3-2. ゴキゲン中飛車 | じゅげむの将棋ブログ https://shogijugem.com 将棋の戦法や定跡のまとめ、囲い、格言、自戦記、ゆるゆる研究シリーズなど。 Tue, 13 Jun 2017 07:39:04 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.5.3 111067373 菅井竜也さんのゴキゲン中飛車の棋譜のまとめ(全43局、2009年~2015年) https://shogijugem.com/sugai-tatsuya-kifu-gokigen-3809 Sat, 20 Aug 2016 11:37:27 +0000 https://shogijugem.com/?p=3809 菅井竜也さんの2009~2015年のゴキゲン中飛車の棋譜(全43局)のまとめです。 棋譜データベース「将棋DB2」に掲載のゴキゲン中飛車の全棋譜を調査済です。 2016年も調査済みですが、ゴキゲン中飛車の採用はありません...

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菅井流

菅井竜也さんの2009~2015年のゴキゲン中飛車の棋譜(全43局)のまとめです。

棋譜データベース「将棋DB2」に掲載のゴキゲン中飛車の全棋譜を調査済です。
2016年も調査済みですが、ゴキゲン中飛車の採用はありませんでした。
(2016年は「将棋DB2」自体の網羅性が低くなっているので、ご了承ください。)

リンク先は、棋譜データベース「将棋DB2」の個別の棋譜ページが大半です。
NHK杯、朝日杯(一部を除く)、大和証券杯の棋譜は、公式サイトへのリンクです。

朝日杯と大和証券杯の公式サイトで、flash盤の読み込みが悪い場合があります。
その場合に、ブラウザの更新ボタンを押すと改善される可能性があります。

Google Chrome、Firefoxでのflash盤の動作は確認しています。

先手中飛車の棋譜は除外しています。

ただし、先手番のゴキゲン中飛車の棋譜は掲載しています。
序盤で端歩を突いて、端歩の一手得以外は後手番のゴキゲン中飛車のように進める戦型です。

以前の記事はいろいろな意味で中途半端だったので大幅に改善しています。
まず、2013~2015年の棋譜を追加しています。
さらに戦法別ではなく、「菅井竜也さんのゴキゲン中飛車に絞って時系列で整理しました。

このページの目次

 

オールラウンダー時代で採用数は減るが公式戦無敗

 

2015年 ゴキゲン中飛車は選択肢の一つ

2015年10月7日:順位戦(▲島明vs△菅井竜也)(銀対抗 vs 二枚銀)
2015年9月2日:順位戦(▲高橋道雄vs△菅井竜也)(一直線穴熊、千日手)(リンク切れ)
2015年6月16日:新人王戦(▲牧野光則vs△菅井竜也)
(丸山ワクチン)
2015年3月24日:棋聖戦(▲菅井竜也vs△行方尚史)
(先手ゴキゲン中飛車)
2015年2月3日:順位戦(▲大石直嗣vs△菅井竜也)(丸山ワクチン)(リンク切れ)

 

2015年の菅井竜也さんは、後手番では居飛車と四間飛車穴熊の採用が多いです。
ゴキゲン中飛車は主力戦法というよりは、選択肢の一つという位置付けです。

とはいえ、ゴキゲン中飛車の戦績は5戦4勝1千日手で負けなしです。
以前は丸山ワクチンに対して勝率が悪かったのですが、2015年は2戦2勝しています。
居飛車の感覚を学んだことが良い影響を与えているのでしょうか。

初手から▲2六歩△3四歩▲2五歩の進行が増えて、
ゴキゲン中飛車自体が組みづらくなっているのも、採用数が少ない原因の一つと思われます。

また、2015年度は勝率一位賞と最多勝利賞と升田幸三賞をトリプル受賞しています。

 

2014年 前半はほぼ居飛車党、ゴキゲン中飛車の採用は減る

2014年12月23日:王座戦(▲菅井竜也vs△斎藤慎太郎)(先手ゴキゲン中飛車、千日手)
2014年12月1日:西遊棋イベント(▲豊島将之vs△菅井竜也)
(丸山ワクチン)
2014年11月25日:順位戦(▲佐藤秀司vs△菅井竜也)
(△3二金型)
2014年9月23日:電王戦タッグマッチ(▲菅井竜也with習甦vs△阿部光瑠withYSS)
(先手ゴキゲン中飛車)(電王戦タッグマッチ2014公式ページ
2014年9月16日:順位戦(▲菅井竜也vs△阪口悟)
(居飛車側、丸山ワクチン)

 

2014年の前半は、ほぼ居飛車党に転向してしまったという雰囲気です。

2014年9月には、居飛車側で対ゴキゲン中飛車を指しています。
これがきっかけになったのかは分からないですが、2014年の後半ではたまに採用しています。
しかし、公式戦の採用はたったの2局(1勝1千日手)、あとはイベントでの採用です。

ゴキゲン中飛車ではなく何を指しているのかというと、後手番では横歩取りが目立ちます。
後手番はすべて調べましたが、ゴキゲン中飛車以外の振り飛車もあまり指していません。

 

ゴキゲン中飛車が主力戦法だった振り飛車党時代

 

2013年 ゴキゲン中飛車対策はほぼ超速

2013年12月6日:王位戦(▲谷川浩司vs△菅井竜也)(△3二金型 vs 二枚銀)
2013年9月5日:王将戦(▲郷田真隆vs△菅井竜也)
(△3二銀型)
2013年8月6日:順位戦(▲船江恒平vs△菅井竜也)
(△3二金型 vs 二枚銀)
2013年7月24日:棋王戦(▲菅井竜也vs△鈴木大介)
(先手ゴキゲン中飛車)
2013年7月9日:順位戦(▲阪口悟vs△菅井竜也)
(△3二銀型)
2013年2月12日:順位戦(▲村中秀史vs△菅井竜也)
(△3二金型)
2013年2月9日:朝日杯決勝(▲渡辺明vs△菅井竜也)
(△3二金型)

 

居飛車側のゴキゲン中飛車対策はほぼ超速▲3七銀戦法です。戦績は7戦4勝3敗。

ゴキゲン中飛車以外の角道オープン型振り飛車も後手番で少しずつ採用しています。
角交換四間飛車、4→3戦法、4手目△3二飛、角交換向かい飛車です。

 

2012年 ゴキゲン中飛車の採用数がやや減る

2012年10月16日:順位戦(▲村田顕弘vs△菅井竜也)(▲5八金右超急戦)
2012年7月15日:NHK杯(▲杉本昌隆vs△菅井竜也)(丸山ワクチン)
2012年5月30日:竜王戦(▲大石直嗣vs△菅井竜也)(丸山ワクチン)
2012年2月26日:NHK杯(▲渡辺明vs△菅井竜也)(菅井流)
2012年2月11日:朝日杯準決勝(▲羽生善治vs△菅井竜也)(菅井流)
2012年1月20日:朝日杯(▲行方尚史vs△菅井竜也)(菅井流)

 

2012年は前年よりもゴキゲン中飛車の採用数が減っています。
戦績が6戦2勝4敗で負け越しなのも影響しているのでしょうか。

後手番の戦法の幅を広げていて、角交換四間飛車や4→3戦法も数局ずつ試しています。

また、2012年度は新人賞を受賞しています。

 

2011年 超速の流行と菅井流

2011年12月13日:順位戦(▲阿部光瑠vs△菅井竜也)(菅井流)
2011年11月15日:順位戦(▲長岡裕也vs△菅井竜也)(※菅井流の1号局)
2011年9月5日:朝日杯(▲神崎健二vs△菅井竜也)(丸山ワクチン)
2011年8月30日:順位戦(▲船江恒平vs△菅井竜也)(△3二金型)
2011年8月21日:大和証券杯決勝(▲村山慈明vs△菅井竜也)(一直線穴熊)
2011年8月12日:棋聖戦(▲糸谷哲郎vs△菅井竜也)(△3二金型 vs 二枚銀)
2011年7月3日:NHK杯(▲行方尚史vs△菅井竜也)(相穴熊)
2011年6月30日:棋聖戦(▲豊島将之vs△菅井竜也)(△3二金型 vs 二枚銀)
2011年6月21日:順位戦(▲中座真vs△菅井竜也)(△3二金型 vs 二枚銀)
2011年5月16日:大和証券杯(▲羽生善治vs△菅井竜也)(△3二金型 vs 二枚銀)

 

ゴキゲン中飛車対策として、超速▲3七銀戦法が本格的に流行したのが2011年です。
全10局中、超速が8局、それ以外(丸山ワクチン、一直線穴熊)はたったの2局です。
また、超速対策の「菅井流」の1号局が指されたのが2011年11月です。

戦績は10戦8勝2敗でかなり勝ち越しています。
第5回大和証券杯ネット将棋・最強戦では、
ゴキゲン中飛車で羽生善治さんと村山慈明さんを破って優勝しています。

2011年はまさに主力戦法で、後手番はほぼすべての対局でゴキゲン中飛車を目指しています。
しかし、不思議なことに2010年12月~2011年4月に空白があります。

実はこの空白時期は、先手が趣向を凝らして、ゴキゲン中飛車を指させない序盤が多いです。
対戦相手が菅井竜也さんのゴキゲン中飛車を警戒しているのがよく分かります。

 

2010年 超速以前のゴキゲン中飛車

2010年11月17日:順位戦(▲澤田真吾vs△菅井竜也)(超急戦回避策△6二玉)
2010年11月11日:銀河戦(▲塚田泰明vs△菅井竜也)(▲7七銀急戦)
2010年10月14日:棋聖戦(▲井上慶太vs△菅井竜也)(一直線穴熊)
2010年8月10日:順位戦(▲佐藤慎一vs△菅井竜也)(丸山ワクチン)
2010年7月20日:順位戦(▲西尾明vs△菅井竜也)(丸山ワクチン)
2010年7月9日:新人王戦(▲澤田真吾vs△菅井竜也)(▲5八金右超急戦)
2010年7月3日:朝日杯(▲小山怜央vs△菅井竜也)(先手飛車先不突き)
2010年1月13日:新人王戦(▲斎藤慎太郎vs△菅井竜也)(▲7八金型)

 

戦績は8戦5勝3敗で勝ち越しています。

超速▲3七銀戦法の1号局は、2009年12月ですが(▲深浦康市vs△佐藤和俊戦)、
2010年の時点では、まだ菅井竜也さんの実戦で超速は現れていません。
ただし、「将棋DB2」に未掲載の棋譜で、超速が現れている可能性はあります。

超急戦、丸山ワクチン、一直線穴熊、▲7八金型、その他の急戦など、
居飛車側のゴキゲン中飛車対策はさまざまです。

 

2009年 菅井竜也さんのプロデビュー前

2009年9月4日:新人王戦(▲中村太地vs△菅井竜也)(▲5八金右超急戦)
2009年5月11日:新人王戦(▲田中悠一vs△菅井竜也)(▲7八金型)

 

菅井竜也さんの四段プロデビューが2010年4月からなので、
上記の2局(1勝1敗)は、奨励会三段時代の新人王戦での棋譜になります。
奨励会時代に振り飛車メインでプロになった生粋の振り飛車党です。

 

(戦法についての注釈:下図を参照)
超速▲3七銀:ゴキゲン中飛車対策の主流。▲6八玉型で右銀を繰り出す戦法です。
菅井流:超速▲3七銀対策の菅井流△4四歩のことです。
△3二金型:「超速▲3七銀 vs △3二金型」のことです。
△3二金型 vs 二枚銀:「超速▲3七銀 vs △3二金型」での先手の二枚銀作戦のことです。
△3二銀型:△3二金型と区別しています。
相穴熊:「超速▲3七銀 vs △4四銀対抗」からの相穴熊。一直線穴熊とは区別しています。
一直線穴熊:超速▲3七銀ではない居飛車穴熊です。上記の相穴熊とは区別しています。
丸山ワクチン:序盤で居飛車から角交換するゴキゲン中飛車対策です。
▲5八金右超急戦:序盤から大乱戦になる最も激しいゴキゲン中飛車対策です。
▲7八金型:昔よく指されたゴキゲン中飛車対策です。

 

超速▲3七銀
超速▲3七銀

 

菅井流
菅井流

 

△3二金型
△3二金型

 

△3二金型 vs 二枚銀
△3二金型 vs 二枚銀

 

△3二銀型
△3二銀型

 

相穴熊
相穴熊

 

一直線穴熊
一直線穴熊

 

丸山ワクチン
丸山ワクチン

 

▲5八金右超急戦
▲5八金右超急戦

 

▲7八金型
▲7八金型

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3809
先手中飛車とゴキゲン中飛車の誘導成功率(将棋倶楽部24で33局を調査)【後編】 https://shogijugem.com/gokigen-nakabisha-yudoseikoritsu-2815 Thu, 07 Jul 2016 05:04:03 +0000 https://shogijugem.com/?p=2815 将棋倶楽部24でのじゅげむの実戦データ調査の【後編】です。(全33局) 先手番では先手中飛車、後手番ではゴキゲン中飛車を目指して、 どのくらい狙いの戦法に誘導できるかを調べました。 また、それぞれの戦法に対する相手の対策...

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将棋倶楽部24でのじゅげむの実戦データ調査の【後編】です。(全33局)

先手番では先手中飛車、後手番ではゴキゲン中飛車を目指して、
どのくらい狙いの戦法に誘導できるかを調べました。

また、それぞれの戦法に対する相手の対策をまとめました。

 

将棋倶楽部24での調査中の対戦成績は15勝18敗です。レーティング2037からスタートして、終了時は1989なので、ほぼキープしていた感じです。
対戦相手のレーティングは2000ぐらいが中心です。

 

今回は【後編】で、ゴキゲン中飛車を中心とする後手番の調査です。

前回の【前編】では、先手中飛車を中心とする先手番の調査をまとめています。

先手中飛車とゴキゲン中飛車の誘導成功率(将棋倶楽部24で33局を調査)【前編】
将棋倶楽部24でのじゅげむの実戦データ調査です。(全33局) 先手番では先手中飛車、後手番ではゴキゲン中飛車を目指して、 どのくらい...

このページの目次

 

将棋倶楽部24でのゴキゲン中飛車の誘導成功率

中飛車が後手番の場合です。
後手番の中飛車と言えばもちろんゴキゲン中飛車です。

後手番13局のすべてでゴキゲン中飛車に誘導しました。結果は・・・

 

後手番でゴキゲン中飛車を狙った場合の内訳(全13局)
ゴキゲン中飛車:6局
相振り飛車:4局
ノーマル四間飛車:2局
力戦系四間飛車:1局

 

となりました。

後手番でゴキゲン中飛車の誘導成功率は46%です。
先手が振り飛車を目指して相振り飛車になったのが31%です。
その他が23%の結果でした。

ただし、調査局数が少ないので誤差は大きくなります。

 

ゴキゲン中飛車に対する先手の対策

ゴキゲン中飛車に対する先手の対策は、

 

ゴキゲン中飛車(全6局中)
▲4七銀型:3局
▲5八金右超急戦:1局
居飛車穴熊(一直線穴熊):1局
5筋位取り拒否型:1局

 

▲4七銀型が3局で一番多かったです。

▲5八金右急戦、居飛車穴熊(一直線穴熊)はプロでもよく指される戦法です。

プロ公式戦で最も多く指されている超速▲3七銀戦法がゼロなのは意外でした。

また5筋位取り拒否型は、先手中飛車に対する作戦としてはよくあるのですが、ゴキゲン中飛車対策としては珍しいです。

 

ただし、調査局数がとても少ないので、誤差は非常に大きくなります。

ゴキゲン中飛車対策の戦法は、将棋戦法大事典(対振り飛車編)も参考にしてください。

 

ゴキゲン中飛車vs▲4七銀型

▲4七銀型の3局はすべて上図の形になりました。ゴキゲン中飛車の5筋位取りに対して、▲4七銀で5筋を守る陣形です。

 

ゴキゲン中飛車vs船囲い▲4七銀型

このうち、▲4七銀型から▲5八金右で普通に船囲いを作ったのが1局です。実戦では急戦調の将棋になりましたが、ここから先手が左美濃や穴熊を目指す構想もあると思います。

 

ゴキゲン中飛車vs▲4七銀型から左銀を繰り出す1ゴキゲン中飛車vs▲4七銀から左銀を繰り出す2

▲4七銀型から左銀を6八~7七~6六と前線に繰り出す作戦が2局ありました。
4九金型がポイントで、①▲5八金右よりも左銀の進出を優先、②▲5八飛の余地を残す、などの狙いがあります。

 

ゴキゲン中飛車vs▲5八金右超急戦

▲5八金右超急戦が1局です。
詳しくは、下記の記事を参考にしてください。

ゴキゲン中飛車で▲5八金右超急戦を返り討ちにする
ゴキゲン中飛車vs▲5八金右超急戦の自戦記です。 将棋倶楽部24でのレーティング約2000同士の対局で、 後手のゴキゲン中飛車側がじゅげ...

 

ゴキゲン中飛車vs居飛車穴熊(一直線穴熊)

一直線穴熊と呼ばれる戦法が1局です。
右辺にあまり手をかけずに、穴熊を優先させるのがポイントです。
▲4七銀型からの穴熊や、超速▲3七銀からの穴熊と区別して、一直線穴熊と呼ばれます。

 

ゴキゲン中飛車vs5筋位取り拒否型

▲5六歩と受ける5筋位取り拒否型が1局です。
先手中飛車に対する作戦としてはよくあるのですが、対ゴキゲン中飛車で成立するかは分からないです。角交換から△5七角で馬を作る筋が気になります。

 

ゴキゲン中飛車に組ませない3つの方法

ゴキゲン中飛車への誘導に失敗したのが54%もあるので、「ゴキゲン中飛車に組ませない序盤の指し方がある」ということになります。

1.相振り飛車(先手番が振り飛車を目指すパターン)
2.角道を空けずに▲2六歩~▲2五歩で飛車先を早めに決める
3.早めに角交換をする

大きく分けると、以上の3つの方法でゴキゲン中飛車を回避できます。(あるいは、回避の確率を上げられます。)

 

相振り飛車でゴキゲン中飛車を回避

先手が振り飛車を目指せば、後手のゴキゲン中飛車を回避できます。

今回の調査では、先手が振り飛車を目指した場合に、相振り飛車で対抗しました。
このパターンは全4局で、内訳は以下の通りです。

 

相振り飛車の内訳(全4局、vsの左側が先手)
向かい飛車vs三間飛車:1局
中飛車vs三間飛車の力戦系:1局
中飛車左穴熊vs三間飛車:1局
相三間飛車:1局

 

ゴキゲン中飛車回避:角道を止める1

先手が3手目▲6六歩で角道を止める場合は、先手のノーマル振り飛車が濃厚です。後手は中飛車にすることもできますが、どのみち相振り飛車になる可能性が高そうです。今回のじゅげむの実戦では、先手向かい飛車vs後手三間飛車の相振り飛車になりました。

 

ゴキゲン中飛車回避:角道を止める2

先手が▲6六歩で角道を止めるパターンの2局目です。端歩の付き合いの駆け引きがあってから、先手が▲6六歩で角道を止めました。おそらく、先手番のゴキゲン中飛車(端歩の関係で先後が逆になる)を目指していたと思います。実戦では、先手中飛車vs後手三間飛車で、見慣れない形の力戦系の相振り飛車になりました。

 

ゴキゲン中飛車回避:初手▲5八歩で中飛車

初手▲5六歩で先手中飛車(あるいは中飛車左穴熊)を目指せば、後手はゴキゲン中飛車にはできないです。もし、後手が中飛車にすると相中飛車になります。じゅげむの実戦では、中飛車左穴熊vs三間飛車になりました。

 

ゴキゲン中飛車回避:石田流

先手が3手目▲7五歩で石田流を目指す場合も、後手はゴキゲン中飛車にはできないです。じゅげむの実戦では、相三間飛車になりました。

 

以上のように、先手が振り飛車を目指せば、後手のゴキゲン中飛車を回避できます。

 

飛車先を早めに決めてゴキゲン中飛車を回避

角道を空けずに早めに▲2六歩~▲2五歩を決めると、ゴキゲン中飛車を回避できる可能性があります。(下図)

ただし、初手▲2六歩なので、相掛かりか角換わりを目指す居飛車党向けです。矢倉を目指す居飛車党は初手▲7六歩なので、この方法でのゴキゲン中飛車回避は不可能です。

ゴキゲン中飛車回避:角道を空けずに▲2五歩

後手は△3三角で飛車先を受けることになりますが、このタイミングで▲7六歩と角道を空けます。(下図)

ゴキゲン中飛車回避:飛車先を早めに決める序盤戦

上図から①△4四歩、②△2二銀、③△3二銀、④△4二銀が実戦でよく指されます。

 

①△4四歩なら後手のノーマル振り飛車が濃厚(あるいは、無理矢理矢倉)、②△2二銀なら相居飛車模様、③△3二銀と④△4二銀は振り飛車と居飛車の両方があります。

③△3二銀は、後手が居飛車なら左美濃の含みですし、後手が振り飛車なら四間飛車になりやすいです。

④△4二銀の場合はゴキゲン中飛車に組まれる可能性があるので要注意です。(参考棋譜:2016年NHK杯▲永瀬拓矢vs△戸辺誠

ただし、△4二銀を決めさせることにより、ゴキゲン中飛車側の作戦の幅を狭くしています。

 

今回のじゅげむの実戦では、私が①4四歩からノーマル四間飛車を目指しました。(2局)

調査中は気付いていなかったのですが、上記の④△4二銀からあくまでもゴキゲン中飛車を目指す指し方がありました。この方が、ゴキゲン中飛車の誘導成功率が若干上がっていた可能性があります。

飛車先を早めに決める序盤戦からノーマル四間飛車

 

早めの角交換でゴキゲン中飛車を回避

下図のように、4手目に早くも角交換をされた対局が1局ありました。

ゴキゲン中飛車回避:角交換をしてしまう

角交換によってゴキゲン中飛車を回避できます。
ただし、先手から角交換すると一手損になります。

ここから相居飛車の角換わりを指向すると、先後が逆になってしまうので、先手としてはやや損な指し方です。また、普通の角交換四間飛車を目指すなら、このタイミングで角交換をする必要はありません。

先手の狙いは何なのでしょうか?

 

ゴキゲン中飛車回避:変則的な角交換四間飛車

この対局では、変則的な角交換四間飛車が先手の作戦でした。先手陣の左辺の金銀桂の形は、ノーマル中飛車から角交換をした場合によく現れます。

四間飛車のケースは珍しいですが、作戦としては有力だと思います。

 

ゴキゲン中飛車のまとめ

将棋倶楽部24での調査です。

後手番でゴキゲン中飛車の誘導成功率は46%。
先手も振り飛車を目指して、相振り飛車になったのが31%です。
その他が23%の結果でした。

 

ゴキゲン中飛車対策として、
▲4七銀型、▲5八金右超急戦、居飛車穴熊(一直線穴熊)、5筋位取り拒否型
が実戦で現れました。

しかし、ゴキゲン中飛車対策の本格的な調査には、もっと多くの局数が必要です。

 

ゴキゲン中飛車に組ませない序盤の指し方として、

①相振り飛車
②角道を空けずに▲2六歩~▲2五歩で飛車先を早めに決める
③早めに角交換をする

以上の3つの方法が実戦で現れました。いずれも有力です。

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2815
ゴキゲン中飛車で▲5八金右超急戦を返り討ちにする https://shogijugem.com/jugem-58kimmigi-chokyusen-2651 Sun, 03 Jul 2016 02:45:16 +0000 https://shogijugem.com/?p=2651 ゴキゲン中飛車vs▲5八金右超急戦の自戦記です。 将棋倶楽部24でのレーティング約2000同士の対局で、 後手のゴキゲン中飛車側がじゅげむです。 超急戦定跡の基礎知識、ポイントとなる課題局面についても書いています。 実戦...

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ゴキゲン中飛車vs▲5八金右超急戦の自戦記です。
将棋倶楽部24でのレーティング約2000同士の対局で、
後手のゴキゲン中飛車側がじゅげむです。

超急戦定跡の基礎知識、ポイントとなる課題局面についても書いています。
実戦でよく現れる局面なので、ゴキゲン中飛車を指す人にとっても、
ゴキゲン中飛車対策としても役立つと思います。

 

このページの目次

 

ゴキゲン中飛車 vs ▲5八金右超急戦の定跡基礎知識

初手からの指し手:▲7六歩△3四歩▲2六歩△5四歩▲2五歩△5二飛▲5八金右(図1)

図1.▲5八金右超急戦の出だし

図1の局面がゴキゲン中飛車 vs ▲5八金右超急戦の定跡の出だしです。図1から超急戦を避けて△6二玉とするのも有力ですが、前回は超急戦でボコボコに潰されたので、今回は借りを返したいところです(対戦相手は別の人ですが。)

図1以下の指し手:△5五歩▲2四歩△同歩▲同飛△5六歩▲同歩△8八角成▲同銀△3三角▲2一飛成△8八角成(図2)

図2.▲5八金右超急戦の定跡

この辺りは有名な定跡手順です。銀桂交換で、先手は飛車を成り込み、後手は角を成り込みます。互いに居玉のままで非常に激しい順ですが、バランスは取れているようです。プロ棋士の間でも、先手がやれると思われていた時期もあるし、逆に後手が良いと思われていた時期もあり、図2の優劣の判断は揺れ動いています。

図2以下の指し手:▲5五桂△6二玉▲1一龍(図3)

図3.▲5八金右超急戦の課題局面

図2からの数手も定跡化されています。▲5五桂は、後手の狙いである△2二馬や△3二銀を防ぎながら、次に▲4三桂不成、▲6三桂不成、▲3三角などを狙っている好手です。

 

定跡手順の▲5五桂に△5四銀は悪手

手順中の▲5五桂にうっかり△5四銀(変化図1)と「桂先の銀」で受けるとひどいことになります。

変化図1.△5四銀は悪手

変化図1から▲3三角と打たれて後手が困っています。▲3三角に対してどんな受け方をしても、8八の馬を素抜かれてしまいます。一例として、▲3三角△6二玉▲6三桂成△同銀▲8八角成(変化図2)で馬を取った先手の必勝形になります。

変化図2.馬を取った先手の必勝形

▲5五桂に対しては△6二玉が正解です。

 

定跡手順の▲1一龍の代わりに▲7五角は後手有望

また▲1一龍の代わりに▲7五角(変化図3)は、結論としては後手有望のようです。しかし、一時期プロでも有力視されていた手なので、アマチュア的には簡単ではないと思います。

変化図3.▲7五角は後手有望

変化図3からは△3二銀▲1一龍△5一金右(変化図4)と進みます。△3二銀は▲3一角成るに対する受け、△5一金右は▲3三香に対する受けです。変化図4で①▲2四歩、②▲2二歩という2通りの手段があります。

変化図4.ここで2通りの手段

▲2四歩は、以下△9九馬▲1三龍△7四歩▲8六角△5七歩▲同金△8九馬(変化図5)で後手有望のようです。

変化図5.▲2四歩以下の変化

▲2二歩は、以下△7四歩▲8六角△5七歩▲同金△8七馬▲6八角△7八銀(変化図6)でやはり後手有望のようです。

変化図6.▲2二歩以下の変化

このように、▲1一龍の代わりに▲7五角は後手有望です。ただし、ゴキゲン中飛車側としては、▲7五角の変化にも対応できる必要があります。

 

ゴキゲン中飛車 vs ▲5八金右超急戦の課題局面

図3.▲5八金右超急戦の課題局面
さて、図3で①△9九馬、②△5四銀、③△5四歩などの選択肢があると前回の記事「ゴキゲン中飛車で初遭遇の▲5八金右超急戦に潰される」で書きました。図3はプロの公式戦でもさまざまな手が試されているゴキゲン中飛車の課題局面です。

 

▲1一龍に△5四銀は有力

図3以下の指し手:△5四銀(図4)

図4.課題局面で△5四銀

今回も前回と同じ②△5四銀を選択し、その後の手順を修正しました。△5四銀は有力で、最近のプロ公式戦でも指されています。

 

△5四銀▲6六香に△9九馬は危険

図4以下の指し手:▲6六香(図5)

図5.▲6六香まで前回と同じ

以下、▲6六香までが前回と同じです。ここで前回は△9九馬としたのですが、以下▲1三龍△4二銀▲4四角(変化図7)の歩頭の角の強手をくらいました。以下、△同歩は▲6三桂成から飛車が取られますし、△7二玉は▲6三桂成△同銀▲同香成△同玉▲9九角で馬を抜かれます。

変化図7.歩頭の角の強手

このように、△9九馬は素抜きの筋があるので危険です。

 

△5四銀▲6六香に△8九馬は有力

図5以下の指し手:△8九馬(図6)

図6.前回の修正で△8九馬

今回は図5から△8九馬と修正します。△8九馬なら馬が素抜かれる筋がありません。以下、前回と同様に▲1三龍△4二銀となった局面で▲4四角は△7二玉で受かります。そこで、▲2三角△5一金左▲3四角成と進みます。ここで、うっかり△9九馬と香を取ると▲4四馬があります。そこで△7二玉(図7)の早逃げです。

図6以下の指し手:▲1三龍△4二銀▲2三角△5一金左▲3四角成△7二玉(図7)

図7.△7二玉の早逃げ

この順で、図7では後手が少し指せるのではないかと思っています。

 

ゴキゲン中飛車で超急戦を撃破

図7以下の指し手:▲4三桂成△同銀引▲同馬△同銀▲同龍△6二銀▲5四銀△5三歩▲6三香成△同銀▲同銀成△同玉▲5四銀△7二玉▲5三銀成△6二香▲6三銀△同香▲同成銀△8二玉▲5三香△4二飛▲同龍△同金▲5一香成(図8)

図8.先手の猛攻

▲4三桂成から先手の凄まじい猛攻です。後手玉は相当危ないのですが、先手は駒損の攻めで歩も利かないので、攻めがやや細い印象です。

長い手順なので、詳しくはページの一番下にあるflash盤の棋譜を参考にしてください。

最後の▲5一香成に△同金と取ると、▲7二飛で後手玉が詰んでしまいます。

 

攻防手△2七角

図8以下の指し手:△2七角(図9)

図9.攻防手△2七角

ここで、詰めろ逃れの詰めろを決め手にする狙いで△2七角と打ちました。△2七角は攻防手で、次の△4九飛の攻めを狙いながら、△6三角成で成銀を外す手も狙っています。

ゴキゲン中飛車では△2七角が攻防手になることが多いので、手筋として覚えておいて損はないです。

 

詰めろ逃れの詰めろが決め手

図9以下の指し手:▲6一成香△4九飛▲6八玉△6九飛成▲同玉△7八銀▲5九玉△4九金▲6八玉△7九馬▲7七玉△8五桂▲8六玉△6三角成(図10)

図10.詰めろ逃れの詰めろ

先手は開き直って▲6一成香と取ってきましたが、△4九飛から飛車を切って攻めます。飛車を渡して危ないようですが、王手の連続で先手玉を追っていって、最後の△6三角成が詰めろ逃れの詰めろになるように組み立てました。

図10以下の指し手:▲6二飛△同馬▲同成香(図11)

図11.先手玉に詰みがある

先手は適当な受けがないので、攻防手を探すしかありませんが、▲6二飛が怖い手です。要の馬を外す狙いで、△同馬▲同成香となった局面では、後手玉に詰めろがかかっています。

しかし、図11では先手玉に詰みがありました。

図11以下の指し手:△8七銀成▲7五玉△7四飛▲6六玉△7七銀▲5五玉△4四銀(投了図)までで後手のじゅげむの勝ちとなりました。

投了図

以下、▲6五玉△5三桂までで先手玉は詰みです。

 

本局では、前回超急戦で潰された反省を生かして、逆に返り討ちにすることができました。

ポイントは図4~図7の辺りだったと思います。
居飛車側としては、もし図7で振り飛車が少し指せているとすると、図4での▲6六香辺りで他の選択肢を考えたいです。

終盤はうまく決め切ることができました。

 

棋譜(flash盤)

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菅井竜也さんのゴキゲン中飛車の棋譜(将棋戦法大事典の更新:22件) https://shogijugem.com/shogi-sempo-daijiten-update-4-2052 Sun, 12 Jun 2016 11:27:42 +0000 https://shogijugem.com/?p=2052 将棋戦法大事典に新しく22ページを追加しました。 今回大幅に追加されたのが、「ゴキゲン中飛車」および「対ゴキゲン中飛車」です。   【2016/6/29追記】棋譜でーたべーすに現在アクセスできないために、棋譜で...

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将棋戦法大事典に新しく22ページを追加しました。

今回大幅に追加されたのが、ゴキゲン中飛車および「対ゴキゲン中飛車」です。

 

【2016/6/29追記】棋譜でーたべーすに現在アクセスできないために、棋譜でーたべーすを参照していたリンクが切れています。

【2016/8/22追記】もっと完成度の高いまとめ記事を作成しました。

菅井竜也さんのゴキゲン中飛車の棋譜のまとめ(全43局、2009年~2015年)
菅井竜也さんの2009~2015年のゴキゲン中飛車の棋譜(全43局)のまとめです。 棋譜データベース「将棋DB2」に掲載のゴキ...

 

菅井竜也さんのゴキゲン中飛車の棋譜の分類

ゴキゲン中飛車

菅井竜也さんの2009~2012年の「ゴキゲン中飛車」の棋譜を、棋譜でーたべーすで全て調査済みです。菅井竜也さんは、この頃はゴキゲン中飛車のスペシャリストで、研究の最先端を走っていたプロ棋士です。この期間は、ちょうど超速▲3七銀戦法が初めてプロ棋戦で現れた時期をまたいでおり、超速前と超速後のさまざまな対策が実戦で現れています。

具体的には、居飛車側の対策としては、超速▲3七銀および、それ以前からある▲5八金右超急戦、▲7八金型、丸山ワクチン、居飛車穴熊(一直線穴熊)などが、菅井竜也さんの実戦で現れています。

また、超速▲3七銀に対するゴキゲン中飛車側の対策としては、△3二金型、菅井流、銀対抗などが、菅井竜也さんの実戦で現れています。

これらの2009~2012年の菅井竜也さんの棋譜を、将棋戦法大事典(振り飛車編対振り飛車編)のページで、戦型別でなるべくわかりやすいように分類しています。「振り飛車編」と「対振り飛車編」で分類の仕方が異なるのですが、対振り飛車編の方が分類が細かくなっています。なるべく、戦型選択の主導権がある側で分類したいと考えています。

(たとえば、超速▲3七銀、▲5八金右超急戦、▲7八金型、丸山ワクチンなどは居飛車側に選択権があるので、「対振り飛車編」のページに分類しています。また、△3二金型、菅井流、銀対抗などは、超速▲3七銀に対してゴキゲン中飛車側に選択権があるので、「振り飛車編」のページに分類しています。ただし、戦型選択は互いの駆け引きで決まるので、どちらに分類するか迷うケースも多々あります。)

 

将棋戦法大事典への追加ページの詳細

巻物(茶)

 

将棋戦法大事典(居飛車編)に以下のページを追加しました。

・△5三銀右急戦・△5三銀保留型(参考記事:王座戦2016豊島vs阿久津

・角換わり・棒銀 vs 腰掛け銀

・横歩取り△8五飛戦法・△6二玉型

・雁木

・袖飛車

 

将棋戦法大事典(振り飛車編)に以下のページを追加しました。

・ゴキゲン中飛車・△3二金型

・ゴキゲン中飛車・菅井流

・ゴキゲン中飛車・銀対抗

・先手中飛車 vs 角道保留型

 

将棋戦法大事典(対振り飛車編)に以下のページを追加しました。

・ゴキゲン中飛車 vs ▲7七銀急戦

・ゴキゲン中飛車・超急戦回避策△6二玉

・ゴキゲン中飛車 vs 丸山ワクチン

・ゴキゲン中飛車 vs 居飛車穴熊(一直線穴熊)

・ゴキゲン中飛車(△3二金型)vs 超速▲3七銀

・ゴキゲン中飛車(△3二金型)vs 超速▲3七銀・二枚銀

・ゴキゲン中飛車(△3二金型)vs 超速▲3七銀・二枚銀・飛車銀交換定跡

・ゴキゲン中飛車(菅井流)vs 超速▲3七銀

先手中飛車 vs 2手目△1四歩

・先手中飛車(5筋位取り型)vs 角道不突き型・船囲い△6三銀型

・先手中飛車(5筋位取り型)vs 居飛車穴熊

・角交換四間飛車 vs 居飛車穴熊

・三間飛車穴熊・相穴熊

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ゴキゲン中飛車で初遭遇の▲5八金右超急戦に潰される https://shogijugem.com/jugem-jissen-58kimmigi-chokyusen-vs-gokigen-nakabisha-1151 Sun, 08 May 2016 16:41:41 +0000 https://shogijugem.com/?p=1151 このページの目次 ・ゴキゲン中飛車 ・▲5八金右超急戦 vs ゴキゲン中飛車 ・将棋の敗因の分析 ・敗因その1:定跡の知識不足 ・敗因その2:自玉が寄り筋になる手順の見落とし   ゴキゲン中飛車 最近、ゴキゲン...

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このページの目次

ゴキゲン中飛車

▲5八金右超急戦 vs ゴキゲン中飛車

将棋の敗因の分析

敗因その1:定跡の知識不足

敗因その2:自玉が寄り筋になる手順の見落とし

 

ゴキゲン中飛車

最近、ゴキゲン中飛車を指しています。

 

ゴキゲン中飛車はプロ棋士の近藤正和さんが創始者の戦法です。近藤さんが四段になってプロデビューした1996年から既に20年近くが経とうとしています。すなわち、戦法としてはもう20年ぐらい指されていますが、現在でも主流戦法の一つとして数えられています。ゴキゲン中飛車が流行して升田幸三賞を受賞したのが2001年なので、プロ将棋界で集中的に研究されるようになってからでも15年ぐらいの年月が流れています。それだけ奥が深く、有力な戦法ということです。

 

私個人としては、ゴキゲン中飛車が流行していた時期は、ちょうど将棋に触れていなかった時期と重なります。流行期から指していた人と比べると知識も経験もかなりの差があります。実際勝率もあまり良くないですし、正直言ってトップクラスに苦手な戦法です。

居飛車側で指していて、ゴキゲン中飛車があまりにもやっかいなので、ゴキゲン対策を練ろうと思いました。しかし、対戦相手がみんなゴキゲン中飛車を指してくれるわけではないので、どうしても全対局数に占めるゴキゲン中飛車の割合が少なくなります。というわけで、自分から戦型誘導できる振り飛車側でも指してみようと思ったわけです。両方の側から指してみるのが、戦法の経験値を早めに上げるコツです。

 

ゴキゲン中飛車対策としては、超速▲3七銀、丸山ワクチンが有名で、実戦でも指されることが多かったのですが、ついに恐れていたあの戦法に初めて遭遇しました。

 

それは、▲5八金右超急戦です。

そして、一瞬で潰されました(泣)

 

▲5八金右超急戦 vs ゴキゲン中飛車

図1が超急戦の▲5八金右超急戦の基本図です。

▲5八金右超急戦vsゴキゲン中飛車のじゅげむの実戦1

図1から超急戦を避けて△6二玉とする将棋もプロの実戦で指されていますが、超急戦を受けて立つとすると図1から△5五歩です。(図2)

▲5八金右超急戦vsゴキゲン中飛車のじゅげむの実戦2

図2から▲2四歩△同歩▲同飛△5六歩▲同歩△8八角成▲同銀△3三角▲2一飛成△8八角成(図3)が定跡手順です。非常に激しい手順ですが、タイトル戦でも何度も現れています。

▲5八金右超急戦vsゴキゲン中飛車のじゅげむの実戦3

図3から▲5五桂△6二玉▲1一龍(図4)もほぼ必然で定跡化された手順です。

▲5八金右超急戦vsゴキゲン中飛車のじゅげむの実戦4

図4は後手にとって色々と選択肢がある局面で、①△9九馬、②△5四銀、③△5四歩などの選択肢があります。

①△9九馬
2010年の第59期王将戦七番勝負第6局▲羽生善治vs久保利明戦では、△9九馬以下、▲3三角△4四銀▲同角成△同歩▲6六香△7二銀▲8二銀△2七角(参考図1)と進行して、後手の久保利明さんが勝っています。ただし、最近では△9九馬に▲3三香が有力とされているようです。

▲5八金右超急戦vsゴキゲン中飛車(参考図1)

②△5四銀
2015年3月の第73期A級順位戦プレーオフ▲広瀬章人vs△久保利明戦では、△5四銀以下、▲7五角△2一歩▲同龍△3二銀▲1二龍△8九馬▲2三歩△9九馬▲2二歩成△7七馬▲6八金上△7六馬(参考図2)と進み後手の久保利明さんが勝っています。

▲5八金右超急戦vsゴキゲン中飛車(参考図2)

③△5四歩
けっこう昔のタイトル戦になりますが、2007年の第78期棋聖戦五番勝負第4局▲渡辺明vs△佐藤康光戦では、△5四歩以下、▲6三桂成△同玉▲6六香△7二玉▲7五角△5一飛▲2三歩△6二銀打(参考図3)と進み、後手の佐藤康光さんが勝っています。

▲5八金右超急戦vsゴキゲン中飛車(参考図3)

 

というわけで、どれも有力そうなのですが、どうやら最近指されているらしい②△5四銀(図5)採用しました。その結果が、37手の短手数でのじゅげむ投了です(泣)(もちろん△5四銀が悪いわけではないです。)

▲5八金右超急戦vsゴキゲン中飛車のじゅげむの実戦5

△5四銀以下、▲6六香△9九馬▲1三龍△4二銀▲4四角(図6)と進みます。

▲5八金右超急戦vsゴキゲン中飛車のじゅげむの実戦6

▲4四角??

対局後の感想戦で、定跡の一手だと教えてもらったのですが、初見で30秒将棋でこんな手を指されると焦ります。

 

図6以下の有力な順として、

①△4四同歩と角を取ってしまう。飛車は取られるが、先に角得しているので駒損ではない。
図6以下、△同歩▲6三桂成△5一玉▲5二成桂△同金左(変化図1)

▲5八金右超急戦vsゴキゲン中飛車のじゅげむの実戦(変化図1)

②△7二玉から9九の馬を抜かせてしまう。その代わりに、桂香の持ち駒が手に入るし、先手の角が一瞬遊ぶ。
図6以下、△7二玉▲6三桂成△同銀▲同香成△同玉▲9九角(変化図2)

▲5八金右超急戦vsゴキゲン中飛車のじゅげむの実戦(変化図2)

があると教えてもらいました。

 

ところが実戦の手順は、

③4四の角は取らない。9九の馬は抜かせない。しかし、飛車も玉も取られる(泣)
△7二玉▲6三桂成△8二玉▲5二成桂△同金右▲7一角成△同玉▲6一飛△7二玉▲4一飛成(投了図)まで37手で先手勝ちとなりました。

▲5八金右超急戦vsゴキゲン中飛車のじゅげむの実戦7

 

こちらの記事は次戦の自戦記です。

ゴキゲン中飛車で▲5八金右超急戦を返り討ちにする
ゴキゲン中飛車vs▲5八金右超急戦の自戦記です。 将棋倶楽部24でのレーティング約2000同士の対局で、 後手のゴキゲン中飛車側がじゅげ...

 

将棋の敗因の分析

せっかく、清々しいまでの負けっぷりを披露したので、敗因の項目として加えておきましょう。

 

敗因その1:定跡の知識不足

本局の敗因を一言で言えば定跡の知識不足」です。

 

「▲4四角みたいな手を指されても、その場で考えて適切に対応すればいい」という考え方もありますが、それには「読み」や「大局観」などの将棋の地力が必要です。

例えば、変化図1のように飛車を取られても駒損ではなく、さらに▲6一香成と金を取られてもまだ駒損ではなく、以下△同玉▲6四飛のように5四の銀を狙われても大丈夫。とすぐに判断できるなら・・・。

あるいは、変化図2で9九の馬を素抜かれて角香交換の駒損でも、以下△5七歩のように手番を握って攻めれば難しい。とすぐに判断できればいいのですが・・・。

 

もちろん、定跡の知識なしで上手く切り抜けることができる可能性もありますが、「棋力に応じてどのくらい切り抜けられる確率がありそうか」というハードルを越えることになります。

ここで重要なのは、対戦相手と定跡の知識に差がある場合に、自分だけが大きなリスクを持っている可能性があることです。互いにリスクを持っているなら五分ですし、むしろ勝負としては面白いでしょう。しかし、自分だけが綱渡りというのは嫌なものです。特に本局のように、有名な急戦定跡の知識は頭に入れておいた方が無難です。

 

敗因その2:自玉が寄り筋になる手順の見落とし

将棋の勝率を上げるために「決め手を与えない」という考え方は大事です。

本局のように、一気に自玉が寄せられて将棋が終わってしまう手順は、何としてでも回避する必要があります。たとえ、その他の変化で形勢が思わしくなかったとしても、最悪の変化に飛び込む理由にはならないです。その意味で、「自玉が寄り筋になる手順の見落とし」は致命的です。

将棋は逆転のゲームなので、決め手を与えずに粘っているうちに、相手がミスをして逆転するというケースは非常に多いです。形勢が悪くなっても上手く粘って、虎視眈々と逆転のチャンスを狙いましょう。

 

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