3-4. 横歩取り | じゅげむの将棋ブログ https://shogijugem.com 将棋の戦法や定跡のまとめ、囲い、格言、自戦記、ゆるゆる研究シリーズなど。 Wed, 08 Feb 2017 07:48:26 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.5.3 111067373 横歩取りを久しぶりに指したらいきなり△4五角戦法に遭遇してビビる https://shogijugem.com/jisenki-45kakusempo-4147 Sun, 18 Sep 2016 02:30:12 +0000 https://shogijugem.com/?p=4147 じゅげむは横歩取りをあまり指しません。なぜかというと、横歩取りには「△4五角戦法」と「相横歩取り」という有名な超急戦定跡があるからです。 超急戦でしかも定跡形となると、定跡を覚えていないだいたい一気に潰される・・・。 そ...

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じゅげむは横歩取りをあまり指しません。なぜかというと、横歩取りには「△4五角戦法」と「相横歩取り」という有名な超急戦定跡があるからです。

超急戦でしかも定跡形となると、定跡を覚えていないだいたい一気に潰される・・・。
そこで、先手番では横歩を取らずに、横歩拒否型相掛かり(下図)をよく指していました。

横歩拒否型相掛かり

 

気まぐれで久しぶりに横歩を取ったのが本局。

そして、いきなり恐れていた△4五角戦法(図1)を指されて大いにビビります。

横歩取り△4五角戦法

 


横歩取り超急戦のすべて(飯島栄治、2014年)

 

横歩取り△4五角戦法の定跡

図1が横歩取り△4五角戦法の基本図です。
後手から誘導する戦法で、有名な超急戦定跡として知られています。

初手から図1までの手順は、▲7六歩△8四歩▲2六歩△3四歩▲2五歩△8五歩▲7八金△3二金▲2四歩△同歩▲同飛△8六歩▲同歩△同飛▲3四飛△8八角成▲同銀△2八歩▲同銀△4五角(図1)です。

横歩取り△4五角戦法

ポイントとしては、

▲3四飛と横歩を取ると、△4五角戦法を避けられない。

ということです。すなわち、

▲3四歩と横歩を取るなら、△4五角戦法への対策が必要。

となります。

 

しかし、本局のじゅげむの場合は、

△4五角戦法の定跡がウロ覚え

なので、

久しぶりに横歩を取った一局目から△4五角戦法に遭遇してかなりビビったわけです。

 

ちなみに、横歩取り△4五角戦法の定跡は『羽生の頭脳5(横歩取り)』に非常に詳しく書かれています↓


羽生の頭脳5(横歩取り)

 

それによると、図1では①▲2四飛、②▲7七角、③▲8七歩の3通りがあり、①▲2四飛なら先手有望、②▲7七角と③▲8七歩なら優劣不明とのことです。①▲2四飛で先手有望なので、プロではあまり指されないということでしょう。

さて、羽生の頭脳は昔読みましたが、もうだいたい忘れてしまっていてウロ覚えです。

ウロ覚えなので、図1で最善ではない②▲7七角を選んでしまいます。

しかし、3通り以外の悪手を指さなかったのはよかったです。ウロ覚え万歳(汗)

図1以下の指し手:▲7七角△8八飛成▲同角△3四角▲1一角成△3三桂▲3六香(図2)

②▲7七角の場合の定跡手順

図1で②▲7七角を選べば、図2の▲3六香まではこう進むところです。

図2から△3五歩▲同香(図3)と進むのが定跡手順です。

後手の分岐点

図3は後手にとっての分岐点で、①△2五角②△2五飛があります。

①△2五角は、▲3三香成と攻め合って先手有望。以下、△4七角成▲5八桂△2九馬▲3二香成△同銀▲3一飛△4一銀打▲4二歩△同玉▲3三金(変化図1)が一例で、この変化は先手十分となります。

①△2五角からの一例

そこで、本譜は図3から②△2五飛。銀と香車の両取りです。

この手に対して、▲3四香と角を取る手もあり、以下△2八飛成▲3八角は優劣不明です。

本譜は図3から△2五飛▲3三馬△同金▲2七桂(図4)

▲2七桂で両取りを受ける

桂馬があると▲2七桂で両取りを受けることができます。そこで、▲3三馬と王手で桂馬を取る手があります。気付きづらい手なのですが、これも定跡の一手です。

個人的には、よくこんな手を覚えていたなあ・・・という感じです。

▲2七桂と受けた形がちょっと変わっているので、なんとなく頭に残っていたのですが、この手順で出てくる手ということまでは覚えていませんでした。

本局で定跡手順で進んだのは図4の▲2七桂まで。ここから未知の局面に突入します。

ちなみに、定跡では図4から△2四飛▲3四香△同飛で優劣不明とのことです。この辺りは優劣不明の変化がいくつかあり、さかのぼって図1で▲7七角を選ぶと優劣不明になりやすいようです。

 

定跡から離れて終盤戦に突入

図4から△4五角(図5)で定跡から離れます。

定跡から離れる

対局中は、この手で定跡から離れたことには全く気付いていません。

しかし、「え?3三の金を取れるけど、取ったらまずいのかな・・・なんとなく行けそうな気がするけど」とやや強気になります。

一直線の手順を中心に、具体的には図6以下の手順ばかりを考えます。

図5以下の指し手:▲3三香不成△2七角成▲同銀△同飛成▲3一香成(図6)

一直線の変化に突入

図6で詰みがあれば勝てるのにな・・・と期待しますが、流石にそこまで甘くはない。後手玉にまだ詰みはなさそうです。

図6以下の指し手:△3八銀▲8三角(図7)

終盤のポイント

この辺りは終盤のポイントだったと思います。難しくてよくわからない。しかし、なんとなく一手勝っていそうな気もします。

図7以下の指し手:△6二玉▲3二飛△5二桂▲3八金(図8)

ここで△6二玉が良くなかった。▲3二飛で1枚合駒を使わされた上に、▲3八金と銀を取った手が詰めろになっています。ここでは勝ちになったと思いました。

▲3八金が詰めろになる

図8で△3八同龍と取ると詰みがあります。

本譜の手順は、図8から△3八同龍▲5二飛成△同玉▲4一銀△6二玉▲5二金△同金▲同銀成△同玉▲4一銀(投了図)で、以下△4二玉▲3二成香△5一玉▲5二金までの詰みです。

投了図

 

本局ではなんとか勝てましたが、

定跡ウロ覚えで△4五角戦法と戦うのは怖すぎる(汗)

というのが正直な感想です。

 

羽生の頭脳5(横歩取り)をパラパラ読み直していると、

定跡から離れたら即終盤・・・どころか、

最終盤まで定跡という変化が多くてビビります。

 

しかし、タイトル戦などで横歩取りを見ていると自分でも指したくなってきます。

というわけで、定跡を覚え直して、横歩取りをぼちぼち指して行こうと思っています。

棋譜(flash盤)

 


横歩取り超急戦のすべて(飯島栄治、2014年)

 


羽生の頭脳5(横歩取り)

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