待ちをした場合は、図10のように穴熊に組み替えてしまうのが一つの対策です。

このあと実戦では、△5二金▲2六銀△4四銀▲3七銀△5五銀▲2四歩△同歩▲同飛△8六歩▲同歩△8五歩▲2八飛△8六歩▲8八歩△2三歩▲4七角(図11)と進みました。

狙いの筋違い角

後手の△8六歩~△8五歩の継ぎ歩攻めが厳しく、図11では8筋を凹まされています。こうなると、先手が苦しいように見えます。

しかし、▲4七角と打ってみると、後手にとってはけっこう嫌だと思います。角のラインを止めるのがかなり難しいからです。▲3七銀▲4六歩型のメリットで、4七の地点に角を打つことができ、弱点の角頭は銀でカバーしています。

角のにらみが強力

図12は、図11から進んだ局面です。(ここまでの詳しい手順は、ページの最後にある棋譜2をご覧になってください。)

図12では、先手が穴熊の弱点の端を攻められています。しかし、△9六歩の取り込みには、▲9二歩△同香▲7三歩成△同玉▲9二角成で根元の香車を取る筋があるので、攻めが難しくなっています。▲9二角成のような手が、8一の飛車にも当たるのが後手陣の泣き所です。

対右玉で▲5六角や▲4七角の筋違い角が急所なのは、△7三桂の桂頭を狙っているだけでなく、△9一香や△8一飛も間接的に狙っているからです。右玉は飛車の働きが良いので、その飛車にプレッシャーをかけられる筋違い角はとても有効です。

要するに、この右玉対策の陣形の長所は、「とりあえず筋違い角を打てばけっこう勝負になる」ということです。図11のように少し劣勢に見える局面でも戦えます。方針がわかりやすいので、悪手が出にくいのもメリットです。

 

右玉戦法がやっかいな3つの理由との関連性で言うと、

1.右玉に千日手覚悟で待たれる → 筋違い角の筋で打開しやすい。
2.下段の飛車がやっかい → 筋違い角で飛車に間接的なプレッシャー。
3.入玉を狙われる → ▲3七銀がいるので簡単には入玉できない。

のように対策がされているので、図7の右玉対策は理屈としても悪くないです。

有力な右玉対策だと思うので、ぜひ実戦で試してみてください。

 

棋譜(flash盤)


棋譜1:▲5六角から飛車を成り込む筋が実現する。


棋譜2:苦しそうでも▲4七角と打てば勝負になる。

 


棋界に伝わる二つの秘法 雁木・右玉伝説(マイナビ将棋文庫、2016年)

 


南の右玉(南芳一、2011年)

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【将棋】勝勢になった瞬間に油断して、たった一手のミスで逆転された【自戦記】 https://shogijugem.com/jisenki-mistake-3636 Wed, 27 Jul 2016 04:15:41 +0000 https://shogijugem.com/?p=3636 最近、レーティングが急降下中です。少し体調が悪かったのもあるのですが、もう少し頑張りたいですね。 今までよりも将棋盤の図面を大きくしてみました。 角換わり腰掛け銀のほぼ同型です。 角換わり腰掛け銀で、△9四歩を突かない形...

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最近、レーティングが急降下中です。少し体調が悪かったのもあるのですが、もう少し頑張りたいですね。

今までよりも将棋盤の図面を大きくしてみました。

自戦記6:角換わり腰掛け銀ほぼ同型

角換わり腰掛け銀のほぼ同型です。

角換わり腰掛け銀で、△9四歩を突かない形がプロの最先端となっているのですが、それと似た形になりました。

ただし、普通は先手が▲9六歩と端歩を突いて、後手が△9四歩と受けない形だと思います。本局のように、先手がはじめから端歩を突かなければ、後手としては9筋の端歩を突く必要はないと思っています。

たとえば、角換わり腰掛け銀先後同型の富岡流で、終盤で先手玉が端に逃げ込む変化があります。そのときに▲9七歩型だと先手玉が捕まりやすくなります。

また、先手が先攻すると桂馬が手に入りやすいので、将来的に△9五桂や△9四桂などの筋が残ります。先日の叡王戦(▲羽生善治 vs △塚田泰明戦)では、(先後逆ですが)後手が端歩を突いていない形だったので、▲1五桂が非常に厳しい狙いとなりました。

 

というわけで、前置きはこのくらいです。

9筋不突きなら富岡流でも後手が行けるんじゃないか

というのが、後手のもくろみなのですが、

肝心の富岡流の終盤の手順はうろ覚え(汗)

という不安を抱えながらの進行になります。

自戦記6:富岡流の仕掛け

先手は、「4筋→2筋→1筋→7筋→3筋」の順番で歩を突き捨てます。角換わり腰掛け銀同型の有名な富岡流の定跡手順です。(ただし、本局は9筋の関係で「ほぼ」同型)

自戦記6:富岡流から離れる

と思ったら、▲1一角で富岡流から離れます。(富岡流だと▲1一角のところで▲3四歩の取り込みです。)

さて、たしかにこういう攻め筋も定跡手順にあった気がするのですが(丸山忠久さんが指した手順のような気も)、

ここからは定跡を知らないので、冷や汗での指し手が続きます。

自戦記6:B面攻撃

敵陣に馬を作って飛車をいじめます。いわゆるB面攻撃というやつです。

先手の攻めが細いので、実戦的には大変かもしれないです。しかし、角換わり腰掛け銀では、「細い攻めが繋がって、玉が寄ってしまってハイ終わり!」という展開もけっこうあります。相手だけ定跡を知っていて、攻め潰されるのも怖いですね。

自戦記6:先手の猛攻

先手に猛攻されています。大丈夫なんでしょうか?

自戦記6:銀で受ける

とにかく、後手は先手の飛車を攻める感じです。玉が薄いので怖いですが、①上部を厚くしての入玉、②持ち駒を蓄えての反撃、が狙いです。

狙いがいくつかあるのはいいのですが、

方針が一つに決まらずに中途半端なことをしてよく負けます(汗)

自戦記6:攻めが切れていそう

▲4四桂はそれなりに厳しそうに見えるのですが、先手の攻めはかなり細い雰囲気です。

後手玉の上部が広すぎるのと、先手の攻め駒が少し足りない印象です。

自戦記6:問題の局面

ここが問題の局面。ここでは、おそらく後手が勝勢になっています。

どうしてか?

今までの流れは、先手が駒損をして後手玉に迫るという展開でした。ここでは、先手の「銀」と後手の「飛香」の交換で、後手がかなり駒得しています。

駒損の攻めなので、決め切れないと敗勢なんですね。

△3三玉と早逃げをしていれば、はっきりと後手が勝ちだったのですが・・・

嫌な手に気付きます。△8六歩と指してしまった後に・・・

自戦記6:急に危なくなる

あれ? ▲3四歩ってなんですか?

3三の地点に逃げられないんですけど。

楽勝ムードから一気に背筋が寒くなります。

ここで開き直って、△8七歩成▲同金△9五桂と詰めろをかけていれば、まだ後手が勝っていたかもしれないです。後手玉もかなり危ないですが。

実戦では、△4二金と逃げ道を空けながら催促をしたので・・・

自戦記6:完全に逆転

完全に逆転してる・・・

この▲8二飛で、▲8一飛の王手金取りだったら△5二玉▲8四飛成の局面は詰めろではないから・・・と自分勝手な読みをしていたのですが。(それでも負けそうですが)

自戦記6:粘りになっていない桂馬

金を取らせないための△7二桂のクソ粘りをひねり出したのですが・・・

自戦記6:意味不明な手

△5二桂と打つつもりが、なぜか△5一桂と打っていました(汗)

△5二桂でも負けですが、最後に打ち間違いというオチがついてしまいました。

以下、▲4二龍までの詰み。

 

本局では、冷や汗をかきながら先手の攻めを受け続けていたのですが、

先手の攻めが途切れて勝勢になったと思った瞬間に、油断して中途半端に攻めてしまって一気に転落です(泣)

玉が薄いと、一つの見落としが致命的になるという典型例でした。

 

惜しかった棋譜(flash盤)

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【将棋】ビッグ4が完成して楽観していたけど、そんなに甘いものじゃなかった【自戦記】 https://shogijugem.com/jisenki-big4-3551 Tue, 19 Jul 2016 04:15:23 +0000 https://shogijugem.com/?p=3551 ノーマル四間飛車 vs 居飛車穴熊で後手がじゅげむです。先手はレーティング2000ぐらい、後手のじゅげむはレーティング下降気味で1950ぐらいです。 ノーマル四間飛車に対して、とりあえず穴熊のハッチを閉めて一安心です。 ...

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ノーマル四間飛車 vs 居飛車穴熊で後手がじゅげむです。先手はレーティング2000ぐらい、後手のじゅげむはレーティング下降気味で1950ぐらいです。

穴熊のハッチを閉める

ノーマル四間飛車に対して、とりあえず穴熊のハッチを閉めて一安心です。
藤井システムなどで、四間飛車側が穴熊を牽制してくる場合が多いのですが、本局ではすんなり穴熊に組めました。

△4四銀型の穴熊を目指す

四間飛車側が警戒すると△4四銀型はあまり組めないのですが、本局では組めそうな予感があったので試してみます。四間飛車の早い動きがかなり怖いのですが。

先手は銀冠模様

あれ? ▲2六歩で先手は銀冠を目指すみたいで、どうやらゆっくりと玉を囲えそうです。

穴熊が完成

そして、金銀3枚の穴熊が完成。この辺りはやや楽観モードです。

ビッグ4が完成

さらに、ビッグ4まで完成。

実は実戦でビッグ4まで組めた記憶が全くなくて、(もともと振り飛車党でしたし)、
これは、初ビッグ4なのではと浮き足立ちます。

超楽観モードです。

ビッグ4まで組めれば楽勝だろうと。

5筋の垂れ歩

しかし・・・

▲5四歩と垂らされて、なんか嫌な感じがします。

しかし、まだ楽観モードです。
穴熊だし5筋に「と金」ができても遠いだろうと。

飛車交換になる

そして、▲8五歩の局面。

あれ? こっちはビッグ4なんですけど、飛車交換していいんですか?

飛車を打たれて青ざめる

そして、▲5二飛を打たれてやや青ざめます。

5筋に「と金」を作られて、角か金か取られそうなんですけど・・・。

ここまで来て、ようやく事の重大さに気付きます。

いやいや、しかしビッグ4だし。

△6九飛と打ってみたが・・・

△6九飛と打ち込んではみたものの、持ち駒はないですし、何かのときに▲5九歩の底歩は利くしで、先手陣には全く響きません。

受けに活路を見い出そうとするが・・・

△6五飛成と引いて、受けに活路を見いだそうとしますが・・・。

急所の歩を突かれる

角を切られて、4筋の急所の歩を突かれて、もう駄目そうな感じです。

以下、ビッグ4が粉々に潰されます。

ビッグ4って、全然堅くないんじゃ・・・。

2枚目のと金ができる

そして、以下「と金」を作られ・・・。

と金で金をはがされる

守りの金を1枚はがされ・・・。

先手を取って受けようとしたが・・・

△3二金打で先手を取って受けようとしてみたものの・・・。

これが詰めろ

▲2一龍△同玉▲4五桂。これが詰めろで・・・。

以下、あっさりと詰まされました。

悲惨な投了図

無残な投了図。

 

この超弱い負け方には流石にぼやきたくなります。(ぼやきと言えば木村八段

以前こんな記事を書いたのですが(囲いの堅さランキング)、

ビッグ4への過信が無残な結果を生みました(泣)

 

 

途中の局面を冷静に振り返ってみると、

飛車を打たれて青ざめる

この時点でほぼ、「と金」を1枚作られることが確定。(点数的には-7点)
そして、後手の角がほぼ使えないことも確定。(-8点)

というわけで、駒の損得の点数換算だと、-15点に。

ちなみに、「と金」を角で食いちぎっても、角損なので-16点相当。

角損とバランスできるほどビッグ4が堅いかというと・・・

囲いの堅さは相対的なものなので、流石に金銀4枚の銀冠の守備力をナメては駄目でしょう。▲5九歩の底歩もあるし。

 

要するに、

ビッグ4に浮かれて、お馬鹿な形勢判断で負けに突っ走った一局でした。

 

いくら穴熊でも、いくらビッグ4でも、「と金」で攻められるともろいです(泣)

 

残念な棋譜

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【自戦記】相居飛車力戦(矢倉模様 vs 左美濃)、作戦勝ちから左美濃を攻め潰す https://shogijugem.com/jisenki-hidarimino-3531 Mon, 18 Jul 2016 04:34:23 +0000 https://shogijugem.com/?p=3531 相居飛車の矢倉模様 vs 左美濃の自戦記です。将棋倶楽部24で、先手のじゅげむがレーティング約2000、後手の対戦相手がレーティング約2100の対局です。 最近は矢倉をテーマにしています。本局は相居飛車の力戦調で後手が左...

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相居飛車の矢倉模様 vs 左美濃の自戦記です。将棋倶楽部24で、先手のじゅげむがレーティング約2000、後手の対戦相手がレーティング約2100の対局です。

最近は矢倉をテーマにしています。本局は相居飛車の力戦調で後手が左美濃だったのですが、居角左美濃の流行で左美濃自体が多くなっているのでしょうか?

 

序盤:ノーマル四間飛車模様からの左美濃

初手からの指し手:▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩▲2五歩△3三角▲4八銀△3二銀▲6八玉△5二金右(下図)

序盤は後手がノーマル四間飛車模様の出だしだと思っていたのですが、△5二金右なので居飛車のようです。

相居飛車力戦(矢倉模様vs左美濃)-10

上図以下の指し手:▲7八玉△6二銀▲5六歩△8四歩▲6八銀△6四歩▲7七銀△6三銀▲7九角(下図)

ただ、先手の飛車先を△3三角で受ける形は、▲7九角の引き角から2筋の歩交換(角交換)を狙う筋があるので、序盤に神経を使います。正直、後手を持ってあんまり指したくない感じです。▲5六歩としたのは、引き角を見据えてのことです。

相居飛車力戦(矢倉模様vs左美濃)-19

そして、▲7九角の引き角が実現します。

後手の陣形は今流行の居角左美濃△6三銀型に似ているのですが、△3三角型で角道を止めているので、急戦を狙いにくくなっています。どちらかというと、△5一角~△7三角(△8四角)の三手角で使ってきそうな布陣です。

さらに、先手が▲6六歩を突いていないので、6筋が争点になりにくいです。▲6六歩を突かないのは先手の作戦で、矢倉囲いを優先させるよりも、右辺で早めに仕掛けようという狙いがあります。

上図以下の指し手:△4二玉▲2四歩△同歩▲同角△2三歩(下図)

序盤のポイント:角交換をするべきかどうか

2筋の歩交換が一つのポイントです。

相居飛車力戦(矢倉模様vs左美濃)-24

後手は△2三歩で角交換の選択肢を先手にゆだねましたが、角交換するのも有力だったと思います。△同角▲同飛△2三歩に▲3四飛と横歩を取るのは、△2八角の筋が残って少しやりづらいです。▲2二角の筋が残るので、しっかり読めば成立しているかもしれないですが、30秒の早指しだと▲3四飛は決断しづらいです。

上図以下の指し手:▲6八角△5四銀▲5七銀△6五歩(下図)

実戦では先手が▲6八角と引いて角交換を拒否する流れになります。先手が5筋を突いていて、後手が6筋を突いている形なので、先手の方が角の打ち込みに対して弱そうという判断です。(将来的な△3九角の筋など)

 

矢倉模様から急戦を狙い、作戦勝ちから先手優勢に

相居飛車力戦(矢倉模様vs左美濃)-28

後手は△6五歩と位を取ってきました。先手がゆっくりして、△7四歩~△5一角~△7三角まで許してしまうと、角のにらみが強烈で先手が悪くなりそうです。

上図以下の指し手:▲3六歩△3一玉▲3五歩△同歩▲4六銀△5一角▲3五銀△4三金▲3四歩(下図)

というわけで、▲3五歩で早くも仕掛けます。ここでは作戦勝ちだと思っていました。仕掛けのイメージとしては、参考記事『居角左美濃の最新形(叡王戦:羽生善治 vs 屋敷伸之戦)』のような感じです。先攻して▲3五同銀のところでは先手十分です。

▲3四歩では▲2四歩も有力だったか

相居飛車力戦(矢倉模様vs左美濃)-37

▲3四歩と拠点を作って好調そうですが、▲2四歩と攻めた方が良かった可能性もあります。実は、▲2四歩△同歩▲同銀△2五歩▲同飛△3四金のような手を気にしていたのですが、普通に▲2八飛と引いておいて、後手が困っていたかもしれないです。

▲3四歩の拠点も大きい手なので悪くなさそうですが、後手が拠点を奪還しにいく手段があるので簡単には良くならないです。

△4五銀の見落としが致命的にならなかった

上図以下の指し手:△2二玉▲1六歩△4五銀(下図)

ここで、▲1六歩は甘かったか。というよりも、△4五銀の見落としです。

相居飛車力戦(矢倉模様vs左美濃)-40

△4五銀と出られて、3四と5六の両方の歩を狙われて焦ります。

上図以下の指し手:▲1五歩△5六銀▲5八金右△4五銀▲3八飛△7四歩▲4六歩△5四銀▲1七桂△7三角▲2五桂(下図)

▲1六歩の顔を立てて▲1五歩。後手は△5六銀ですが、拠点の歩を払って△3四銀の方が嫌でした。本譜は後手が1歩を取るために忙しい中盤で2手かけています。しかし、この1歩得を生かせるようなゆっくりした展開にはならないです。

以下、▲3八飛と▲3四歩の拠点を守ったところでは、少しほっとしました。

△7四歩で次に△7三角が見えますが、▲4六歩が間に合います。△7三桂▲2五桂(下図)の局面は先手良しだと思います。

攻め駒の働きが良いので1歩損でも先手良し

相居飛車力戦(矢倉模様vs左美濃)-51

1歩損ですが、飛銀桂の働きが最高です。▲1九香も攻めに働きそうです。▲3四歩の拠点もこうなると大きい。持ち歩も1枚あるので、「飛銀桂香の4枚+α」ぐらいの攻め駒を確保できています。「四枚の攻めは切れない」という格言もありますし、攻めは何とかなりそうな雰囲気です。ただし、▲6八角の使い方は考えておく必要があります。

一方、後手は攻め合いにならないのがつらいところです。△8五歩と突いてないので、飛車の働きがイマイチですし、桂馬も使えていません。△5四銀の腰掛け銀は攻防の位置になることが多いのですが、1~3筋を狙われていて、6筋に争点がない現状では、△5四銀がやや中途半端な駒になっています。

後手の良さは角の働きなので、角のにらみで先手の攻めを牽制したいところです。先手が歩損ということもあるので、受けに回って先手の攻めを切らしたいところでしょう。

先手が攻めて後手が受ける展開

上図からの指し手:△4二金上▲1四歩△同歩▲1三歩△同桂▲3三歩成△同銀▲同桂成△同金上▲3四銀打(下図)

ここからは、先手の攻めと後手の受けという構図がはっきりします。

相居飛車力戦(矢倉模様vs左美濃)-61

▲3四銀打は、歩があったら歩を打ちたいところですが、逆に△3四歩と打たれると困るので「敵の打ちたい所へ打て」です。

上図以下の指し手:△3二歩▲1四香△1二歩▲3三銀成△同歩▲3四歩△同歩▲同銀△同金▲同飛△3三歩▲3九飛(下図)

攻めが一段落した局面での形勢判断は?

相居飛車力戦(矢倉模様vs左美濃)-73

▲3九飛で先手の攻め駒がさばけて一段落。持ち歩の数が少ないことが気になりますが、金2枚と銀桂の交換なので先手優勢でしょう。

駒の損得としては、金6点、銀5点、桂4点、歩1点とすると、先手が3歩損しているので互角という考え方もあります(参考記事『将棋の駒の価値の理論化:谷川理論からのスタート』)。しかし、玉の堅さが大差なので、やはり先手優勢です。

しかし、後手陣はけっこうさっぱりした形で、先手は攻めの拠点が残ってないので、攻めの継続には苦労しそうです。何が有効な攻めなのかすぐに見えづらいですし、無理攻めをしてしまいそうな局面です。

 

中盤から終盤へ、玉の堅さの差が歴然

上図以下の指し手:△3二銀▲1九飛△4五歩▲1六飛△4六歩▲同角(下図)

▲1九飛も迷った末の着手なのですが、実は△4五歩を誘っています。先手は攻めに困っているので、相手から動いてもらおうということです。狙いは▲6八角を働かせることです。以下、狙い通りに▲4六同角で、はっきり優勢になったと思いました。

相居飛車力戦(矢倉模様vs左美濃)-79

後手が△4二飛のカウンターで飛車をさばくが・・・

上図以下の指し手:△4二飛▲4四歩△同飛▲3五角△4九飛成▲5三角成(下図)

△4二飛のカウンターに強く対応して、▲5三角成まで進むと、玉の堅さの差が歴然としています。後手は攻めようとしても▲3一銀の筋があるので、銀を渡せないです。

相居飛車力戦(矢倉模様vs左美濃)-85

上図以下の指し手:△4二桂▲4八金打△6九龍▲同玉△4一歩▲4四歩△5二歩▲5四馬△同桂▲4三銀△3一銀▲1三香成△同歩▲2五桂△4五香▲3四歩△同歩▲同銀不成△3三歩(下図)

後手玉に詰みがある

以下、指し手が進んで△3三歩と後手が受けた局面。ここで後手玉に詰みがあります。

相居飛車力戦(矢倉模様vs左美濃)-104

上図以下の指し手:▲1三桂成△同香▲同飛成△同玉▲1四香△同玉▲1二飛まで111手で先手のじゅげむの勝ち。

▲1二飛以下、△2四玉でも△1三合駒でも▲2五金までの詰みです。

 

本局の感想と棋譜(flash盤)

居角左美濃が流行っていますが、左美濃自体は上部からの攻めにあまり強くないので、攻められる展開になると厳しそうです。特に△3三角型は角頭を狙われます。

本局は急戦を狙って作戦勝ちになったと思います。

しかし、中盤が甘くて▲3四歩の拠点を消されたら大変でした。

▲3九飛の辺りでは、後手は▲6八角を働かせないように粘りたかった気がします。

△4二飛の辺りの大駒のさばき合いですが、玉の堅さに金銀2枚の差があると、攻め合いはやはり厳しいです。

最後は上手く決めることができました。

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先手中飛車とゴキゲン中飛車の誘導成功率(将棋倶楽部24で33局を調査)【後編】 https://shogijugem.com/gokigen-nakabisha-yudoseikoritsu-2815 Thu, 07 Jul 2016 05:04:03 +0000 https://shogijugem.com/?p=2815 将棋倶楽部24でのじゅげむの実戦データ調査の【後編】です。(全33局) 先手番では先手中飛車、後手番ではゴキゲン中飛車を目指して、 どのくらい狙いの戦法に誘導できるかを調べました。 また、それぞれの戦法に対する相手の対策...

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将棋倶楽部24でのじゅげむの実戦データ調査の【後編】です。(全33局)

先手番では先手中飛車、後手番ではゴキゲン中飛車を目指して、
どのくらい狙いの戦法に誘導できるかを調べました。

また、それぞれの戦法に対する相手の対策をまとめました。

 

将棋倶楽部24での調査中の対戦成績は15勝18敗です。レーティング2037からスタートして、終了時は1989なので、ほぼキープしていた感じです。
対戦相手のレーティングは2000ぐらいが中心です。

 

今回は【後編】で、ゴキゲン中飛車を中心とする後手番の調査です。

前回の【前編】では、先手中飛車を中心とする先手番の調査をまとめています。

先手中飛車とゴキゲン中飛車の誘導成功率(将棋倶楽部24で33局を調査)【前編】
将棋倶楽部24でのじゅげむの実戦データ調査です。(全33局) 先手番では先手中飛車、後手番ではゴキゲン中飛車を目指して、 どのくらい...

このページの目次

 

将棋倶楽部24でのゴキゲン中飛車の誘導成功率

中飛車が後手番の場合です。
後手番の中飛車と言えばもちろんゴキゲン中飛車です。

後手番13局のすべてでゴキゲン中飛車に誘導しました。結果は・・・

 

後手番でゴキゲン中飛車を狙った場合の内訳(全13局)
ゴキゲン中飛車:6局
相振り飛車:4局
ノーマル四間飛車:2局
力戦系四間飛車:1局

 

となりました。

後手番でゴキゲン中飛車の誘導成功率は46%です。
先手が振り飛車を目指して相振り飛車になったのが31%です。
その他が23%の結果でした。

ただし、調査局数が少ないので誤差は大きくなります。

 

ゴキゲン中飛車に対する先手の対策

ゴキゲン中飛車に対する先手の対策は、

 

ゴキゲン中飛車(全6局中)
▲4七銀型:3局
▲5八金右超急戦:1局
居飛車穴熊(一直線穴熊):1局
5筋位取り拒否型:1局

 

▲4七銀型が3局で一番多かったです。

▲5八金右急戦、居飛車穴熊(一直線穴熊)はプロでもよく指される戦法です。

プロ公式戦で最も多く指されている超速▲3七銀戦法がゼロなのは意外でした。

また5筋位取り拒否型は、先手中飛車に対する作戦としてはよくあるのですが、ゴキゲン中飛車対策としては珍しいです。

 

ただし、調査局数がとても少ないので、誤差は非常に大きくなります。

ゴキゲン中飛車対策の戦法は、将棋戦法大事典(対振り飛車編)も参考にしてください。

 

ゴキゲン中飛車vs▲4七銀型

▲4七銀型の3局はすべて上図の形になりました。ゴキゲン中飛車の5筋位取りに対して、▲4七銀で5筋を守る陣形です。

 

ゴキゲン中飛車vs船囲い▲4七銀型

このうち、▲4七銀型から▲5八金右で普通に船囲いを作ったのが1局です。実戦では急戦調の将棋になりましたが、ここから先手が左美濃や穴熊を目指す構想もあると思います。

 

ゴキゲン中飛車vs▲4七銀型から左銀を繰り出す1ゴキゲン中飛車vs▲4七銀から左銀を繰り出す2

▲4七銀型から左銀を6八~7七~6六と前線に繰り出す作戦が2局ありました。
4九金型がポイントで、①▲5八金右よりも左銀の進出を優先、②▲5八飛の余地を残す、などの狙いがあります。

 

ゴキゲン中飛車vs▲5八金右超急戦

▲5八金右超急戦が1局です。
詳しくは、下記の記事を参考にしてください。

ゴキゲン中飛車で▲5八金右超急戦を返り討ちにする
ゴキゲン中飛車vs▲5八金右超急戦の自戦記です。 将棋倶楽部24でのレーティング約2000同士の対局で、 後手のゴキゲン中飛車側がじゅげ...

 

ゴキゲン中飛車vs居飛車穴熊(一直線穴熊)

一直線穴熊と呼ばれる戦法が1局です。
右辺にあまり手をかけずに、穴熊を優先させるのがポイントです。
▲4七銀型からの穴熊や、超速▲3七銀からの穴熊と区別して、一直線穴熊と呼ばれます。

 

ゴキゲン中飛車vs5筋位取り拒否型

▲5六歩と受ける5筋位取り拒否型が1局です。
先手中飛車に対する作戦としてはよくあるのですが、対ゴキゲン中飛車で成立するかは分からないです。角交換から△5七角で馬を作る筋が気になります。

 

ゴキゲン中飛車に組ませない3つの方法

ゴキゲン中飛車への誘導に失敗したのが54%もあるので、「ゴキゲン中飛車に組ませない序盤の指し方がある」ということになります。

1.相振り飛車(先手番が振り飛車を目指すパターン)
2.角道を空けずに▲2六歩~▲2五歩で飛車先を早めに決める
3.早めに角交換をする

大きく分けると、以上の3つの方法でゴキゲン中飛車を回避できます。(あるいは、回避の確率を上げられます。)

 

相振り飛車でゴキゲン中飛車を回避

先手が振り飛車を目指せば、後手のゴキゲン中飛車を回避できます。

今回の調査では、先手が振り飛車を目指した場合に、相振り飛車で対抗しました。
このパターンは全4局で、内訳は以下の通りです。

 

相振り飛車の内訳(全4局、vsの左側が先手)
向かい飛車vs三間飛車:1局
中飛車vs三間飛車の力戦系:1局
中飛車左穴熊vs三間飛車:1局
相三間飛車:1局

 

ゴキゲン中飛車回避:角道を止める1

先手が3手目▲6六歩で角道を止める場合は、先手のノーマル振り飛車が濃厚です。後手は中飛車にすることもできますが、どのみち相振り飛車になる可能性が高そうです。今回のじゅげむの実戦では、先手向かい飛車vs後手三間飛車の相振り飛車になりました。

 

ゴキゲン中飛車回避:角道を止める2

先手が▲6六歩で角道を止めるパターンの2局目です。端歩の付き合いの駆け引きがあってから、先手が▲6六歩で角道を止めました。おそらく、先手番のゴキゲン中飛車(端歩の関係で先後が逆になる)を目指していたと思います。実戦では、先手中飛車vs後手三間飛車で、見慣れない形の力戦系の相振り飛車になりました。

 

ゴキゲン中飛車回避:初手▲5八歩で中飛車

初手▲5六歩で先手中飛車(あるいは中飛車左穴熊)を目指せば、後手はゴキゲン中飛車にはできないです。もし、後手が中飛車にすると相中飛車になります。じゅげむの実戦では、中飛車左穴熊vs三間飛車になりました。

 

ゴキゲン中飛車回避:石田流

先手が3手目▲7五歩で石田流を目指す場合も、後手はゴキゲン中飛車にはできないです。じゅげむの実戦では、相三間飛車になりました。

 

以上のように、先手が振り飛車を目指せば、後手のゴキゲン中飛車を回避できます。

 

飛車先を早めに決めてゴキゲン中飛車を回避

角道を空けずに早めに▲2六歩~▲2五歩を決めると、ゴキゲン中飛車を回避できる可能性があります。(下図)

ただし、初手▲2六歩なので、相掛かりか角換わりを目指す居飛車党向けです。矢倉を目指す居飛車党は初手▲7六歩なので、この方法でのゴキゲン中飛車回避は不可能です。

ゴキゲン中飛車回避:角道を空けずに▲2五歩

後手は△3三角で飛車先を受けることになりますが、このタイミングで▲7六歩と角道を空けます。(下図)

ゴキゲン中飛車回避:飛車先を早めに決める序盤戦

上図から①△4四歩、②△2二銀、③△3二銀、④△4二銀が実戦でよく指されます。

 

①△4四歩なら後手のノーマル振り飛車が濃厚(あるいは、無理矢理矢倉)、②△2二銀なら相居飛車模様、③△3二銀と④△4二銀は振り飛車と居飛車の両方があります。

③△3二銀は、後手が居飛車なら左美濃の含みですし、後手が振り飛車なら四間飛車になりやすいです。

④△4二銀の場合はゴキゲン中飛車に組まれる可能性があるので要注意です。(参考棋譜:2016年NHK杯▲永瀬拓矢vs△戸辺誠

ただし、△4二銀を決めさせることにより、ゴキゲン中飛車側の作戦の幅を狭くしています。

 

今回のじゅげむの実戦では、私が①4四歩からノーマル四間飛車を目指しました。(2局)

調査中は気付いていなかったのですが、上記の④△4二銀からあくまでもゴキゲン中飛車を目指す指し方がありました。この方が、ゴキゲン中飛車の誘導成功率が若干上がっていた可能性があります。

飛車先を早めに決める序盤戦からノーマル四間飛車

 

早めの角交換でゴキゲン中飛車を回避

下図のように、4手目に早くも角交換をされた対局が1局ありました。

ゴキゲン中飛車回避:角交換をしてしまう

角交換によってゴキゲン中飛車を回避できます。
ただし、先手から角交換すると一手損になります。

ここから相居飛車の角換わりを指向すると、先後が逆になってしまうので、先手としてはやや損な指し方です。また、普通の角交換四間飛車を目指すなら、このタイミングで角交換をする必要はありません。

先手の狙いは何なのでしょうか?

 

ゴキゲン中飛車回避:変則的な角交換四間飛車

この対局では、変則的な角交換四間飛車が先手の作戦でした。先手陣の左辺の金銀桂の形は、ノーマル中飛車から角交換をした場合によく現れます。

四間飛車のケースは珍しいですが、作戦としては有力だと思います。

 

ゴキゲン中飛車のまとめ

将棋倶楽部24での調査です。

後手番でゴキゲン中飛車の誘導成功率は46%。
先手も振り飛車を目指して、相振り飛車になったのが31%です。
その他が23%の結果でした。

 

ゴキゲン中飛車対策として、
▲4七銀型、▲5八金右超急戦、居飛車穴熊(一直線穴熊)、5筋位取り拒否型
が実戦で現れました。

しかし、ゴキゲン中飛車対策の本格的な調査には、もっと多くの局数が必要です。

 

ゴキゲン中飛車に組ませない序盤の指し方として、

①相振り飛車
②角道を空けずに▲2六歩~▲2五歩で飛車先を早めに決める
③早めに角交換をする

以上の3つの方法が実戦で現れました。いずれも有力です。

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先手中飛車とゴキゲン中飛車の誘導成功率(将棋倶楽部24で33局を調査)【前編】 https://shogijugem.com/sente-nakabisha-yudoseikoritsu-2780 Wed, 06 Jul 2016 08:26:15 +0000 https://shogijugem.com/?p=2780 将棋倶楽部24でのじゅげむの実戦データ調査です。(全33局) 先手番では先手中飛車、後手番ではゴキゲン中飛車を目指して、 どのくらい狙いの戦法に誘導できるかを調べました。 また、それぞれの戦法に対する相手の対策をまとめま...

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将棋倶楽部24でのじゅげむの実戦データ調査です。(全33局)

先手番では先手中飛車、後手番ではゴキゲン中飛車を目指して、
どのくらい狙いの戦法に誘導できるかを調べました。

また、それぞれの戦法に対する相手の対策をまとめました。

 

将棋倶楽部24での調査中の対戦成績は15勝18敗です。レーティング2037からスタートして、終了時は1989なので、ほぼキープしていた感じです。
対戦相手のレーティングは2000ぐらいが中心です。

 

今回は【前編】で、先手中飛車を中心とする先手番の調査です。

次回は【後編】で、ゴキゲン中飛車を中心とする後手番の調査です。

先手中飛車とゴキゲン中飛車の誘導成功率(将棋倶楽部24で33局を調査)【後編】
将棋倶楽部24でのじゅげむの実戦データ調査の【後編】です。(全33局) 先手番では先手中飛車、後手番ではゴキゲン中飛車を目指して、 ...

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将棋倶楽部24での先手中飛車の誘導成功率

先手番の中飛車の場合です。
将棋倶楽部24での全33局中、先手番20局の調査結果です。

全33局中、先手番20局のすべてで初手▲5六歩と指しました。
狙いはもちろん、先手中飛車に誘導するためです。

初手▲5六歩と指せば、先手中飛車vs後手居飛車の対抗型になるか、後手も飛車を振って相振り飛車になるかの2択です。その割合は・・・

 

じゅげむ(寿限無)の先手番の初手▲5六歩に対して(全20局)
先手中飛車(vs 後手居飛車):12局
相振り飛車:8局

 

全20局中、先手中飛車が12局なので、先手中飛車の誘導成功率は60%です。
すなわち、先手の中飛車に対して、後手が居飛車で対抗する割合が60%です。

残りの40%は相振り飛車になりました。

 

前回の調査「将棋の戦法の人気調査:じゅげむの実戦50局」では、居飛車党と振り飛車党の割合がおおよそ半分ずつぐらいという結果でした。将棋倶楽部24の居飛車党勢力と振り飛車党勢力は拮抗しているようです。

今回の調査もそれを裏付ける結果となっています。ただし、「中飛車に対しては相振り飛車を指さない」という方針の振り飛車党の方もいると思います。

また、前々回の調査「ノーマル四間飛車の誘導成功率:将棋倶楽部24で30局を終えて」では、ノーマル四間飛車の誘導成功率がおおよそ50%ぐらいという結果が出ています。50%でもなかなか高い数字ですが、先手中飛車の60%はそれよりも高い数字です。

将棋の戦法の人気調査:じゅげむの実戦50局
じゅげむの実戦からです。 得意戦法のノーマル四間飛車を使わずに指してみました。 将棋倶楽部24で50局指して20勝29敗(中断1)です。...
ノーマル四間飛車の誘導成功率:将棋倶楽部24で30局を終えて
・じゅげむの戦績と棋力 ・戦法の誘導成功率 ・対ノーマル四間飛車の戦法 ・先手番のノーマル四間飛車に対して ・後手番...

 

先手中飛車に対する後手の対策

先手中飛車vs後手居飛車の対抗型の後手の対策についてまとめます。

先手中飛車vs居飛車での序盤のポイントは次の5つです。
参考:将棋戦法大事典(振り飛車編対振り飛車編

①先手に5筋の位を取らせるか取らせないか。
②5筋の位を取らせない場合に、5筋の歩交換を拒否するか。
③後手が銀を使う場所とタイミング。
④後手が飛車先を保留するか。(あるいは不突き)
⑤後手が角道を保留するか。(あるいは不突き)

これらの5つの選択権は、後手の居飛車側が持っている場合が多いです。
従って、先手中飛車に対する後手の対策の人気調査ということになります。

以下は結果です。

 

先手中飛車に対する後手の対策(全12局)

5筋位取り型 vs 船囲い△6三銀型 1局
5筋位取り型 vs 二枚銀 1局
5筋位取り型 vs 角道不突き超速△7三銀 → 二枚銀 1局
5筋位取り型 vs 角道不突き△7三銀 2局
5筋位取り型 vs 飛車先不突き超速△7三銀 1局

(5筋位取り拒否型)佐藤康流 1局
(5筋位取り拒否型)5筋交換型 vs 引き角戦法 1局
(5筋位取り拒否型)△6四金戦法 1局
(5筋位取り拒否型)飛車先保留、角道保留で△5三銀~△6四銀 1局
(5筋位取り拒否型)ノーマル中飛車へ移行  1局

(5筋位取り保留型)相穴熊 1局

 

後手の対策がかなりバラつく結果となりました。
先手中飛車の全12局中で、5筋位取り型になったのが6局、後手が5筋位取りを拒否したのが5局、その他(5筋位取り保留型)が1局です。

飛車先不突き(保留)、角道不突き(保留)など後手の工夫が多く、先手番を持って苦労しました。

 

ただし、「先手番のじゅげむがあまり先手中飛車を指し慣れていない」ということがあります。もしかすると、先手の指し方が甘かったために、後手のさまざまな対策を誘発してしまったかもしれません。

 

5筋位取り型

まずは、先手の5筋位取りを後手が許した6局での、後手の先手中飛車対策です。

 

先手中飛車vs船囲い△6三銀型

△6三銀型(上図)は1局のみでした。他の5局はすべて△7三銀から銀を使う作戦です。

 

先手中飛車vs二枚銀

二枚の銀を前線に進出させる、いわゆる「二枚銀」が2局です。上図の後手の形が普通の二枚銀で、先手は▲5六銀型の好形に組めています。もう1局は後手の工夫がありました。

 

先手中飛車vs角道不突きで超速△7三銀

二枚銀のもう1局は、角道不突きで超速△7三銀からの二枚銀です。(上図)
先手は▲5七銀~▲6六銀の銀対抗にしたので、銀対抗vs二枚銀となりました。

超速は、ゴキゲン中飛車対策でよく現れる戦法ですが、先手中飛車対策としても使えます。
先手中飛車に対しては角道不突きのバリエーションがあります。

 

先手中飛車vs角道不突きで△7三銀型急戦

上図は(超速ではありませんが)、角道不突きでの△7三銀型急戦の1局目です。
角道を空けないことで、角交換のさばきを防ぎながら、先手の角頭を狙う構想です。

 

先手中飛車vs角道不突きで△7三銀~△6四銀

形がやや違いますが、角道不突きでの△7三銀型がもう1局です。(上図)
後手は△1三角の端角から角を使い、△7三桂~△6五桂と攻める構想でした。

 

先手中飛車vs飛車先不突きで超速△7三銀

飛車先不突きでの超速△7三銀が1局です。
以下、△6四銀から5筋の位を狙う構想で、後手は飛車を8筋ではなく△5二飛から5筋で使いました。ここまでの先手の駒組みがやや疑問だったかもしれません。

 

このように、5筋位取り型だけでも、後手の対策がかなり幅広いです。
初手▲5六歩で早くも作戦を明示しているために、飛車先不突きや角道不突きなどの対策を誘発している面があります。

 

5筋位取り拒否型

後手が△5四歩と受けて5筋位取りを拒否したのが5局です。
この場合に、後手が5筋の歩交換を許すかどうかもポイントです。

 

先手中飛車・5筋位取り拒否型

上図のタイミングでの△5三銀が定跡の一手で、先手は5筋の歩(と角)を交換することができません。

▲5五歩△同歩▲同角△同角▲同飛とすると、以下△4四角▲5九飛△9九角成で、香を取られて先手が失敗です。4二玉型だと▲5五同飛のときに、5三の銀にヒモがついているのがポイントです。

△4二玉型での△5三銀は、平成12年王位戦(▲近藤正和vs△佐藤康光)で、佐藤康光さんがひねり出したアイディアです。(参考資料:『ゴキゲン中飛車で行こう(p. 70)』、近藤正和著、2013年)

 

先手中飛車・5筋交換型

先手の5筋の歩交換を許すパターン(5筋交換型)もあります。
じゅげむの実戦では、後手は引き角から角を使う構想でした。

 

先手中飛車vs△6四金戦法

ノーマル中飛車に対する▲4六金戦法を応用した△6四金戦法が1局です。

▲4六金戦法の定跡形と比較して、後手は角道を空けていないのがポイントです。
一方、先手も▲6六歩型ではないので、普通の▲4六金戦法の定跡とは全く異なる展開になります。

 

先手中飛車vs飛車先と角道を保留で△6四銀

飛車先と角道を保留して△5三銀~△6四銀を急ぐ指し方が1局です。
「歩越し銀には歩で対抗」で▲6六歩としたので、ノーマル中飛車に変化しました。

 

先手中飛車からノーマル中飛車に移行

▲6六歩と角道を止めて、ノーマル中飛車に変化したパターンがもう1局です。
上図の1手前に△1四歩と端歩を受けたので、後手が居飛車穴熊にしづらいと判断してのノーマル中飛車です。このように、状況によって先手中飛車(角道オープン型)からノーマル中飛車に変化させるのも有力です。

 

以上が、5筋位取り拒否型の5局です。
注意点として、いくつかの対局で、じゅげむが5筋の歩交換のタイミングを逃している可能性があります。

5筋の歩交換は先手中飛車の得です。
5筋の歩交換のタイミングを逃すと、(5筋歩交換型では選びづらい)さまざまな後手の対策を誘発します。

 

5筋位取り保留型

先手中飛車・5筋位取り保留型(相穴熊)

5筋位取り保留型は、先手が工夫したパターンです。
後手の飛車先不突きを警戒して、▲5五歩の位取りを保留しました。
先後ともに玉の囲いを優先する展開となり、相穴熊になりました。(上図)

 

相振り飛車(先手は中飛車)で、後手が飛車をどこに振るか?

相振り飛車(先手は中飛車)の内訳(全8局)
相中飛車:3局
中飛車vs三間飛車:4局
中飛車vs向かい飛車:1局

 

相振り飛車(先手は中飛車)で、後手が飛車を振る場所として、中飛車(3局)と三間飛車(4局)が人気です。向かい飛車(1局)もありました。今回の調査では四間飛車(0局)は全くありませんでした。

 

相中飛車1(美濃囲い同型)相中飛車2(角交換型)

相中飛車3(5筋位取り型)

相中飛車の3局の図面です。美濃囲い同型、角交換型、5筋不突き型など、相中飛車でも色々なパターンがあります。

 

中飛車vs三間飛車1(角道オープン型)中飛車vs三間飛車2(角道クローズ型)

中飛車vs三間飛車3(角道クローズ型)中飛車vs三間飛車4(角道オープン型)

中飛車vs三間飛車の4局の図面です。

三間飛車側が、角道オープン型(△4三歩型:2局)と角道クローズ型(△4四歩~△4三銀型:2局)に分かれます。角道クローズ型の2局は、後手が穴熊を目指しました。

また、後手が角道オープン型の時に、油断して先手の8八角を浮き駒にしてしまうと、△5四歩と逆に突かれる危険性があります。

 

中飛車vs向かい飛車

中飛車vs向かい飛車の相振り飛車は1局だけでしたが、戦法としては有力だと思います。

 

先手中飛車のまとめ

将棋倶楽部24での調査です。

先手番で先手中飛車の誘導成功率は60%。
すなわち、先手の中飛車に対して、後手が居飛車で対抗する割合が60%です。
残りの40%は相振り飛車になりました。

 

先手中飛車に対する後手の対策はかなりバラつきます。

①5筋位取り型、5筋位取り拒否型、5筋交換型
②△7三銀型、超速△7三銀型、△6三銀型、佐藤康流△5三銀型、△6四金戦法
③飛車先保留(不突き)、角道保留(不突き)、引き角(△3一角)、端角(△1三角)

などのバリエーションの組み合わせです。

 

相振り飛車(先手は中飛車で、後手が飛車を振る場所は、中飛車と三間飛車が人気です。
すなわち、相中飛車、中飛車vs三間飛車がよく指されます。

 

次回は、【後編】のゴキゲン中飛車の誘導成功率と、ゴキゲン中飛車対策の調査です。

先手中飛車とゴキゲン中飛車の誘導成功率(将棋倶楽部24で33局を調査)【後編】
将棋倶楽部24でのじゅげむの実戦データ調査の【後編】です。(全33局) 先手番では先手中飛車、後手番ではゴキゲン中飛車を目指して、 ...

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ゴキゲン中飛車で▲5八金右超急戦を返り討ちにする https://shogijugem.com/jugem-58kimmigi-chokyusen-2651 Sun, 03 Jul 2016 02:45:16 +0000 https://shogijugem.com/?p=2651 ゴキゲン中飛車vs▲5八金右超急戦の自戦記です。 将棋倶楽部24でのレーティング約2000同士の対局で、 後手のゴキゲン中飛車側がじゅげむです。 超急戦定跡の基礎知識、ポイントとなる課題局面についても書いています。 実戦...

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ゴキゲン中飛車vs▲5八金右超急戦の自戦記です。
将棋倶楽部24でのレーティング約2000同士の対局で、
後手のゴキゲン中飛車側がじゅげむです。

超急戦定跡の基礎知識、ポイントとなる課題局面についても書いています。
実戦でよく現れる局面なので、ゴキゲン中飛車を指す人にとっても、
ゴキゲン中飛車対策としても役立つと思います。

 

このページの目次

 

ゴキゲン中飛車 vs ▲5八金右超急戦の定跡基礎知識

初手からの指し手:▲7六歩△3四歩▲2六歩△5四歩▲2五歩△5二飛▲5八金右(図1)

図1.▲5八金右超急戦の出だし

図1の局面がゴキゲン中飛車 vs ▲5八金右超急戦の定跡の出だしです。図1から超急戦を避けて△6二玉とするのも有力ですが、前回は超急戦でボコボコに潰されたので、今回は借りを返したいところです(対戦相手は別の人ですが。)

図1以下の指し手:△5五歩▲2四歩△同歩▲同飛△5六歩▲同歩△8八角成▲同銀△3三角▲2一飛成△8八角成(図2)

図2.▲5八金右超急戦の定跡

この辺りは有名な定跡手順です。銀桂交換で、先手は飛車を成り込み、後手は角を成り込みます。互いに居玉のままで非常に激しい順ですが、バランスは取れているようです。プロ棋士の間でも、先手がやれると思われていた時期もあるし、逆に後手が良いと思われていた時期もあり、図2の優劣の判断は揺れ動いています。

図2以下の指し手:▲5五桂△6二玉▲1一龍(図3)

図3.▲5八金右超急戦の課題局面

図2からの数手も定跡化されています。▲5五桂は、後手の狙いである△2二馬や△3二銀を防ぎながら、次に▲4三桂不成、▲6三桂不成、▲3三角などを狙っている好手です。

 

定跡手順の▲5五桂に△5四銀は悪手

手順中の▲5五桂にうっかり△5四銀(変化図1)と「桂先の銀」で受けるとひどいことになります。

変化図1.△5四銀は悪手

変化図1から▲3三角と打たれて後手が困っています。▲3三角に対してどんな受け方をしても、8八の馬を素抜かれてしまいます。一例として、▲3三角△6二玉▲6三桂成△同銀▲8八角成(変化図2)で馬を取った先手の必勝形になります。

変化図2.馬を取った先手の必勝形

▲5五桂に対しては△6二玉が正解です。

 

定跡手順の▲1一龍の代わりに▲7五角は後手有望

また▲1一龍の代わりに▲7五角(変化図3)は、結論としては後手有望のようです。しかし、一時期プロでも有力視されていた手なので、アマチュア的には簡単ではないと思います。

変化図3.▲7五角は後手有望

変化図3からは△3二銀▲1一龍△5一金右(変化図4)と進みます。△3二銀は▲3一角成るに対する受け、△5一金右は▲3三香に対する受けです。変化図4で①▲2四歩、②▲2二歩という2通りの手段があります。

変化図4.ここで2通りの手段

▲2四歩は、以下△9九馬▲1三龍△7四歩▲8六角△5七歩▲同金△8九馬(変化図5)で後手有望のようです。

変化図5.▲2四歩以下の変化

▲2二歩は、以下△7四歩▲8六角△5七歩▲同金△8七馬▲6八角△7八銀(変化図6)でやはり後手有望のようです。

変化図6.▲2二歩以下の変化

このように、▲1一龍の代わりに▲7五角は後手有望です。ただし、ゴキゲン中飛車側としては、▲7五角の変化にも対応できる必要があります。

 

ゴキゲン中飛車 vs ▲5八金右超急戦の課題局面

図3.▲5八金右超急戦の課題局面
さて、図3で①△9九馬、②△5四銀、③△5四歩などの選択肢があると前回の記事「ゴキゲン中飛車で初遭遇の▲5八金右超急戦に潰される」で書きました。図3はプロの公式戦でもさまざまな手が試されているゴキゲン中飛車の課題局面です。

 

▲1一龍に△5四銀は有力

図3以下の指し手:△5四銀(図4)

図4.課題局面で△5四銀

今回も前回と同じ②△5四銀を選択し、その後の手順を修正しました。△5四銀は有力で、最近のプロ公式戦でも指されています。

 

△5四銀▲6六香に△9九馬は危険

図4以下の指し手:▲6六香(図5)

図5.▲6六香まで前回と同じ

以下、▲6六香までが前回と同じです。ここで前回は△9九馬としたのですが、以下▲1三龍△4二銀▲4四角(変化図7)の歩頭の角の強手をくらいました。以下、△同歩は▲6三桂成から飛車が取られますし、△7二玉は▲6三桂成△同銀▲同香成△同玉▲9九角で馬を抜かれます。

変化図7.歩頭の角の強手

このように、△9九馬は素抜きの筋があるので危険です。

 

△5四銀▲6六香に△8九馬は有力

図5以下の指し手:△8九馬(図6)

図6.前回の修正で△8九馬

今回は図5から△8九馬と修正します。△8九馬なら馬が素抜かれる筋がありません。以下、前回と同様に▲1三龍△4二銀となった局面で▲4四角は△7二玉で受かります。そこで、▲2三角△5一金左▲3四角成と進みます。ここで、うっかり△9九馬と香を取ると▲4四馬があります。そこで△7二玉(図7)の早逃げです。

図6以下の指し手:▲1三龍△4二銀▲2三角△5一金左▲3四角成△7二玉(図7)

図7.△7二玉の早逃げ

この順で、図7では後手が少し指せるのではないかと思っています。

 

ゴキゲン中飛車で超急戦を撃破

図7以下の指し手:▲4三桂成△同銀引▲同馬△同銀▲同龍△6二銀▲5四銀△5三歩▲6三香成△同銀▲同銀成△同玉▲5四銀△7二玉▲5三銀成△6二香▲6三銀△同香▲同成銀△8二玉▲5三香△4二飛▲同龍△同金▲5一香成(図8)

図8.先手の猛攻

▲4三桂成から先手の凄まじい猛攻です。後手玉は相当危ないのですが、先手は駒損の攻めで歩も利かないので、攻めがやや細い印象です。

長い手順なので、詳しくはページの一番下にあるflash盤の棋譜を参考にしてください。

最後の▲5一香成に△同金と取ると、▲7二飛で後手玉が詰んでしまいます。

 

攻防手△2七角

図8以下の指し手:△2七角(図9)

図9.攻防手△2七角

ここで、詰めろ逃れの詰めろを決め手にする狙いで△2七角と打ちました。△2七角は攻防手で、次の△4九飛の攻めを狙いながら、△6三角成で成銀を外す手も狙っています。

ゴキゲン中飛車では△2七角が攻防手になることが多いので、手筋として覚えておいて損はないです。

 

詰めろ逃れの詰めろが決め手

図9以下の指し手:▲6一成香△4九飛▲6八玉△6九飛成▲同玉△7八銀▲5九玉△4九金▲6八玉△7九馬▲7七玉△8五桂▲8六玉△6三角成(図10)

図10.詰めろ逃れの詰めろ

先手は開き直って▲6一成香と取ってきましたが、△4九飛から飛車を切って攻めます。飛車を渡して危ないようですが、王手の連続で先手玉を追っていって、最後の△6三角成が詰めろ逃れの詰めろになるように組み立てました。

図10以下の指し手:▲6二飛△同馬▲同成香(図11)

図11.先手玉に詰みがある

先手は適当な受けがないので、攻防手を探すしかありませんが、▲6二飛が怖い手です。要の馬を外す狙いで、△同馬▲同成香となった局面では、後手玉に詰めろがかかっています。

しかし、図11では先手玉に詰みがありました。

図11以下の指し手:△8七銀成▲7五玉△7四飛▲6六玉△7七銀▲5五玉△4四銀(投了図)までで後手のじゅげむの勝ちとなりました。

投了図

以下、▲6五玉△5三桂までで先手玉は詰みです。

 

本局では、前回超急戦で潰された反省を生かして、逆に返り討ちにすることができました。

ポイントは図4~図7の辺りだったと思います。
居飛車側としては、もし図7で振り飛車が少し指せているとすると、図4での▲6六香辺りで他の選択肢を考えたいです。

終盤はうまく決め切ることができました。

 

棋譜(flash盤)

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ゴキゲン中飛車で初遭遇の▲5八金右超急戦に潰される https://shogijugem.com/jugem-jissen-58kimmigi-chokyusen-vs-gokigen-nakabisha-1151 Sun, 08 May 2016 16:41:41 +0000 https://shogijugem.com/?p=1151 このページの目次 ・ゴキゲン中飛車 ・▲5八金右超急戦 vs ゴキゲン中飛車 ・将棋の敗因の分析 ・敗因その1:定跡の知識不足 ・敗因その2:自玉が寄り筋になる手順の見落とし   ゴキゲン中飛車 最近、ゴキゲン...

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このページの目次

ゴキゲン中飛車

▲5八金右超急戦 vs ゴキゲン中飛車

将棋の敗因の分析

敗因その1:定跡の知識不足

敗因その2:自玉が寄り筋になる手順の見落とし

 

ゴキゲン中飛車

最近、ゴキゲン中飛車を指しています。

 

ゴキゲン中飛車はプロ棋士の近藤正和さんが創始者の戦法です。近藤さんが四段になってプロデビューした1996年から既に20年近くが経とうとしています。すなわち、戦法としてはもう20年ぐらい指されていますが、現在でも主流戦法の一つとして数えられています。ゴキゲン中飛車が流行して升田幸三賞を受賞したのが2001年なので、プロ将棋界で集中的に研究されるようになってからでも15年ぐらいの年月が流れています。それだけ奥が深く、有力な戦法ということです。

 

私個人としては、ゴキゲン中飛車が流行していた時期は、ちょうど将棋に触れていなかった時期と重なります。流行期から指していた人と比べると知識も経験もかなりの差があります。実際勝率もあまり良くないですし、正直言ってトップクラスに苦手な戦法です。

居飛車側で指していて、ゴキゲン中飛車があまりにもやっかいなので、ゴキゲン対策を練ろうと思いました。しかし、対戦相手がみんなゴキゲン中飛車を指してくれるわけではないので、どうしても全対局数に占めるゴキゲン中飛車の割合が少なくなります。というわけで、自分から戦型誘導できる振り飛車側でも指してみようと思ったわけです。両方の側から指してみるのが、戦法の経験値を早めに上げるコツです。

 

ゴキゲン中飛車対策としては、超速▲3七銀、丸山ワクチンが有名で、実戦でも指されることが多かったのですが、ついに恐れていたあの戦法に初めて遭遇しました。

 

それは、▲5八金右超急戦です。

そして、一瞬で潰されました(泣)

 

▲5八金右超急戦 vs ゴキゲン中飛車

図1が超急戦の▲5八金右超急戦の基本図です。

▲5八金右超急戦vsゴキゲン中飛車のじゅげむの実戦1

図1から超急戦を避けて△6二玉とする将棋もプロの実戦で指されていますが、超急戦を受けて立つとすると図1から△5五歩です。(図2)

▲5八金右超急戦vsゴキゲン中飛車のじゅげむの実戦2

図2から▲2四歩△同歩▲同飛△5六歩▲同歩△8八角成▲同銀△3三角▲2一飛成△8八角成(図3)が定跡手順です。非常に激しい手順ですが、タイトル戦でも何度も現れています。

▲5八金右超急戦vsゴキゲン中飛車のじゅげむの実戦3

図3から▲5五桂△6二玉▲1一龍(図4)もほぼ必然で定跡化された手順です。

▲5八金右超急戦vsゴキゲン中飛車のじゅげむの実戦4

図4は後手にとって色々と選択肢がある局面で、①△9九馬、②△5四銀、③△5四歩などの選択肢があります。

①△9九馬
2010年の第59期王将戦七番勝負第6局▲羽生善治vs久保利明戦では、△9九馬以下、▲3三角△4四銀▲同角成△同歩▲6六香△7二銀▲8二銀△2七角(参考図1)と進行して、後手の久保利明さんが勝っています。ただし、最近では△9九馬に▲3三香が有力とされているようです。

▲5八金右超急戦vsゴキゲン中飛車(参考図1)

②△5四銀
2015年3月の第73期A級順位戦プレーオフ▲広瀬章人vs△久保利明戦では、△5四銀以下、▲7五角△2一歩▲同龍△3二銀▲1二龍△8九馬▲2三歩△9九馬▲2二歩成△7七馬▲6八金上△7六馬(参考図2)と進み後手の久保利明さんが勝っています。

▲5八金右超急戦vsゴキゲン中飛車(参考図2)

③△5四歩
けっこう昔のタイトル戦になりますが、2007年の第78期棋聖戦五番勝負第4局▲渡辺明vs△佐藤康光戦では、△5四歩以下、▲6三桂成△同玉▲6六香△7二玉▲7五角△5一飛▲2三歩△6二銀打(参考図3)と進み、後手の佐藤康光さんが勝っています。

▲5八金右超急戦vsゴキゲン中飛車(参考図3)

 

というわけで、どれも有力そうなのですが、どうやら最近指されているらしい②△5四銀(図5)採用しました。その結果が、37手の短手数でのじゅげむ投了です(泣)(もちろん△5四銀が悪いわけではないです。)

▲5八金右超急戦vsゴキゲン中飛車のじゅげむの実戦5

△5四銀以下、▲6六香△9九馬▲1三龍△4二銀▲4四角(図6)と進みます。

▲5八金右超急戦vsゴキゲン中飛車のじゅげむの実戦6

▲4四角??

対局後の感想戦で、定跡の一手だと教えてもらったのですが、初見で30秒将棋でこんな手を指されると焦ります。

 

図6以下の有力な順として、

①△4四同歩と角を取ってしまう。飛車は取られるが、先に角得しているので駒損ではない。
図6以下、△同歩▲6三桂成△5一玉▲5二成桂△同金左(変化図1)

▲5八金右超急戦vsゴキゲン中飛車のじゅげむの実戦(変化図1)

②△7二玉から9九の馬を抜かせてしまう。その代わりに、桂香の持ち駒が手に入るし、先手の角が一瞬遊ぶ。
図6以下、△7二玉▲6三桂成△同銀▲同香成△同玉▲9九角(変化図2)

▲5八金右超急戦vsゴキゲン中飛車のじゅげむの実戦(変化図2)

があると教えてもらいました。

 

ところが実戦の手順は、

③4四の角は取らない。9九の馬は抜かせない。しかし、飛車も玉も取られる(泣)
△7二玉▲6三桂成△8二玉▲5二成桂△同金右▲7一角成△同玉▲6一飛△7二玉▲4一飛成(投了図)まで37手で先手勝ちとなりました。

▲5八金右超急戦vsゴキゲン中飛車のじゅげむの実戦7

 

こちらの記事は次戦の自戦記です。

ゴキゲン中飛車で▲5八金右超急戦を返り討ちにする
ゴキゲン中飛車vs▲5八金右超急戦の自戦記です。 将棋倶楽部24でのレーティング約2000同士の対局で、 後手のゴキゲン中飛車側がじゅげ...

 

将棋の敗因の分析

せっかく、清々しいまでの負けっぷりを披露したので、敗因の項目として加えておきましょう。

 

敗因その1:定跡の知識不足

本局の敗因を一言で言えば定跡の知識不足」です。

 

「▲4四角みたいな手を指されても、その場で考えて適切に対応すればいい」という考え方もありますが、それには「読み」や「大局観」などの将棋の地力が必要です。

例えば、変化図1のように飛車を取られても駒損ではなく、さらに▲6一香成と金を取られてもまだ駒損ではなく、以下△同玉▲6四飛のように5四の銀を狙われても大丈夫。とすぐに判断できるなら・・・。

あるいは、変化図2で9九の馬を素抜かれて角香交換の駒損でも、以下△5七歩のように手番を握って攻めれば難しい。とすぐに判断できればいいのですが・・・。

 

もちろん、定跡の知識なしで上手く切り抜けることができる可能性もありますが、「棋力に応じてどのくらい切り抜けられる確率がありそうか」というハードルを越えることになります。

ここで重要なのは、対戦相手と定跡の知識に差がある場合に、自分だけが大きなリスクを持っている可能性があることです。互いにリスクを持っているなら五分ですし、むしろ勝負としては面白いでしょう。しかし、自分だけが綱渡りというのは嫌なものです。特に本局のように、有名な急戦定跡の知識は頭に入れておいた方が無難です。

 

敗因その2:自玉が寄り筋になる手順の見落とし

将棋の勝率を上げるために「決め手を与えない」という考え方は大事です。

本局のように、一気に自玉が寄せられて将棋が終わってしまう手順は、何としてでも回避する必要があります。たとえ、その他の変化で形勢が思わしくなかったとしても、最悪の変化に飛び込む理由にはならないです。その意味で、「自玉が寄り筋になる手順の見落とし」は致命的です。

将棋は逆転のゲームなので、決め手を与えずに粘っているうちに、相手がミスをして逆転するというケースは非常に多いです。形勢が悪くなっても上手く粘って、虎視眈々と逆転のチャンスを狙いましょう。

 

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将棋の戦法の人気調査:じゅげむの実戦50局 https://shogijugem.com/sempo-ninki-chosa-1025 Sun, 01 May 2016 12:21:48 +0000 https://shogijugem.com/?p=1025 じゅげむの実戦からです。 得意戦法のノーマル四間飛車を使わずに指してみました。 将棋倶楽部24で50局指して20勝29敗(中断1)です。 結果、レーティングが1935まで落ちました。 前回2095だったので、160も落ち...

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じゅげむの実戦からです。
得意戦法のノーマル四間飛車を使わずに指してみました。
将棋倶楽部24で50局指して20勝29敗(中断1)です。
結果、レーティングが1935まで落ちました。
前回2095だったので、160も落ちたことになります。
じゅげむの場合は、得意戦法と不得意戦法でこのくらいの差があるようです。

 

今回はほぼ居飛車で、さらに対戦相手が戦法を選びやすい序盤を意識しました(一部、じゅげむが積極的に戦型誘導している部分もありますが)。

今回の50局の目的の一つは戦法の人気調査です。戦法の選択権を対戦相手に委ねるような序盤を多くしたので、どの戦法がどのくらいの人気があるのかを大まかに把握することができたと思います。

 

このページの目次

相掛かりの調査(全50局)

  ・初手▲2六歩に対する二手目△8四歩の割合

  ・初手▲2六歩を選ぶ人の割合

▲2六歩△3四歩▲7六歩の進行の調査(全23局)

  ・居飛車(11局)

  ・振り飛車(12局)

▲7六歩△8四歩の進行の調査(全20局)

  ・居飛車(8局)

  ・振り飛車(12局)


 

相掛かりの調査(全50局)


 

初手▲2六歩に対する二手目△8四歩の割合

全50局中、先手番の24局のすべてで初手▲2六歩としました。初手▲2六歩の狙いは、後手番での相掛かり党がどのくらいいるかの調査です。後手番で相掛かりを受けて立つ対戦相手なら二手目△8四歩と指してくるはずです。その割合は・・・

 

じゅげむ(寿限無)の先手番の初手▲2六歩に対して(全24局)
△3四歩→23局
△8四歩→1局

 

24局中たった1局ですか・・・。相掛かりが不人気な戦法とはいえ、まさかここまで二手目△3四歩に偏るとは思いませんでした。先手相掛かりの誘導成功率はたったの4%です。(ただし、サンプル数が少ないので、その分誤差は大きくなります。)

24局中でたった1局の△8四飛


 

初手▲2六歩を選ぶ人の割合

逆に先手番での初手▲2六歩の勢力はどのくらいなのでしょうか?

 

じゅげむ(寿限無)の後手番(全26局)
▲7六歩→20局
▲2六歩→5局
▲5六歩→1局

 

初手▲2六歩はやはり少ないのですが、5局ありました。後手のじゅげむはすべて二手目△8四歩と指して、▲2六歩△8四歩▲2五歩から相掛かりに進行したのが4局、▲2六歩△8四歩▲7六歩から角換わりに進行したのが1局です。後手相掛かりの誘導成功率は15%になります。

26局中で4局の後手相掛かり

先手番と比べて後手番の相掛かりの誘導成功率の方が高くなっています。サンプル数が少ないので誤差の範囲でしょうが、「後手番では相掛かりを指さないけれど、先手番なら相掛かりを指してもいい」という層が一定数いるのかもしれません。

相掛かりという戦法は、先手と後手の同意がないと成立しないので、「先手番だけで相掛かりを指す」あるいは「後手番だけで相掛かりを指す」ということが可能です。相掛かりは序盤早々から超急戦や大乱戦になる変化も少なくないので、準備なしではやや指しづらい戦法かもしれません。さらに後手番の相掛かりとなると、▲2六飛型(浮き飛車型)と▲2八飛型(引き飛車型)の両方に対応する必要があります。

ネット将棋で不特定多数と指す場合は、どうしても不人気な戦法の対局数が少なくなります。一度相掛かりをひたすら指してみたいのですが、ネット将棋がメインだと相掛かりの経験値を上げるのはなかなか大変のようです。


 

▲2六歩△3四歩▲7六歩の進行の調査(全23局)

初手▲2六歩に対して二手目△3四歩の割合がほとんどだったわけですが、それに対してすべて▲7六歩と指しました。この進行は後手番にとって戦法の選択肢がけっこう幅広いです。戦法の人気調査のために、対戦相手が戦法を選びやすい序盤にしています。(ちなみに▲2六歩△3四歩▲2五歩△3三角の方が後手の選択肢を狭めることができます。)

▲2六歩△3四歩▲7六歩の進行

じゅげむ(寿限無)の先手番で▲2六歩△3四歩▲7六歩に対して(全23局)
△8四歩(8局)→ 横歩取り(6局)、一手損角換わり(2局)
△4四歩(6局)→ 四間飛車(2局)、三間飛車(2局)、向かい飛車(1局)、雁木(1局)
△5四歩(3局)→ ゴキゲン中飛車(3局)
△8八角成(3局)→ 角交換四間飛車(2局)、一手損角換わり(1局)
△3五歩(2局)→ 石田流(2局)
△3三角(1局)→ 角換わり(1局)

 

居飛車11局、振り飛車12局でした。ニコニコ動画の将棋中継のアンケートでも居飛車党と振り飛車党が半々ぐらいだったと思うのですが、同じような結果となりました。


 

居飛車(11局)

▲2六歩△3四歩▲7六歩の進行だと矢倉や(一手損でない)角換わりにはなりづらいので、横歩取りや一手損角換わりがメインとなります。横歩取りにするか一手損角換わりにするかは、後手に選択権があります。横歩取り6局、一手損角換わり3局なので、横歩取りの方が人気が高いようです。

他には、一手損ではない角換わりが1局だけあったのですが、これは後手の四手目△3三角の出だしから、序盤の駆け引きの末に角換わりになった流れです。雁木も1局だけありました。

というわけで、横歩取りが一番人気だったわけですが、実はこの人気調査中、じゅげむは一局も横歩取りを指していません。横歩を取るか取らないかは先手に選択権があり、横歩を取らずに相掛かりに誘導することも可能です。いわゆる「横歩拒否型相掛かり」と呼ばれる戦型です(下図)。ただし、現在のプロ棋戦の主流は横歩取りで、横歩拒否型相掛かりは少数勢力になります。

横歩拒否型相掛かりの一例


 

振り飛車(12局)

角道を止めないタイプの振り飛車(ゴキゲン中飛車、角交換四間飛車、石田流)が7局、角道を止めるノーマル型の振り飛車(四間飛車、三間飛車、向かい飛車)が5局でした。どちらもよく指されているようです。

飛車を振る場所についても、中飛車3局、四間飛車4局、三間飛車4局、向かい飛車1局などさまざまです。

 

▲2六歩△3四歩▲7六歩の進行は、後手番に戦法の選択権をある程度委ねることになるので、その意味では堂々とした進行と言えます。とはいえ、実際にさまざまな戦法を相手が指してきますし、上記のように戦法の割合がかなりばらつくので、対策を練るのがけっこう大変です。比較的レアな進行を含めるかどうかにもよりますが、相居飛車と対振り飛車を合わせて、今回の実戦23局中に現れただけでも8~10種類ぐらいの戦法に対応する必要があります。

居飛車党の方が、対策を練る必要がある戦法のバリエーションが多いという意味では大変かもしれないです。昔と比べて、角道を止めないタイプの振り飛車も色々とあるので、対策が必要な戦法はますます増えています。


 

▲7六歩△8四歩の進行の調査(全20局)

先手番の対戦相手の指し手として▲7六歩が一番多かったわけですが、それに対してすべて二手目△8四歩と指しました。この進行も先手の戦法の選択肢はけっこう広いです。(ただし、先手石田流など二手目△8四歩に対して指せない戦法もあります。)

▲7六歩△8四歩の進行

じゅげむ(寿限無)の後手番で▲7六歩△8四歩に対して(全20局)
▲6八銀△3四歩▲6六歩(6局)→ 矢倉(4局)、向かい飛車(1局)、雁木(1局)
▲7八銀△3四歩▲7七銀(1局)→ 矢倉(1局)
▲1六歩(1局)→ 矢倉(1局)
(後手が端歩を受けたため)
▲2六歩△8五歩(1局)→ 角換わり(1局)
▲6八銀△3四歩▲2二角成(3局)→ ダイレクト向かい飛車(2局)、角交換四間飛車(1局)
▲5六歩(3局)→ 先手中飛車(3局)
▲6八飛(3局)→ 四間飛車(3局)
▲7八飛(1局)→ 三間飛車(1局)
▲6六歩(1局)→ ノーマル中飛車(1局)
(後手が飯島流引き角戦法を目指したため)

 

居飛車8局、振り飛車12局でした。リストの上の方が居飛車メイン、下の方が振り飛車メインで並べています。

ただし、初手▲2六歩からの居飛車が5局、初手▲5六歩からの中飛車が1局あるので、全体としては居飛車13局、振り飛車13局のイーブンです。


 

居飛車(8局)

先手が居飛車指向なら、矢倉か角換わりのどちらを選ぶのかは先手に選択権があります。▲7六歩△8四歩のときに三手目▲6八銀とすれば矢倉になり、三手目▲2六歩とすれば角換わり指向になります。ただし、三手目▲2六歩の場合は、後手は△3四歩として横歩取りに誘導することもできます。

角換わりの進行の少なさには驚きです。サンプル数が少ないので何とも言えないですが、矢倉の方が人気のようです。初手▲2六歩(5局)の進行と合わせると、全体では矢倉6局、相掛かり4局、角換わり2局、雁木1局となりました。

最初の方で相掛かりが不人気と言いましたが、この結果を見ると、先手番の居飛車全体としてはそれほど不人気ではなさそうです。むしろ、角換わりの方が不人気という結果です。

とはいえ、相居飛車の主流戦法を大別すると、矢倉、角換わり(一手損を含む)、横歩取り、相掛かりの4種類しかないので、多少不人気だとしてもそれなりに指されるはずです。

今回の人気調査で票を集めなかった、先手番の角換わり、後手番の相掛かりが本当に不人気かどうかは保留にしておきます。全体のサンプル数が少なかったので、たまたま少なかった可能性も大いにあります。


 

振り飛車(12局)

初手▲5六歩(1局)の進行と合わせると、中飛車5局、四間飛車4局、三間飛車1局、向かい飛車3局でした。

三間飛車が少ないのは、おそらく二手目△8四歩のためで、もし二手目△3四歩なら、▲7六歩△3四歩▲7五歩からの先手石田流があったと思います。

 

角道を止めない振り飛車か、角道を止めるノーマル型の振り飛車かの選択については、先手番と後手番でやや状況が異なります。というのは、▲7六歩△8四歩の時点で、後手がまだ角道を空けていないからです。▲7六歩△3四歩▲7五歩からの先手石田流がないというのも一つですが、他にも色々と影響があります。

例えば、▲7六歩△8四歩▲6八飛の進行だと、四手目△3四歩の場合は角交換四間飛車を選べますが、四手目△8五歩の場合は角交換四間飛車にしづらくなります(下図)。△8五歩に対して▲7七角と上がる一手が必要なので、そこから角交換をすると一手損になるからです。この進行だとノーマル四間飛車になりやすいです。

▲7七角の一手が必要

おそらく、上記のような理由で▲7六歩△8四歩▲6八銀△3四歩▲2二角成からの角交換四間飛車が指されているのだと思います。早めに形を決めてしまいますが、どうしても角交換四間飛車を指したい場合には有力だと思います。

先手中飛車に対しても、△3四歩を保留する形は有力です。

また▲7六歩△8四歩▲6六歩の進行なら、飯島流引き角戦法も考えてみたいところです。これも居飛車が二手目に角道を空けていないために生ずる変化です。

 

このように、対振り飛車については▲7六歩△8四歩の進行にいくつかのメリットがあります。△3四歩を突くタイミングの問題で、振り飛車側の戦法を少し限定することができますし、△3四歩不突きの戦法など居飛車側の選択肢は逆に増えます。

しかし、人気調査としては、対戦相手の戦法を限定してしまうデメリットがあります。先手番の振り飛車の人気調査には、▲7六歩△3四歩の進行も調査した方がよさそうです。

 

The post 将棋の戦法の人気調査:じゅげむの実戦50局 first appeared on じゅげむの将棋ブログ.

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