△8五歩型陽動向かい飛車

プロの棋譜(敬称略)

2016年5月17日:王位戦(▲広瀬章人vs△佐藤康光)
2016年1月17日:NHK杯(▲豊島将之vs△佐藤康光)

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△8五歩型陽動向かい飛車の出だし△8五歩型陽動向かい飛車

トップ棋士の佐藤康光さんが得意としている戦法です。後手番の戦法で、序盤で後手から誘導する作戦です。左上図が序盤の出だしで、角換わり模様から一転して角道を止めます。左図から▲2五歩△3三角▲4八銀△3二銀▲5六歩△4三銀▲7八金△2二飛(右上図)で△8五歩型陽動向かい飛車の戦法が明らかとなりました。

後手は△8五歩まで飛車先を突いてからの陽動振り飛車なので、玉を8筋方面に囲ったときに△8五歩が大きな傷になるのが問題です。一方、先手は振り飛車に対してやや損な▲7八金型であること、この瞬間は8八の銀が壁になっていること、穴熊に組みづらいことがデメリットです。このように、この戦法は互いに問題を抱えた序盤からスタートします。両方ともデメリットがあるならバランスが取れている、という考え方の将棋です。

ポイントとなる桂跳ね

2016年の▲広瀬vs△佐藤康戦でも▲豊島vs△佐藤康戦でも、(途中の手順はやや違いますが)全く同じ局面で後手が早くも桂馬を6五に跳ねています(左上図)。この桂跳ねがポイントで、このタイミングで桂を跳ねられると▲6六銀と上がる一手です。以下、△6四歩と桂を支えてから駒組みが続きます。先手は穴熊を目指していますが、早めの桂跳ねの効果によって通常の▲8八銀型に組むことができません。この点が後手にとって大きな主張となります。

▲広瀬vs△佐藤康戦の進行▲豊島vs△佐藤康戦の進行

▲広瀬vs△佐藤康戦では後手は平矢倉に囲い(左上図)、▲豊島vs△佐藤康戦では銀冠に囲っています(右上図)。先手は▲8八銀型の穴熊にはできないので、▲8八金▲7八金型の穴熊になっています。とはいえ、金が2枚横に並んだ形も好形ですし、穴熊が遠くて堅いので先手も十分に戦えます。

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